土屋龍一郎のブログ

土屋龍一郎のブログです。

卒業証書授与式

2006-03-19 10:41:13 | Weblog
 高校と中学の卒業式に出席した。
 「あれっ?」と思うくらいに最近の卒業式はシンプルで無駄のない進行になっていた。一生で一度の卒業式、思い出に残るものにしようというよりは、きちんと締めくくろうという意識が強いようである。
 卒業生代表が思いを込めた答辞を、そして在校生が送辞を送っても、場内はしいんと静まりかえっていて拍手がない。私なぞは思わず両手が疼いて音を出しそうになるのだがはばかられた。中学校の卒業生が自慢の全体混声合唱を送った時だけは、どこからともなく自然に拍手がわき起こった。
 終了後に「拍手は自粛されているのか?」と意地悪な質問をぶつけたら、意外な答えが返ってきた。
 「最後の混声合唱で自然にわき起こった拍手は仕方がないとしても、子供たちには厳粛な儀式を見せる機会が必要である」ということだ。おめでたい日だったのでそれ以上議論に持ち込むことは避けたけれど、儀式や式典の厳粛さと思いやりを込めた温かい拍手の意味は相反しないはずである。あたたかい思いやりを感じることも許されず、精一杯の役目に対して温かい拍手ももらえぬ子供たちが思いやりある大人になるはずがないでしょうが。
 さらに私が「それでは来年は私が勝手に拍手を始めても良いですか」と訊くと、「浮いてしまうかもしれませんね」と言われてしまった。まあ、私はそういう時に一人浮いてしまったり、ジョークが滑っても平気な質だから、これからは納得いくようにしてしまおうと思う。
 もし、「厳粛な」儀式を伝えたいのならば、訓示の一挙手一投足にも矍鑠とした態度が欠けてはならないと思うのである。
 ああ、熱くなってしまった。
 しかしそれでも卒業生の皆さん、素敵でした。保護者の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿