松下啓一 自治・政策・まちづくり

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論点8.消滅可能性都市が若者政策に与えた影響

2025-01-10 | 地方消滅

 消滅可能性都市が与えた影響(歪みかな)について、若者政策で考えてみたい。

 増田レポート発表の時期は、2014年5月である。他方、新城市では、前年の2013年11月に市長選挙があった。穂積市長のマニフェストの第一に、若者政策が取り上げられ、翌年度、いよいよその検討に入ることになるが、その矢先、増田レポートが発表されたことになる。

 若者政策はさまざまな切り口が可能であるが、私は、人口の20%から30%いる若者の出番はないのは不自然なこと、また選挙の投票率では、20代、30代の若者は、60代、70代の半分なので、民主主義の歪みが出ていること(シルバーデモクラシー)。こうした観点から考える必要があると考えている。

 新城市の若者政策は、自治基本条例の具体化として出されたものであるので、住民自治の主体や主権者としての若者という基本から組み立てられている。

 穂積さんは、そのように組み立てようと考えていたのではないかと思うが、その時に、消滅可能性都市論が出てきて、それが、これからの検討や進み方にバイアスがかかると懸念したようだ。つまり、若者流出対策としての若者政策といった文脈に流されてしまうのではないかと懸念したようだ。

 実際、その後、全国で若者の囲い込み政策が始まり、また若者の移住政策が始まる。あるいは、町のにぎやかし策としての若者という観点からの若者政策づくりが始まる。これらは、消滅可能性都市論の影響も大きいだろう。

 その後、穂積さんは、人口増をめざさないまちを標榜するが、このときの「不本意感」が原点になっているのではないかというのが、私の仮説である。

 この「若者政策の歪み」は、「人口増をめざさないまち」の文脈で論じたら、面白いであろう。

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