朝夕の秋風に ほっと心が落ち着きます 茶室で 釜の煮える微かな音に 耳を傾けていましたら 庭で突然 ツクツクボウシが 絞り出すような声で 二三度鳴きました 思わず お弟子さんたちと 顔を見合わせました その後は 何事も無かったかのように ただ釜の音だけが 小さく鳴り続けていました 「清風萬里」 禅居庵一渓師 長板 薄茶 諸飾り 「座り火箸に立ち火箸!」 昔習った 懐かしい先生のお声が 今でも耳の奥に聞こえて参ります 主菓子 大菊 鼓月製