愛知県東海市で、協働の取り組みを学ぶことができた。
東海市は、知多半島の付け根、名古屋からは名鉄の特急で15分くらいのところにある。西側の海のほうが埋立地で、大きな工場が立地している。横浜で言えば磯子当たりのイメージだろうか。大きな工場があるため、財政的にも豊かな町である。人口も伸びていて、太田川の駅前は、日本福祉大学も進出して、若者の街である。
一般に愛知県は、協働の先進都市である。イギリスのコンパクトの考え方が、比較的強く導入され、東海市でも、「NPOと行政の協働指針ルールブック」に基づいて、協働を行っている。
東海市の協働提案事業であるが、まず、市民と行政のまちづくりの進捗状況を知る共通のモノサシとして、まちづくり指標を定め、毎年、16歳以上3500人の市内在住者を対象とした、市民アンケートの結果によって指標の評価する。
NPOは、この評価書を見て、市民団体は企画提案書を出す(10月から12月)。行政は、出された企画書についてヒアリングを行い、有効だと考え採択されると、翌年4~5月に公募が始まり、それに対して市民団体は応募する。審査のうえ協働委託事業の受託団体が決定されると、その年は協働について担当課と協議を重ねる「協議の年」となり、企画内容がより精査されていく。そして、実施は、その翌年というスケジュールである。3年越しの協働提案事業になるが、うまく使えば、熟度が上がった協働提案事業になるだろう。
今回は、NPO法人ひと・ネット・みんなの広場の加藤さんたちのお誘いで、東海市を訪ねることになったが、面白い事例を教えてもらった。正確なところは、今後の調査であるが、次のような取り組みである。
東海市大池ぬくもりでは、地域における手助けを1回200円でやっている。隣近所、助け合うことは大切であるが、意外と苦になることもある。例えば、ちょっと壊れたカギを直してもらったとしよう。やってあげたほうは、別にそれで何かをもらおうと考えないだろう。ところが、やってもらった方は、それではすまないので、わざわざデパートまで行って、ちょっといいお菓子を買って、お返しをすることになる。これは、逆に億劫なことだから、頼まないか、業者に頼もうということになるだろう。
そこにお金を介在させる。200円であるが、1回200円なので、気楽に頼めるし、割り切りもしやすい。その際、当人同士で、200円をやり取りすると、これまた、菓子折りの話になるので、会でプールして、5000円になったら、商品券で渡すという方式である。大要こんなお話であった。
地域コミュニティの機能である助け合いを進めていく方法は、いくつもあるが、その一つが、有償ボランティア、コミュニティビジネスの展開である。最近、あちこちの地域コミュニティで取り組みが行われているが、一度、きちんと整理したほうがいいのだろう。
これらをふくめて、東海市では勉強になった。東海市のみなさんには、いろいろと気を使っていただいた。感謝申し上げたい。
東海市はカゴメの発祥の地ということで、トマトを使ったまちおこしをやっている。トマト係長と記念写真。ちなみに、この前、訪ねた埼玉県の北本市もトマトによるまちおこしをやっている。