新城市の市長選挙が終わった。結果は、現職の穂積さんが当選した。この4年間は、庁舎問題やリコール問題などに翻弄されたが、これでノーサード、次の4年は、全市一丸となって、難しい時代に向かっていくことになる。この選挙結果は、それを住民が望んだということなのだろう。
候補者得票数
候補者名 |
得票数 |
山本たくや |
8,246 |
ほづみ亮次 |
13,461 |
白井みちひろ |
5,648 |
さて、このブログのテーマである公開政策討論会であるが、はたして有権者の選択・判断に有効だったのか。
1.前回の選挙は、新庁舎をめぐる争点投票になったが、今回は業績投票になった。業績投票では、2人だけの立候補の場合、現市長への批判は、対立候補に向かうが、今回のように、対立候補が2名いる場合は、そのどちらに向かったらよいかは、それぞれの立候補者の政策が分からないと、批判票の向かい先がわからない。その意味で、公開政策討論会は一つの判断材料になったのだろう。
2.また、地元の新聞(東日新聞)は、穂積さんの政策、ビジョンが有効だったと記事にしている。
「8年前と同じ顔触れの市長選は、人口減少や産廃施設の対策を争点に、現職と新人が三つ巴の選挙戦を展開。今回は全国的にも珍しく初の試みとして、3者が公開討論会や合同個人演説会などで各テーマについて政策を提案、穂積氏の主張は市民の心を捉え多くの共感を呼んだ。
現市政を否定する他候補に対して、穂積氏は、少子高齢化や過疎化など人口減少時代を乗り越えるための将来的なビジョンを打ち出し、新城市の行方を明確に示した。今回の選挙結果を受け、次期4年間で市民の期待を背負い新時代への新たな扉を開く。」
地元ジャーナリズムの感性からは、今回の選挙は、政策、ビジョンが大きな決め手となったとみているようであるが、ただ、その中で、公開政策討論会がどの程度の影響を与えたのだろうか。ある程度、有効だったと評価しているようだ。
3.実際、後援会組織が強く、地元のしがらみが大きい新城市では、公開政策討論会を聞いて、投票先を決めたという人は、さほど多くないだろう。そもそもミシガン大学によるアメリカ大統領選挙に関する研究でも、有権者の3%しか争点投票をしておらず、最大でも 12%だとされている。公開政策討論会は、選択判断の決定打にはならなかったかもしれないが、候補者が政策を語る中で、候補者を応援する人たちも、自信を持ったり(反対に疑問をもったり)する機会が与えられたのではないか。
これまで何度も述べているように、選挙を政策中心に変えていくことは、いわば新しい文化づくりなので、時間もかかるし地道に進めていくしかない。この困難なテーマを新城市ではやり遂げたので、次は、これを常設的な仕組みとするために、もう一息頑張ってもらいたい。とりわけ、今回の公開政策討論にかかわった人たちの知恵と経験を散逸させるのはもったいない話で、これを活かす機会をつくってほしいと思う。