松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆投稿から(新城市)

2014-08-10 | 地方自治法と地方自治のはざまで

 新城市議会をめぐって、積極的に発言している白井倫啓さんのブログに投稿しました。

 数週間前から、新聞等で、新城市議会は、ブログの閲覧=議員の発言制限しようとしているという記事が流れています。この記事をベースに、ツイッター等でも、市議会を非難する記事がたくさん出ています。その通りならば、酷い話ですが、今の時代、しかも、大勢で決める議会で、そんなことが決まるだろうかというのが、私が最初に関心を持った発端です。何か訳があるはずと考えるのが普通だからです。

 ことの発端は、議会基本条例の制定を受けて、議員の質問や政策提案能力を高めるために、それまでの会派制を廃止して、常任委員会で、相談、アドバイスをする仕組みを始めたことに由来します。それまで、議会で、市長に聞くまでもない質問や支持者向けの演説などがあったからです(私も体験がありますが、そんな質問なら電話してくれれば、すぐに教えますという質問を受けたことがある)。
 市長に負けない政策提案をする議会・議員を目指すために、事前に質問事項を出し合い、みんなで勉強するシステムです。

 ところが、ある議員さんが、これを「自分だけへの干渉である」、「発言制限である」と感じて、議長に抗議文を出すとともに、ブログにアップします。それを受けて、議会は、あらためて調査し、干渉も発言制限もなかったこと、議員さんの誤解であったことを確認して、この議員さんに、ブログの撤回を求めます。それが発端です。

 それぞれに、感じ方の違いや言い分はあるのだと思いますが、直接には、議会改革に対する方法論の違いに由来するのでしょう。さらには、①二元代表制の意義をどのように理解しているのか(議院内閣制と同じように考えていないか)、②地方議会に党派性がいるのだろうかといった基本的な課題が、この新城市議会問題で問われています。

 別件である不適切発言とごちゃ混ぜになって、新城市議会は逆風を受けていますが、バッシングを受けながらも、逃げずに、問題の本質を発信し続けるブログ主の白井さんは勇気があると思います。ピンチをチャンスに活かそうという姿勢は、みんなが冷静になったとき、生きてくるように思います。

 「こんにちは。遠方から失礼します。
 世間では、新城市議会のブログ規制=事前検閲とされていますが、この時代、しかも大勢で議論する議会で、そんなことが決まるものだろうかと不思議に思っていました。白井さんの発信を見て、議会側にも言い分があることが分かりました。

 新城市の議会のことは、十分には分かりませんが、白井さんの議論を見ながら、次のように考えました。合っているでしょうか。もし、間違っていたら訂正してください。

 地方自治は、二元代表制です。二元代表制とは、市長も議会・議員も、ともに住民の代表という制度です。市長と議会・議員のそれぞれが住民の代表として、住民のためになる政策を提案して、両者で競い合うシステムです。制度論として、良いか悪いかは別にして、日本の地方自治は、この両者の競争によって、住民のためになる政策を磨き上げていくシステムを採用しました(この点は、国のシステムである議院内閣制は違いますね)。

 ところが、議会・議員の現実は、厳しいものがあります。もちろん、住民全体のためになる政策を一生懸命、提案している議員さんもいますが、まるで政策を提案しない議員さんや、支持者ばかりに顔を向けた「政策」を提案する議員さんもいます。これを見せられると、一般の住民はシラケてしまって、それが今日の議会・議員不信の原因になっています。

 それではいけないと取り組み始めたのが、新城市議会ですね。まず党利党略の元凶となる会派制を廃止するとともに、その代りに、常任委員会で議論し、委員同士で相互にアドバイスすることで、議員・議会全体の質問や提案の質を高めようということでしょう。

 いわば、大型スーパー(市長さん)に対して、個人商店(議員)だけではとうてい競争に勝てないので、商店主同士でアドバイスし合ったり、商店会(議会)そのものの魅力を高めることで、大型店との競争に勝とうという試みを始めたということでしょうか。ただ、もともと個人商店(議員)の集まりなので、チームとしてまとめ上げるのは、なかなか容易ではなく、試行錯誤を繰り返しているということでしょうか。

 このような新城市の取り組みは、全国でもそう例がないことで、ある意味、前に行き過ぎているので、古い頭で考えると、なかなか付いていけず、アドバイスが干渉に見えたり、商店会そのものの魅力を高めるために一緒に取り組む行動が、規制のように見えるのかもしれません。

 ただはっきりしているのは、議会・議員が、今までのままでは、住民の不信は、ますます強まるばかりということです。これは住民にとっても困ることです。なぜならば、大型スーパー(市長)だけでは、自動車の運転ができないために、そこまで買い物に行けない人も出てくるからです。

 ブログ規制も、要するに、「市民(顧客)に誤解をあたえないように事実を踏まえて発信しよう」(信用を失ったらだれも買ってくれなくなる)、「議会(商店会)の魅力を高めるという点にも留意して発信しよう」ということですね。
  
 長文で失礼しました。」

 

 

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