人形と動物の文学論

人形表象による内面表現を切り口に、新しい文学論の構築を目指す。研究と日常、わんことの生活、そしてブックレビュー。

【論文掲載情報】『ユリイカ』2019年2月号(特集:吉本ばなな)

2019-01-28 22:26:12 | 研究・発表・イベント等情報
新年のご挨拶をしそびれましたが、
本年もどうぞよろしくお願い致します。
  

昨年は口頭発表はたくさんしたのですが、論文の掲載がなく、
研究業績としては少し寂しい状態となってしまいました。
これから少しずつ、論文にしていけたらなと思っています。

  

さて、1月28日発売の、『ユリイカ』2019年2月号(吉本ばなな特集号)に、
「パイナップルの実:「キッチン」「満月」における植物のイメージ」と題した論考を寄稿しています。
作品中の植物のイメージを「食べること」という観点から位置づけたものです。
パイナップルは食べられる、という話をしています。
え、当たり前じゃんどういうこと? と疑問に思われた方は、ぜひ手に取ってごらんになって下さい。

実は少し言い訳をしなければならないことがありまして…、
パイナップルって観賞用の種類のものがあるらしいんですよね。
で、食べる用のものにしても、現在の栽培環境ではほとんど受粉しないみたいで、
受粉しないでも結実するんだそうです。
なので、あくまでもパイナップルのイメージの話としてお読みいただければと考えております。

実家のもふもふの楽園から出てきて、二日後くらいに寂しそうなのすけちゃんの写真というのが母から送られてきたんですが、
 
こんなの見ると実家に飛んで帰りたくなってしまいます。

心臓の悪いテリちゃん、前髪を切ったのでかわいくなりました。
  
急にどうこうするような感じではなかったのでほっとしたけれど、でもやっぱりちょっとしんどそうかな…。


ゴンちゃんとしわすちゃん。ゴンちゃん怖がりだけど意外と写真は撮れます。

生物学史分科会シンポジウム「人形のいる生物学史」で発表します。

2018-11-03 12:47:25 | 研究・発表・イベント等情報
こんにちは。
この前、岡山で学会があったのでついでに実家(香川県)に帰省してきました。
2~3年前から心臓が悪くて薬を飲んでいる11歳のテリちゃん

が、お腹に水がたまり始めたので最後の段階だ、もうそんなにもたない、と言われたのを聞いて心配だったのと、
現在最高齢(17歳)のアバちゃん

が9月に何かの発作らしきものを起こしてからおむつが取れない状態になったというので、
一度顔を見ておきたかったのですが…。

まあ何ともどの子もものすごい甘えたれになってました。
年末年始、5月の連休、お盆という決まったお休みに帰省した時はそうでもないのに(いや、甘えたれだけど)、
何か今回はものすごかったです(もうだいぶん私が誰だかわかっているのか分かっていないのか分からないアバちゃん以外)。
のすけちゃん
  
は、私が階下の他のわんこたちと一緒にいると、ずーっと文句言って吠えるので、
ごはんとか食べてないときは自分の部屋で(のすけちゃんはふだん私の部屋にいる)
ずっとのすけちゃんといっしょにいないといけなかったです。

ゆめちゃん、おすまししてきれいに座っているところを撮りたかったのだけど、写真を撮ろうとすると嫌な顔をします。
 

学会には、行って良かったですね。
最近ずっと発表とか、授業もアクチュアルなもので、入ってきたものをそのまま出していくみたいな生活を送っていたので、
ゆっくり丁寧に対象に接するとか、じっくり自分の文章と向き合うようなことを少しはしないと、
精神的な安定が保たれないなあ、と改めて思いました。

さて、日本科学史学会の下部組織である生物学史分科会のシンポジウムで発表するので、お知らせいたします。

日時:2018年12月16日(日)14時~17時15分
場所 東大駒場キャンパス16号館119号室
[プログラム]
14:00-14:30 奥村大介「序論と解題――あるいは、金森修『人形論』(2018)について」
14:30-15:00 菅実花「未来の母としての「妊娠するアンドロイド」をめぐって」
15:00-15:30 西原志保「殖えない猫と殖える人形――笙野頼子『硝子生命論』を中心に」
15:30-16:00 高橋さきの「人形と生き物と言葉」
16:00-16:15 休憩
16:15-17:15 総合討論

参加費無料、どなたでもご参加できますが、配付資料準備などの関係で、事前に参加申し込みいただければ幸いです。
詳細、事前申し込みについてはこちら

2016年に亡くなった金森修氏の遺作『人形論』(平凡社、2018年5月)の合評会も兼ねるもので、
等身大の女性型愛玩人形の妊娠をテーマにしたアートプロジェクト「Do Lovedolls Dream of Babies?」で話題になった美術家の菅実花さん、
科学技術論専攻で、ダナ・ハラウェイの翻訳などで有名な翻訳家の高橋さきのさんとご一緒します。
西原は(古くは生殖や女性性の象徴であったものの)避妊・去勢手術をして殖えない猫との対比から、
笙野頼子の人形表象について考えます。

みなさまぜひご参加ください。


「笙野頼子の猫」発表およびKUNILABO講座「『源氏物語』を読む」のお知らせ

2018-09-03 11:54:27 | 研究・発表・イベント等情報
こんにちは。
本日は2点のお知らせ。

1.9月20日(木)に、第9回世界文学・語圏横断ネットワーク研究集会(於.立命館大学)で発表します。

第9回 世界文学・語圏横断ネットワーク研究集会 プログラム
9/20木 立命館大学衣笠キャンパス末川記念会館SK101(講義室)
13:30-17:50  セッションI 動物と文学司会:西成彦(立命館大学)
9/21金 立命館大学衣笠キャンパス末川記念会館SK101(講義室)
13:00-13:45 個別発表
14:00-17:20  セッションⅡ パリの外国人(続)司会:中川成美(立命館大学)
発表要旨集

西原は「動物と文学」というセッションの最初の発表(9月20日13:30~)で、
避妊・去勢手術に対する意識を中心に、笙野頼子の猫文学を読み解きます。
以前日本文学協会で発表したときには、(やはり)内容を分けたほうがよいとのコメントをいただきましたし、
特に笙野頼子の部分は、予想したものと違うものが出てきたことで、うまく処理できませんでしたので、
今回は笙野頼子の猫を中心に扱うこととします。

2.人文学の専門家の知識を市民の皆さんにつなぐ場であるKUNILABOで2018年9月期もゼミを担当します。

9月期開講講座
お申し込みフォーム

『源氏物語』を読む ☆☆(一般:12,000円/8回 学生:6,000円/8回)※月2回開講  
第1・第3金曜日19:00〜20:30(9/7, 9/21, 10/5, 10/19, 11/2, 11/16, 12/7, 12/21) 会場:リトマス

2017年度9月期に講義を、2018年度4月期にゼミを担当したKUNILABOで、9月期からもゼミを継続します。
4月期からの続きで、『源氏物語』の宇治十帖を読んでいきます。
9月期からの授業では、ついに薫の出生の秘密が明かされます。
「受付締め切りました」って書いてますが、お申し込み少なかったので、まだ大丈夫だと思います。
宜しければ、お申し込みフォームでも、KUNILABOのお問い合わせでも、ご連絡いただけましたらと存じます。

――――――――――――おまけ―――――――――――――
実家に帰省した時のわんわん写真張り付けときます。

   
一時預かり中のくりん君(ベージュの子)と仲良しのしわすちゃん(茶色の子)。
しわすちゃんは始終動いているので写真を撮るのがたいへんです。
くりん君は里親募集中です。 →2020年1月2日に急逝しました。
詳細・お申し込みは保護主さんのブログ、おうちで暮らそうにて。

  
しわすちゃんとごんちゃん、ごんちゃん。
ごんは獣医さんにも連れていけないくらいの怖がりだけど、結構ちゃんと撮れてますね。

  
弟が魚を食べ始めると、わんこたちが集まってきます。 何かほしいときのゆめちゃんの目力はすごいです。

  
ゆめとさち。さちこはなぜか母が料理を始めると台所にやってきます。

 
カイちゃんとシロリン。きょうだいです。シロリンは眠いの我慢して船漕いでます。寝ればいいのに何で我慢しているのかよく分かりません。


ししまるくん。うちで一番大きいです。しわすちゃんとはきょうだいだけど、あまり仲良くないです(なので場所も別)。後ろにちょっと写ってるのはロコちゃん。


最高齢のアバちゃん。この日はぼんやりしてたので心配しましたが、その後は元気みたいです。

 
メガちゃん。お尻の腫瘍を採った痕を縫った部分を、なめて取ってしまうというので、エリザベスカラーをつけられてしまいました。
腫瘍は幸い良性のものでした。


のすけちゃん。私が上京する日に撮った写真なので、察してかつまらなそうな顔してます。

 
かわいいテリちゃん。帰省中にも一度発作を起こしてしまったし、心臓が弱っていたり気管が老化していたりで心配です。
テリアが入ってるから弱いのかなあ…

【学会発表告知】「去勢と動物表象」2018年7月8日(日)日本文学協会第38回研究発表大会(於.金沢大学)

2018-06-18 21:10:36 | 研究・発表・イベント等情報
こんばんは。
ずいぶん更新をさぼっておりました。
3月末のパネル発表の報告も書かないと、と思っているのですが…。

7月8日(日)に、日本文学協会第38回研究発表大会(於.金沢大学)で発表しますので、告知いたします。

日時:7月8日(日)
場所:金沢大学・角間キャンパス 人文社会第一講義棟
※部門によって開始時間が異なります。西原の発表は15:35~16:20です。

西原発表「去勢と動物表象―松浦理英子『犬身』および笙野頼子の猫小説/エッセイ群を中心に」
動物は古来、自然なものとして、多産や豊饒さ、生殖の表象となってきました。
けれども近年、犬や猫などの身近な動物においては、避妊・去勢手術が一般化しましたし、
TNR(猫を捕獲し、避妊・去勢手術を行った後元の場所に戻し、一代限りの地域猫として見守ること)活動や、
殺処分数を減らすという文脈からも、犬や猫の避妊・去勢手術は必須のものとなりつつあります。
つまり、彼らを家族として愛すれば愛するほど、犬や猫は生殖しないものとなりつつあるのです。
このような変化によって、犬や猫の表象はどう変わるのか。
松浦理英子『犬身』と、笙野頼子の猫小説
(『愛別外猫雑記』『S倉迷妄通信』←猫小説/エッセイ群というタイトルにしましたが、この二つにほぼ絞ることにしました)
をとりあげて、考えてみたいと思っています。
最終的には、生殖を媒介としない愛のかたちを表象しうる可能性を示唆したいと目論んでおります。
要するにモフモフ万歳!です。

ずっと長らく、やりたいと思っていたテーマでした。
また、これまでずっと、女性性であるとか、生殖であるとか、何かを否定する話ばかりしていたのですが、
初めて何かを肯定する話ができるかな、と思っております。
どうぞよろしくお願い致します。


また会場は、古代前期・古代後期・中世・近世・近代・国語教育の各部門が隣り合っていて、
相互に交流できる空間となっております。
今回は古代後期が2会場、近代が4会場に別れるほど、発表が盛りだくさんです。
きっと興味のもてる発表がいくつか見つけられると思います。
ぜひご参加ください。


――――――――――――――
(おまけ)
実家で一時預かり中のくりん君、里親募集中です。

保護主さんのブログ:おうちで暮らそう
から、お申込できます。
→2020年1月2日に急逝しました。

12月に新書『『源氏物語』女三の宮の〈内面〉』が発売予定です。

2017-11-26 19:48:51 | 研究・発表・イベント等情報
12月20日に西原の新書『『源氏物語』女三の宮の〈内面〉』が発売予定で、既にアマゾンに情報が出ています。

『源氏物語』の中で「内面」がないと見なされがちな女三の宮の心内語や和歌、会話文に注目し、その人物像を明らかにするとともに、『源氏物語』を読みかえたもの。
『甘い蜜の部屋』について書いた部分もあります。

博士論文と内容がかぶる部分もありますが、すべて一般向けに書き直し、再構成しました。
完全な書下ろしとなる部分もあります。

どうぞよろしくお願い致します。

――――――おまけ――――――
実家で一時預かり中の保護犬くりん君、里親募集中です。今日は譲渡会にお出かけしたのかな?

詳細は保護主さんのブログにて
おうちで暮らそう
→2020年1月2日に急逝しました。