リリオーの日記

気が付いたことを書きます。

損得の続き

2007-10-16 10:24:49 | Weblog

店を開店して1年くらい過ぎた頃、お客さまが宝石商の人を連れてきた。
「ママ、今度、宝石の展示会があるらしい、気晴らしに見にだけいったら」
「有名料亭でやりますし、琴の調べを聞きながら会席料理を召し上がって下さい。いや、何も買ってもらわなくても良いんですよ、遊びに来て下さい」
ダイヤの指輪か!辛い思い出があるよね。
クラブで働いていたとき、店が跳ねてからいつも南の寿司屋に呼ばれ朝まで付き合わされた客がいた。何時も取り巻きの男達と私だけなんだけれど、一度、20人くらい新地のホステス夜中に寿司屋に呼んで客達はどんちゃん騒ぎをした。私はじっと、座っているホステス達を見ていた。凄い上手な化粧に高価な着物、それにみんな、ダイヤ、エメラルド、真珠等々の指輪をしているじゃないか、私は悔しいと思った。
そして、又、母が出てくるが(当時、母と一緒に住んでいた)「お母ちゃん、指輪がいる、負けていられへん、欲しい!」と叫んだ。でも、まだまだ新米ホステス、買ったのは小さな指輪で直ぐに飽きてしまった。
「そうや、私は展示会に行く、お母ちゃん行こう」展示会好きな母は喜んで転こんで付いてきた。
案内人が側を離れずずっと付いてくる。お洒落なデザインのダイヤに目がいく。
「やはり、お目が高い、良いでしょう」おだてて持ち上げ勧められ母も納得。150万円(最近、お客さまの名前が思い出されないときがあるのに当時の金額は覚えている勝手な私)じゃ、お食事にどうぞと高そうな灯籠と松の木を眺め琴の調べに酔いしれながらの会席料理に舌鼓。
「おいしいなあ、お母ちゃん、今度はステーキが良いわ」満足そうな母の顔を見て喜んだ私。
当時、天六に住んでいて商店街の宝石屋さんのウインドーを眺めていると私が買ったのと同じようなのが飾ってある。いや、私のより、大きいぞ、いや色、カットなどあるから大きいだけでは解らない、私の方が高かったんだから、でも・・・毎日のようにウインドーを眺めるようになる。
それから又、時計宝石屋さんの客が出来て尋ねてみた。うちでの売値だったら半分くらい、下取りに取るならもっと安い。ガックリ。いやになって、下取りにとってもらい他のを買い、又・・・結局、薬局、0円になってしまった。
それからは転落の始まり、損ばかりするのを買っていた。トホホ・・・