10月4日と5日の両日
愛知県犬山にて
如庵茶会が開かれ
私は初日に参会させていただきました
1972年有楽苑の開苑以来
開かれてきた如庵茶会は
今年で第46回目の開催となったそうですが
来年より
名鉄犬山ホテルを解体し
『ホテルインデイゴ犬山 有楽苑』として
2021年を目途に開業するに伴い
その一環として
「如庵」「旧正伝院書院」などの
保存修理工事を行うため
今後3年間
如庵茶会は休会となるそうです
その影響か
今年は例年以上に
大勢の方が参会されていたようです
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/85/8ae4437df5ae7abb1a2a4e82876392ad.jpg)
名鉄犬山ホテル
今朝10時頃に到着した時は
濃茶席に入るのに
既に大勢の方が並んでおられたので
先に薄茶席から廻らせていただきました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/48/c502019b04fcbf033a93141c9933facd.jpg)
薄茶席 弘庵
薄茶席は名古屋世話人のご担当でした
寄付きの床には
光琳筆 金地団扇絵 武蔵野
署名に「法橋」と書かれていたのは
僧侶に与えられる位で
絵師などにも
僧侶に準じて与えられた称号なのだそうです
本席では
侘びた鉄欠き風炉の脇に
エーゲ海を思わせるような
鮮やかなブルーの阿蘭陀水指が置かれ
対照的でとても美しかったです
薄茶席の後
雨の降り出さないうちにと
庭園の番茶席に行きました
その後
濃茶席はまだまだ混んでいたようなので
先に点心をいただきました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/fa/1dc6887b86d9713a60bad74e763188e4.jpg)
そして
最後に濃茶席に参りました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/11/38671b19e209cac4870e4aa019766856.jpg)
ご担当は東京世話人とありました
本席の如庵で
道具のご説明などして下さったのは
宗徧流のお家元でした
ご案内にしたがって
十名ずつ席に入りますと
点前座に座られた宗徧流家元が
「はーい 一度目を閉じて・・・
息を大きく吸って~
はい ゆっくり吐いてくださ~い
ここで有楽の開いたお茶会を想像して
・・・
はい 目を開けて」
と いささかいつもと違った雰囲気
あらためて目をあけると
薄暗がりの茶室の中
窓から差し込む光に
お床に掛けられた西行の歌入消息が
まばゆく輝いています
「この茶席に入られて
何を感じますか?」と
たずねられ
あらためて気づいたのですが
如庵では
点前をする亭主と客が
向かい合う形で座るのです
それがとても斬新に感じられ
そこに織田有楽が座っていたかと思うと
何だかドキリとしました
毎年一年に一度
この「如庵」に入らせていただきますが
毎回新しい発見があります
ゆっくり如庵茶会を堪能させていただいた後は
名鉄電車で常滑まで足を延ばし
「とこなめ陶の森」の
陶芸研究所と資料館に行きました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/69/4282532fd280b1968fc92581384cc248.jpg)
陶芸研究所では
『尾州の茶の湯文化常滑焼』が
開かれていました
尾州というのは
尾張の別名で
古くから抹茶を楽しむ習慣が
広く浸透した土地柄であり
江戸や京都とは異なる茶の湯文化が
発展したと
説明されていました
そう言われてみると
確かに尾張出身の私や夫の実家では
普段の生活の中で
日常的に抹茶をいただきますし
客人があれば
流儀作法に関係なく
点て出しで抹茶をお出しします
そういう中で
尾張には
尾州久田流という
家元が存在することも
この度初めて知りました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/b5/1bb967da7503d4a0c646249878e303d1.jpg)
資料館では
六古窯のひとつである
常滑焼の製品や生産用具などが
展示されていて
企画展では
『近代日本を支えた常滑の土管』が
開催されていました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/9b/177a888faf6f3e21d2359587b9311e9c.jpg)
愛知県出身の私にとって
常滑焼と言えば「土管」という
イメージが強かったのですが
知っているようで知らなかった
常滑焼の茶道具としての魅力に触れ
同時に
近代日本のインフラを支えた
正に「縁の下の」
土管を作った人々の努力を知ることができました
陶芸研究所も資料館も
常滑市の補助があるとのことで
共に入館無料でしたが
どちらも大変見ごたえのある展示でした