土屋龍一郎のブログ

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新潟の寿司はパワフルだ。

2005-10-21 00:38:54 | これを喰わず
 「それは港寿司がいいだろう」
 新潟でちょっとした時間の合間に寿司を味わうにはどこへ行けば間違いないだろうかと尋ねた時に老舗酒屋の早福さんが勧めてくれた寿司屋はホテルイタリア軒から徒歩5分。
 ランチの時間に間にあったので7個+巻寿司ランチを頼んだ。
 「新潟のお客さまはネタが良いのは当然で、シャリが良くないと納得してくれません」と板前さんがおっしゃる。さすがは米どころ新潟である。
 出されたお寿司もとにかくシャリのパワーが強い。素人考えではあるが、新潟のお米はまるで餅米かと思うほど丸い。そして一粒が重い。
 同じ北陸沿いにある富山の寿司と種類が違う。新潟のどかんとした座りの寿司に比べると富山の寿司はつんとすました感じがある。新潟の熱さに比べて富山はひんやりしている。
 考えてみると新潟では、ネタもシャリも酒も全部地元で調達できる贅沢さである。
 長野の寿司はネタを他県から仕入れて、酒と米こそ長野産ではあるが、酒の麹は新潟から仕入れていたりするから、自給率は30%くらいである。
 漬け物だったら、長野は自慢ができるけれど・・・ああ、野沢(菜)が長野県で良かった。

グレンリベット

2005-10-08 17:43:21 | これを喰わず
 バーRITAがオープンしていろいろ試しているうちに知らず知らずシングルモルトに気持ちが傾いていて県外などに出かけても、ホステスとかがいるお店よりも地元にあるひっそりとしたバーなどに行くようになってきた。
 先日訪れた姫路でも仲間と二軒のバーをハシゴした。
 土屋守さんという方が主催しているスコッチ文化研究会の北上支部長でもある友人の小田島君の案内および解説つきでまろやかな味が口の中全体に広がるような酒から舌がしびれるような強烈なものまでウィスキーを楽しんだ。
 国産ウィスキーの、それもお徳用ばかり飲んでいた私が1989年に訪問したイギリスのバーミンガムのバーで夏目さんという先輩から「お酒の種類を指定して飲んでみろ」といわれて推薦されたのがグレンリベットという名前だった。それ以来私の中ではいざというときは「グレンリベットをロックグラスで」と頼むようになった。
 今回の姫路でも同様に頼んだところ、小田島さん曰くグレンリベットのとても珍しいボトルがあったとのこと。10年前の12年ものが入っている古いシリーズのボトルだとのこと。後日詳しい解説mailをいただいた。
『新しい方がうまい日本酒の文化と、もう作れないという理由から古い物をありがたがるモルト文化がある』とのことで、このラベルのグレンリベットを見たら絶対試す価値があるそうだ。
 飲んでみると、なるほどさすがとうなるような味と香り、舌触りがして始めて飲んだ時の味が蘇ってきた!
 というくらいに味がわかるようになりたい。
 実際にはただただ「うまいうまい」と飲んでしまって、微妙な味の違いを楽しむような大人になるにはもう少し研究の時間が必要である。
 小田島君からはスコッチ文化研究会長野県支部を立ち上げるように言われているけれど、もうすこっち待ってね。

姫路のプデチゲ

2005-10-05 21:56:24 | これを喰わず
 姫路の大御所NOBBY村角と米谷会頭がお勧めしてくれたのが姫路の韓国料理店「どんぐり」である。超愛想の良い女将さんと若い女衆が、用意してくれたのが、「プデチゲ」である。焼き肉とかちげ鍋というのは長野の韓国料理店でもメニューにある(もちろんだ)。が、このプデチゲ、同行した巨漢UDA氏が説明からトッピングまで韓国語で注文した逸品である。同席した東北の森さん始め韓国語に堪能な人が一杯いてびっくりしたけれど・・・
 まあ、とにかくプデチゲはとっても辛いスープにソーセージ(アメリカの軍隊が食べていた)、野菜がふんだんに入っている。そこへ更に辛ラーメンを2つくらいに割って入れて、附属している辛味もさらに入れる。ラーメンが煮えてきたら取り分けて食べる。余談だがインスタントラーメンを煮込み料理にぶち込む技はフィリピン人もやっていた。本家の日本では下宿の学生の特許だけれど。
 プデチゲは食べると、アツアツ、辛辛である。
 舌の先がぴりぴりして熱いのか辛いのか良くわからない。
 良くわからないからわかるように、マッコリ酒を茶碗に注いで飲む。マッコリ酒にビールを入れると味が引き締まるというウラ技まで教わった。
 みなさん、何で姫路で韓国料理なんだ?と言わず、是非試してみてください。

嗚呼、新幹線のお弁当

2005-10-04 21:24:10 | これを喰わず
 こんなにも直接なストレートなネーミングの弁当があったとは・・・
 姫路の帰路、大渋滞で駅到着がぎりぎりだったのでお土産も駅弁も買わずに新幹線に飛び乗ってしまった。そういう日に限って朝から何も食べていない。さらに新幹線の車内販売は食べ物がすべて売り切れという信じられない状態。
 丁度、森下さんという福知山JCの来年の理事長さんと隣り合わせたのでずっと盛り上がった話をしていて大変助かったが、そうでなかったら空腹で倒れていた。
 新大阪で新しい車内販売員が乗り込んできた。早速弁当を頼むと、なんとそこでも「ただいまこれのみの販売になっております」(なかなかうまい言い回しだな)ということでその他は売り切れ。「これのみ」と言われたのが、写真にある「新幹線のお弁当」である。見事に新幹線700系(だと思う)と東海道新幹線の線路の絵が普通に書かれていて、弁当の中身についてはまったく宣伝が無い。選択の余地のない状況下での弁当である。
 そして、中身は一口サイズのおにぎり3つ(梅・卵巻き?・いくら)とそのほかはこれまた絵に描いたような古式ゆかしい駅弁メニューであった。名古屋まで我慢すればこれでもかこれでもかという内容充実の、たとえばジャンボソースかつ弁当とかがあるのはわかっていたが、空腹とパッケージの怪しさで買ってしまった。
 良い思い出になりました。

姫路の穴子寿司

2005-10-03 19:48:51 | これを喰わず
 姫路滞在中に、名物の穴子寿司を食べた。
 姫路駅前から姫路城に続く大手前通りにある「関西寿司名代すし宗」は今の奥さん(「わたしゃ戦後生まれだよ」と強調していた)で、3代目になる老舗だ。近代的な表通りに面している割には店内は昔ながらの料理店然としていて旅行客も地元の人も落ち着いて食事をしている。この、旅行客だけでもなく、地元民だけでもないところが、良い。買い物途中の主婦がいて、散歩途中のオヤジさんがビールをとっている。お土産だけを買いに来る人も後を絶たない。
 穴子を中心にしたメニューのほかに握りずしもある。巨漢UDA氏が同行していたので、どちらも注文しておいしくいただいた。
 穴子ちらしは、焼いた穴子と蒸した穴子の両方がご飯の上に乗っている。たれをべったりつけた穴子の味に慣れているのだが、こちらの穴子は大変にあっさりした上品な味わいだった。こういった味付けって関西寿司の看板を出すだけのことはある。更にしょうゆが長野と違う。長野のしょうゆはどうしてあんなに濃いのだろう。そばつゆも味噌汁も漬物も濃い味の長野に慣れているけれど、たまにこういったあっさり味に出会うと素材の味が良くわかる。
 う~~ん。ご馳走様でした。

お酒の試飲会

2005-09-24 13:07:50 | これを喰わず
 「天領誉酒造」さんの中島社長から、秋に向けて「料理とお酒を楽しむ会」をするからおいで、と誘っていただいた。
 生まれてはじめての試飲会である。
 ワインだってグラスを見なければ赤か白かわからぬ、門外漢の私なのでさすがに失礼に当たると思って遠慮したが、今回は会費制で「楽しむ」趣向だから、というお話なので参加させていただいた。本音を言えば、こういった会に誘われてうれしくてしょうがなかったので喜んで指定された割烹へ行った。
 5種類ものお酒が、献立に合わせて次々と出される。それぞれを冷酒と常温とお燗でいただくので知らず知らず酒量が増える。あっさりした料理から濃い味付けのメインディッシュになるにつれて、出されるお酒も強くて個性的な味のものになってくる。時折始めに出された酒を飲むとあっさりしすぎていて物足りなく思うほどだ。
 お酒にはこんなにもバリエーションがるものかと感動した。
 最後には「これは市販いたしません」という秘蔵のお酒6年ものが出てきた。
 頭も身体もしびれるほどアルコールが回っていたにもかかわらず、このお酒は喉の食道を「ええい、控えろ。これまでの酒どけどけ!」(古今亭志ん生ネタ)という感じで降りてくる。たいしたものだ。
 杜氏さんたちの解説つきでいただくと、お酒の楽しさは何倍にも増す。
 秋の味覚と共に、今年はおいしいお酒にはまりそうである。

きときと寿司はいけまっせ。

2005-09-21 22:35:32 | これを喰わず
 我が家の子供たちはそろいもそろって寿司好きである。が、我々の教育が悪かったせいか(良かったせいか)カウンターのある高級な寿司屋では満足しない。いわゆる回転寿司にこそ我が家の寿司の聖地があるのだ。ときどき「久しぶりに外食しようか?」などと尋ねるときまって、「寿司喰おうぜ」ということになる。日頃は長野市内の一皿100円のお店で50皿くらい食べるのだが、超スペシャル企画として、上信越自動車道の新井サービスエリアにあるきときと寿司新井の道の駅という店まで行く。
 この店まで自宅から約1時間だ。いつでも混んでいる。先日は用事があって、到着したのは12:30という最も危険な時刻だった。50分ほど待たされて、やっとボックス席に着くやいなやイカマグロエビネギトロホタテ・・・・・とダダダ会食だ。
 「ごめんなさい、もう食べられません」と言うまで食べて41皿。いつもの100円寿司より具もシャリもが大きいために一貫が大きいので皿の数は新記録が出なかった。
 所詮回転寿司だと言われてしまえばそれまでだが、海なし県の長野から日本海まで行かない手前で新鮮な寿司を食べられるときちゃあ、もう我慢できませんや。
 家族5人、大満足して8800円の贅沢。

しつこいぞ台湾紀行11

2005-08-25 00:39:31 | これを喰わず
 「台湾のチューインガム」をご存じだろうか?
 「檳榔」(びんろう)といって、木の実を割って茎を挟み込んだ小さな食べ物だ。
 数年前に台湾の友人に教えられて以来、恐いもの味わいたさに一回の旅行で一粒は食べる。
 その食べ方も変わっている。
1、まず口に含んでガシガシと噛む。
2、噛むとなんとも苦い汁が出てくるのでそれを口の中にためつつ、さらにガシガシと噛む。
3、一回目に口にたまった汁は「毒なので」紙コップなどに捨てる。
 ・・・・毒なので?
 紙コップに吐き出した汁は真っ赤だ。
 本当の毒だろう。飲み込んだら明日は下痢だろう。
4、毒を吐き出すと口のまわりがべっとり赤くなるのでそれは拭く。
5、あとはガシガシと噛み続ける。
6、木の実がサトウキビの搾りかすのように(ぜんぜん比喩が分からないかもしれませんが)なるまで噛む。
7、頃合いを見て吐き捨てる。
・・・・なるほどチューインガムの食べ方に似ている。
 でも、ハッキリ言ってぜんぜんチューインガムみたいに楽しくない。
 噛んでいる最中、まさに「苦虫を噛む」ような渋い顔である。
 しかも体がほてって、頭の後ろがしびれてくる。
 台北市内ではひっそりと露店で売っていた。
 しかし特筆すべきは郊外檳榔屋だ。ガラスで覆われた檳榔バーのような店構えの一番道路側にレースクィーンのような格好の若い女の子が座って客寄せしているのだ。
 あれはなんなんだろう。
 帰国するとき空港へ向かう道中、タクシーの運転手さんに指差して近付くように頼んだのだが、なぜか止まってくれなかった。
 やっぱりやばい関係なのだろうか?

まだまだ台湾紀行10欣欣魚翅坊のアワビ

2005-08-24 00:17:10 | これを喰わず
 まだまだ自慢したい。
 欣欣魚翅坊の黄金フカヒレセットについてきたアワビ。
 黄金フカヒレに負けない迫力。
 フカヒレがあっさりとした塩味系なのにたいしてアワビはやっぱり醤油系の強めの味だ。
 日本の寿司屋ではこりこりとした食感のアワビが出てくると「これこれこの味!」(長野出身の私の場合だけであろうか)と喜ぶのだが、煮込んだアワビは柔らかい。
 大胆にいえばよく煮込んだトロ肉のごとき柔らかさだ。
 一人18cmの鍋に入ったフカヒレをたべて満腹なのに、アワビ争奪戦となったくらい、おいしかった。

台湾紀行9 欣欣魚翅坊のフカヒレスープ

2005-08-19 00:42:25 | これを喰わず
 これで台湾料理も喰い納め、帰国前夜の贅沢をしようということで、ハッキリ言ってもう血液が胃に集中して感覚が麻痺しているなかでガイドブックから選んだのが「欣欣魚翅坊のフカヒレスープ」だ。
 『看板メニューはフカヒレてんこ盛り・・・』と書いてこちらに迫ってくる写真までついている。
 フカヒレというのはスープの中を注意深く探して、まるでお風呂にただよう髪の毛をすくうように、「あったあった」などと言いながら飲むものだと思っていたのに「てんこ盛り」とはなんぞや?
 タクシーに思いきり遠回りされて乗った場所から1kmのお店に到着した。
 「どうせなら一番でかいの頼もうぜ」と、時代錯誤の成金になった我々は、「黄金ふかひれ特大」と書かれたフカヒレスープを人数分3皿注文した。
 お店の女性も「まあ、これくらい食べる人もいるよ」という大きさらしい。
 18cmくらいある土鍋にぐつぐつと煮えたスープが3皿運ばれてきた。
 ほ・ん・と・う・に、てんこ盛りだった。
 ひれの形をしてるんだぜ。
 それが折り重なるように、これでもかこれでもかと脅すようにスープの中で煮えている。
 「こんなに食べれないよ」などと誰も言わず、ひとすくいも残さず、平らげた。ガッツ。
 目でご賞味下さい。