松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆若者会議と若者議会の違い(三浦半島)

2018-10-31 | 1.研究活動
 若者会議と若者議会のちがいはどこにあるのか

 調べてみると若者会議というのは、随分とある(提言型、イベント型、交流型、語り合い型)。また連続型と単発型もあり、単発型では、若者の意見をお聞きしますになる。多くは、若者に集まってもらって、その町への提案をもらうものである(提言書となる)。これは政策提案システムを若者に特化したものといえる(ここから若者会議の施策は、話し合うため、集まるための場づくりというハコモに進む)。

 新城市は、若者議会と言っている。会議ではなくて議会としたのは、ただ話すだけでなく、決めるから議会とした。新城市の若者議会は、1000万円の範囲で、予算提案ができる(ここから若者議会は、実現を前提とした政策提案に進む。若者会議とは、施策の方向性が微妙に違っている。ハコモノ的な場は、まったく必要がないとは言えないが、市役所の会議室でもよく、優先順位が低くなる。もちろん集まる場があったら嬉しいし、活動のための材料を置く場所があったらよい。空き家利用と絡めて用意するという施策もあるだろう)。

 これは、若者会議も提案だし、若者議会も提案で、同じ提案なのだから、両者はそう大きく違わないのではないかという質問に触発された議論である(この前の新宿区であった)。
 
 私の回答は、予算提案という行動があるかどうかは、大きな違いになるのではないかというものである。普通の政策提案ならば、ああそうですかと言って、行政は受け取るだけにとどまってしまう(貴重なご意見をいただきました型)。むしろ、若者からの提案だからといって、比較的容易に予算がつくかもしれない。これは相変わらず、従来の行政要求型の仕組みにとどまってしまう(若者はお客さんにとどまる。参加型とも言える)。

 新城市の場合は、若者が予算要求の当事者になるので、普通の予算要求と同様の厳しいチェックが入る。若者の提案に、優先性はあるか、費用対効果はどうか、効率性等である。ここが両者の違いで、行政要求型の若者参加から当事者型の若者参加に性質が変わることになる(協働型と言える)。

 税金を、しかも1000万円という大金を使うのだという点が、相応の責任を発生させるのだと思う(予算がからまなかったら、若者の方も、滋養体効果など、そんなうるさいことを言われる義理はないということになってしまう)。よくある若者会議についても、提案型にとどまらず、当事者型に進化させるには、予算まで踏み込めば、変わってくると思う(その他の方法もあるかもしれない)。

 質問を受けて、曖昧だったことが、はっきりした。やはり、意見をもらうことはいいことだと思う。
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