今日は今年最後の北山茶会を開き
可愛い2歳のお客様を含めて
八名の方々をお迎えさせていただきました
「一夜落花雨満城流水香」
建仁 益州老師
夜中に激しく降った雨のために
花はすっかり散ってしまった
しかし
一夜明けてみると
その花びらが川面に浮かび
花の芳しい香りが街中に満ちている
これは
仏の教えが世に広まる様子を
たとえているとも言われています
無情に降る雨は
私たちの人生やこの社会に降り注ぐ
災難苦難にも思われます
それは 時に
理不尽に私たちを襲うように
感じられます
しかし
その出来事の通り過ぎた後
私たちの心に
温かな教えの灯火がともされ
癒されることがあります
その灯火は
ある時はまた
周りの人々の心を灯すことができます
この掛物には
つい先日
岡山の道具屋さんの店先で出会いました
書かれている言葉の意味を教えていただき
2012年という
大きな節目の年を締めくくるにあたり
私の今の思いを表すのにこれ以上のものはないと
すぐに買い求めて
本日の床に掛けさせていただきました
茶器は
松鶴蒔絵 半床宗也書付 松寛作
今年の初釜で初使いした道具です
主茶碗は
「高麗雲鶴茶碗 歌銘 高浜」の写し 川合正樹作
今年10月に行われた徳川茶会の記念品です
茶杓は
今年6月に奈良高山の翠華園で削らせていただいたもので
自作 銘 曙光
蓋置は
今年の7月に旅した鹿児島で求めた
薩摩の礒お庭焼です
今年一年
無事に過ごすことができたことへの
感謝の思いと
来る年への祈りをこめて
道具を取り合わせさせていただきました
主菓子 木枯らし 鼓月製
木枯らしの吹く中
足を運んでくださった皆様
また
お手伝いしてくださった方々に
心より御礼申し上げます
そして
今回ご都合で御目文字かなわなかった皆様方には
またいつかお会いできますよう願いつつ
どうぞ良いお年をお迎え下さいます様にと
心よりお祈りいたします