松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★市民協働の進め方(河内長野)

2012-05-31 | 2.講演会・研修会
 大阪の市民参加研究会のOさんのお誘いで、河内長野市の市民公益活動支援センターで市民協働について話をした。
 協働事業の説明会があり、そのひとこまで、協働とは何かを話をした。
 最近、特に感じているのは、協働が成功するコツは、行政側の「意識や実践の変革」が大事だということである。意識の変革とは、行政そのものが、市民の持っている知恵や力を大いに活かさないと自治はできないと真から思うことであり、実践とは、そのために既存の仕組みを一つひとつ変えていくことである。
 たとえば、質問でも出たが、市民同士で、防災や福祉を進めようとするときに、個人情報の壁が立ちふさがるが、それに対して、防災や福祉を充実するために、個人の情報を使えるような理論と仕組みを考えることが、具体的実践のひとつである。国が定めた個人情報保護法に準拠して、思考停止していては、私たちの暮らしは後退するばかりである。個人情報の保護という趣旨を活かしつつ、地域課題を解決できるように、個人情報を活用できる仕組みを探していくというのが、協働を進めるということである。その意味で、行政側の「意識や実践の変革」は容易なことではないが、知恵を絞っていく段階に入ったのだと思う。
 今回の参加者は、協働事業を提案しようと考えている人たちで、20名ほどであったが、うれしいことがあった。
 終了後、参加者たちがすぐに帰らず、団体同士、個人同士、情報交換をしていたことである。会の成功、不成功は、終わったときに分かる。参加者が逃げるように帰る会は成功とはいえないが、立ち去りがたく、話を続けるような会は、成功である。
 今回、その成否を分けたのは、残念ながら、私の話ではなく、司会、運営をやったTさんのコメントの適切さである。心のこもった、かつ後ろからそっと後押しされるようなコメントで、参加者も、元気になったようだ。
 河内長野は、大阪の南西部、和歌山県と境を接するまちである。楠木正成が立てこもった千早城が近くということから、大体の雰囲気は分かるだろう。高野山への参拝路、高野街道が通るまちでもある。そのまちも、難波から30分という近さゆえ、高度成長期、急速に開発が進められたが、今では、その折り返し地点にたっている。それゆえ、市民の思いや活動を掘り起こすことが大切で、性急に成果を求めず、地道な働きかけをしていくことだろう。
 まちをゆっくりと見る時間がなかったのが残念であるが、嬉しい気持ちで、帰ることができた。
 
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