松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆プラーヌンクスツェレ・南区(相模原市)

2011-09-26 | 1.研究活動
 JCと区役所の共催で、プラーヌンクスツェレ(PZ)が行われた。
 場所は、サガジョのマーガレットホール、無作為抽出で選ばれた区民が約80名参加した。
 今回は、初回ということもあって、テーマは、①南区の魅力づくり、②自治会のあり方とした。当初は、もう少し、政策判断に近いものをイメージしたが、初回ということもあって、無理をしないことになった。それでも、自治会については、興味深い意見が出て、多様な区民の意見を聞くという意味が、実感できたように思う。
 同時に感じたのは、みんな発表がうまいこと。考えてみれば、きちんとしたプレゼンができなければ、仕事にならないという人も多いだろう。日頃、鍛えられている市民が、たくさんいるということであり、そういう市民を発掘するのが、このPZの効用のひとつなのだと思う。
 参加者した区民のうち、私の知り合いは1名のみ。行政に関わりのない人が参加するという当初の意義は、十分に達成したと思う。
 他方、傍聴者は、何人も知り合いが来ていた。話をした中で、特に印象的だったのは、PZと議会制民主主義との関係である。議会制民主主義に反するという反論を受けないかといういう疑問である。これは全く逆で、今日、議会制民主主義は難しいところに来ているが、その原因としては、これを支える市民自身の問題も大きいと思う(無関心や依存の傾向が強く、他面、イメージや言葉尻で政治が決まる)。PZは、市民に市政に対する関心を喚起する制度で、むしろ議会制民主主義の基盤を強化する仕組みである。
 やっている中で、いくつもの課題も感じた。
 ①言いっぱなしになっていないか(政策につなげる仕組みの構築)
 ②思いつきの意見になっていないか(適切な情報提供や事前学習の仕組み)
等が大きなところである。ここをきちんと整理(意義や限界)しないと、PZは、逆に危ないシステムになってしまうだろう。
 PZは、これまで市政に参加したことがない市民を掘り起こす方法としては、よいシステムであるが、使える政策手法とするには、まだまだ検討を要するということである。
 そこで、今回の実践を踏まえて、反省会・研究会をやることになった。
 プラーヌンクスツェレの反省会・研究会のお知らせ 
1.日時 平成23年10月15日(土) 午前10時から12時
2.場所 南区役所3階講堂
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3 コメント

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傍聴希望 (和田達夫)
2011-09-26 13:33:34
PZの行方に大変関心をもっています。できるだけ傍聴に行きたいと考えてます。10月は行事が多いので・・・。
首長や議員は抵抗がるかもしれません。しかし民意を吸い上げる手法として何とか受け入れられるよう工夫できるとよいです。行政が本当に民意を知りたいと考えているならパブコメやPIより正確です。仕組み作りがポイントですね。やらせが入り込まないためにも・・。
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この制度の難しさ (マロン教授)
2011-09-26 17:06:36
 何とか、スタートしました。でも、改めて、この制度は運用が難しいと思いました。たしかに民意は拾えますが、単純に、多数の意見=民意では地方自治にならないからです。シール投票、メンバーチェンジなど、これまでのやり方をもう一度見直して、地方自治にふさわしい仕組みを考える段階に入ったように思います。でも、使えるシステムになると楽観しています。
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エール (田代 文子)
2011-09-27 07:51:55
使える制度になるといいですね。市政に慣れてくるとどうしても「あこれはいったら市役所に人が困るかも」などと考えてしまうものです。たくさんの人の新鮮な感覚が取り入れられ、継続できる体力を保ちつつ、知恵と工夫が結集できたらすてきだと思います。
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