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読者様よりコメントで
次のようなお尋ねがありました
”洗心亭でのお稽古で
お茶事を中心とするお稽古などは
可能でございますでしょうか?”
このお尋ねにどうお答えしようかと
思案いたしましたが
少し長くなりそうなので
コメントではなく
記事に書いてみようかと思います
この話にご興味がございましたら
お付き合い下さいませ
まず始めに
私の思いを端的に申しますと
普段の稽古は全て
”茶事を中心とする稽古”
であるということです
古くは
師匠が茶事に出向くのに
お供をしたり
師匠の茶事の手伝いをしながら
自ら学びとっていくことが
お茶を学ぶということでした
それが時代が下って
茶道を学ぶ人口が増加したことで
茶事の中だけで
伝えることが難しくなり
稽古場がつくられて
そこで茶事の割稽古をするように
なったのです
そのような歴史を
振り返るまでも無く
お茶のお稽古とは
実際のところ
茶事の割稽古以外の
何物でもないというのが
私の稽古に対する捉え方です
敢えてそのようなことを
言葉に出して仰らない先生であっても
やっていることはやはり
茶事の割稽古であると
私は思っています
むしろ大切なことは
お稽古をしている自分自身が
「茶事の割稽古をしているのだ」と
自覚しながら
稽古に励むことではないかと
思います
ここまでは
お茶の稽古に対する
意識についてのお話でした
さて質問者様はきっと
”そんなことは
もちろん知っているけれど
もっと具体的に
茶事の流れや
懐石などについて
普段の稽古より踏み込んで学びたい”
と思っていらっしゃるのではないかと
思います
実は私自身も
今から20年程前
お茶のことを知れば知るほどに
”お茶事についてもっと学びたい”
という心の内からの
強い叫びを感じていました
そして当時
朝日カルチャーで開催されていた
お茶事教室を見つけて
通うことになりました
それは
K宗匠ご自宅の茶事に
客として参加するという内容で
三年間を通して様々な趣向の茶事を
体験させていただくことができました
その時の経験をもとに
また茶事に関する色々な書物も読んで
後は実践するのみ!
これまでに100回以上の
茶事を行ってはおりますが
まだまだ未熟な自分であり
学びの途上であります
やはり
茶事は自分でやってみて
色々失敗しながらも
回を重ねることで
少しずつ学んでゆく
終わりの無い世界だと思います
ですから質問者様への
お答えとしては
”洗心亭では
普段の稽古と共に茶事は行っています
茶事には
師匠・先輩諸兄諸姉の他に
社中を招くことはあります
しかし
茶事の亭主や客ぶりを
練習するような別稽古は
特に行っていません”
というお返事になるかと思います
そして
社中の皆さんには
客や半東として
茶事を何度も経験していただいた上で
いつかどんな形でも良いから
自分のできるスタイルで
是非茶事を行ってみて欲しいと
お伝えしています
これまでに二度
社中の方が私を
茶事に招いて下さいました
そして来年にはまた
社中のお二人が
茶事を計画されています
私はその日を
とても楽しみにしているのです