松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆指定地域共同活動団体 アマゾン☆1つ・コメントなしを考える

2024-12-03 | 指定地域共同活動団体

 最近書いた本にアマゾン☆1つ・コメントなしがついた。その意味を考えてみた。

1.最近、『指定地域共同活動団体とは何か・条例試案付き』という本を書いた。

 第213国会における地方自治法改正で、指定地域共同活動団体に関する事項(第260条の49)が規定された。国会審議では、大規模災害時等の国の指示権等に関心が集まり、ほとんど議論にならなかったが、この規定が地方自治法に規定されたことの意味はとても大きいと考えて、アマゾンのキンドル版として、出したものである。

 この法律は、大枠を定めるだけで、そこに何を盛り込むかは、各自治体に任されていることである。今後、全国の自治体で、指定地域共同活動団体の条例づくりが行われることになるが、そこでは各自治体の問題意識の深さとこの制度を適正に運営する力量が問われることになる。その参考にするために、本書では、この指定地域共同活動団体の意義を紹介するとともに、指定地域共同活動団体の条例化に当たって、検討すべき事項等を解説し、さらには条例試案を示すこととした。

 このテーマに注目したのは、今年の春で、それ以来、改正法が施行された9月まで、ほぼ半年間、さまざまに調べて、書き足しながら、本を書きあげ、発売にこぎつけた。

 苦労したのは、先行論文がほとんどないなかでも執筆だったので、地方制度審議会の議論をすべて読み、国会議事録を読みながら、構想をまとめていった。8月ころになると、総務省の担当者の人たちの論文が出始めたので、それを参考にして補正しながら書いた。総務省に何度も問い合わせた。総務省の担当者にとっては、私はクレーマーのおじさんと思われているかもしれない。

2.気がつくと、アマゾンを見るとコメントなしの☆1つの評価がついていた

 書き終えて、ほっとして、次のテーマに取り組み始めた。ところが、ある日、アマゾンを見るとコメントなしの☆1つの評価がついていた。

 さまざまな人がいて、その評価は人それぞれなので、☆1つの評価がついても、気にすることはなともいえる。第一、☆1つで、あたふたするようだと、ちょっとみっともないかとも思ったが、これは原稿のテーマになりそうだとも考え直して、考えてみることにした。

 これまでたくさんの本を書いている。評価もさまざまであるが、全体には☆4つ前後だろう。コメントもたくさんあるか、なるほど、そういう見方もあるんだと気がつくこともあるし、ちょっと的外れだなあと思うこともある。的はずれということは、逆にいうと、そういうふうに読まれてしまうということで、次に書くときの注意点にすればいい。ただ全体的には、自分の評価に、ほぼ対応した☆がついている。まあ納得である。

 今回のコメントなし☆1つは、「なんで」である。

3.私も☆をつけるが、実名・コメントつきである。しかも☆5つである

 ちなみに、私も、気に入った本には☆をつける。今まで、5,6冊はつけたと思う。ただ、私の場合は、実名でコメント付きである。アマゾンは、ハンドルネームでのコメントが多いが、それでは落ち着きが悪いので実名で書いている。

 また、コメントなしで星だけつけるということはしない。☆だけつけても、評価を受けた方が、どこがよかったのか、次はどうしようかというヒントにならないからである。

 ちなみに、私は、☆5のいいものしかコメントしない。むろん、☆3や☆4つのものに対して、こうしたらもっとよくなるというアドバイスの意味を込めてコメントするやり方もあるかもしれないが、それも大事なことかもしれないが、私の流儀は、これはいいと思う☆5だけをコメントすることにしている。

4.☆1つコメントなしの意味

 さて、今回ついた☆1つであるが、わざわざ☆1つをつけるのは、何か「怒り」があるからだろうと思う。そうでなければ☆1はつけない。この本か、あるいは私自身に怒っているのではないか。

 私が誰かの怒りをかったのかもしれない。でも、それはいつで、どこでだろう。思い出すと、この前、大きな買い物をしたときに、販売店の人に、「買い手は素人なのだから、もっとわかりやすく説明しないとダメでしょ」と注意したことがあるが、そこを恨まれて、販売店の人が、アマゾンのこの本で、☆1つをつけられたのだろうか。でも、きっと違う。

 すると本の内容が☆1つなのだろうか。むろん、まだコンメンタールも出ていない段階で、法律の解説や条例案まで書いたので、多少の間違いはあるかもしれないが(ないと思うが)、それでも内容評価ならば、悪くても☆2つか☆3つだろう。

 なぜ ☆1つなのか。コメントがないのでよくわからない。

 一番、先に思いつくのは、指定地域共同活動団体についての肯定的態度ではないか。
 学会や野党の方向性は、この制度は行政の下請けになる恐れがあるからと言って、厳しい批判の対象とされていることである。たしかにその懸念がある。
 それに対して、私の立場は、懸念があるからと言って、ただ批判するだけでは解決にならない。制度があることを認めたうえで、この制度が行政の下請けにならないように、組み立てることが必要ではないかというものである。実際、その点に注力して、条例案を書いた。

 こうしたこの制度に対する肯定的な態度と改良型の姿勢が「怒り」を買ったとすると、如何ともしがたい。これは、私の考え方、生き方の問題だからである。これまでも、私は、単に批判するだけでなく、それぞれの良さを活かしつつ、課題へ減らしていくというスタンスで行動してきたが、この私の行動原理を批判されても、如何ともしがたい。

 ともかく最大の問題は、コメントなしで評価でできるシステムに不備があるということである。
 何かを評価した場合、その評価に至った訳があるはずで、それをきちんと説明するのが、私たち社会のルールではないか。コメントなしに、☆をつけられるシステムは、AとBを止揚してCにするという民主主義の原理から大きく外れている。
 やや、大げさな話になったが、朝から、いろいろ考えることになった。


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