総合計画の策定プロセスのなかに、高校生の意見を聞く仕組みを入れ込むのは、一般的なことになってきた。
その背景としては、①市民参加に新規性を求める、②地域との協働を重視し始めた教育指導の変化等があるが、担当者としてみると、やりやすさもあるのだろう。
大学だと大学のある自治体の方が珍しいが、高校ならばある自治体の方が多いだろう。高校ならば、教育委員会や行政から、校長先生に声をかければ、対象者が集まりやすい。他方、大学の場合は、学長に声をかけても、そこ止まりだし、事務局も教職には手を出しにくい。せいぜい、募集のチラシを配るくらいになってしまう。
高校生参画のパターンは、次のとおりである。
・アンケート調査 これは一番多い。アンケートの参加率は、100%近くなる。授業時間のなかでやれば、全員参加だし、家で書いてあとから提出でも、100%近い回収率になる。
・ワールドカフェ 20人位の参加で、グループワークを行う。参加者は、学校からの指名であるので、当日の参加率も100%に近い。各校の代表選手のような高校生が出てくるので、安心した運営もできる。ちなみに会議の名称は、「未来会議」が多い。高校生ならではある。
・市長等との意見交換会 行政との意見交換会であるが、市長さんが出てきて、進行も市長さんがやる場合が多い。おそらく事前に聞くことを知らされているのだろう。自治体の課題なども、上手く答えているケースも多い。
・プレゼン大会 各校の高校生グループが、総合計画についてプレゼンするものである。
・高校生議会 議場で総合計画について、市長等に質問するものである。
テーマは、いずれもほぼ同じで、①まちの好きなところ・問題点、②将来、どんなふうになってほしいがメインである。高校生ということで、アンケートや市長との意見交換では、より多くの質問ができるので、③このまちに住み続けたいか、住み続けるための条件等を聞いている。行政にとっては、一番関心があるところだろう。
提案型(協働型)のところも散見される。
佐倉市では、ワークショップのなかで、幸せを実現するために佐倉市がすべきこととともに、「自分たちができること」についてをテーマにしている。
匝瑳市では、市長との懇談会のなかで、若者にとって魅力あるまちにするために必要なこととして、「自分たちならこんなことができる!」、匝瑳市を若者にとって魅力あるまちにするために必要なこととして、「自分が住む地域でこんなことができる!」を聞いている。
高校生の参加が一般化すれば、次は内容である。意見をもの申すパターンから、まちの担い手として、自分たちは、こうするといった内容にバージョンアップしていくことになる。高校生を自治の担い手として自覚してもらうのは、どうしたらよいか、ここに知恵の絞りどころが移っていくと思う。
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