
キーワードは、「共生から活躍」だろう。
神奈川県の指針である「かながわ国際施策推進指針」をみると、在住外国人施策と同時に、国際社会が活躍する日本人といった内容も含まれている。この点は、いかにも神奈川らしい。
外国人活躍の先進自治体といえるのは、浜松市で、共生・支援にとどまらない、「活躍」も一つの基軸として、在住外国人政策を提案している。研究会では、みんなで、両自治体の政策を比較してみたが、ずいぶんと違いがある。
例えば、外国人を地域コミュニティに参加することを促進する事業や外国人コミュニティ組織と、その他の市民団体等との間の連携も入っている。外国人も、地域に暮らす「住民」として、地方自治の理念を浸透させようという政策である。
これは、何度も書いているが、これまでは外国人はお客さんであった。日本にも余裕もあった。ところが、300万人近くの外国人が日本に暮らすようになり、また日本も、高齢化や財政状況の悪化で、お客さんとして面倒を見てあげる余力をなくしてきた。外国人も地域に住んでいる「住民」なのだから、日本人と同じように、まちのために、その力を出してもらいたいというのが、今回の問題意識である。
芦ノ湖の船に乗れば、お客の大半は外国人である。電車に乗っても、隣に座っているのは外国人である。最近のスポーツの分野でも、活躍しているのは、「え、日本人なの」と思う人が活躍している。そういう時代になってきたということである。これまでなら、見て見ぬふりをしていれば何とかなったが、いよいよそれも限界になってきたということである。手遅れにならないうちに、実際に外国人がまちに暮らしている事実をもとに、政策を組み立ててるしかないということである。
大きな方向性としては、
①在住外国人のポジティブアクション。観光や防災の領域で大事になるだろう。
②コラボレーション。外国人のコミュニティ参加や、外国人コミュニティと日本人コミュニティとの連携などがある。③イノベーション。在住外国人の起業や多様性を生かした芸術文化などがある。
このテーマも初めての政策なので、体系化が難しい。がんばろう。