(内容)
元過激派の父は、どうやら国が嫌いらしい。税金など払わない、無理して学校に行く必要なんかないとかよく言っている。そんな父の考えなのか、僕たち家族は東京の家を捨てて、南の島に移住することになってしまった。行き着いた先は沖縄の西表島。案の定、父はここでも大騒動をひき起こして…。-型破りな父に翻弄される家族を、少年の視点から描いた、新時代の大傑作ビルドゥングスロマン、完結編。
上下巻からなる長編。
前半は二郎の小学校生活を中心に破天荒な父と家族が描かれたコメディタッチの内容。
ロケーションも東京の中野である。
後半は一転して西表島でのサバイバル生活が中心に。
主人公の二郎の小6ならではの心理描写がとても上手く描かれていて感心させられる。
ほとんどの展開がコメディだが、最後にはちゃんとしたオチが待っていて色々と考えさせられることもあった。
ずっと読んでいたいし続編も読みたくなるほどの良書。
そして、奥田英朗の才能の凄さについて改めて感心させられる。
★★★★★