松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★政策法務研修(相模原市)

2012-02-17 | 2.講演会・研修会
 今年も相模原市総務局主催の政策法務研修に出ることになった。
 この研修は、総務局の関連部局の研修会なので、参加人数は、いつも少数で、今回は総勢12人となった。人数が少ない分、どんどん進むと考えたが、実際はその逆で、押せ押せの時間配分となった。
 なぜ遅れたのか。今回は、あまり余計なことを言わなかったから、そのせいではないだろう(特命係長の話で終った)。
 たとえば、条文の並び順を考える演習では、条文は一般的には重要なものから軽いものという風に並べるとテキストには書いてあるが、何が重要かを考えるにあたって、私の場合は、地方分権の動向、少子高齢化をふまえて、自治経営のあり方にまでさかのぼって考えることになるので、だから、あっという間に時間がたってしまうのだろう。
 実際、政策の理念や本質をどのように考えるかで、条文の順番が変わってくる。それゆえ、本当に条例の順番付けをできるのは、政策を担当する原課であって、条例を執行する立場にない法制担当は、アドバイスにとどまることになる。それだけ、原課は、責任を持って考えることが必要である。
 1日の研修であるので、やや無理があるが、今回も最後の投票を取り入れて、ベストオブベストを決めた。最優秀者賞は、「政策条例のつくりかた」を差し上げた。大いに勉強してほしい。
 相模原市の研修なので、途中のエピソードのなかで、区民会議で一緒に仕事をしている南区の地域政策課の職員何名かが実名で登場した。もっとも登場回数が多かったのは、私のNOMAの研修を受けたHさんであった(これが時間が押した原因だろうか・・・)。ご本人は、相模大野の伊勢丹あたりでくしゃみをしていただろう。
 Hさんが、登場した設問は、こんな問題である。「行政の施設(会議室)は、どこも、なぜ飲食が禁止されているのだろうか」。分権・協働と施設管理という問題で、施設の管理も、分権、協働時代以前の発想にとどまっていないかという問題提起である。案外、奥が深い論点だと思う。
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2 コメント

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ありがとうございました (すう)
2012-02-18 12:43:52
この度はご出講いただきありがとうございました。
最後のグループ発表・投票・講評だけ参加させていただきましたが、最後の「巻き込む」という先生からのメッセージの重みを感じました。

以下は研修とは直接関係はありませんが、
平成18年度から21年度まで市民協働の仕事に携わり、パートナーシップ市民フォーラムさがみはらの皆さんと協働事業提案制度を創設し運用しました。
苦労もしましたが、実りのある仕事ができたと思います。(先生の著書にも提案制度を取り上げていただきありがとうございます。)

相模原市にも良い協働事業が沢山生まれたと思います。ちなみに、伊勢丹相模原店の6階でも協働事業提案制度事業として子育てひろばがあります。ご存じのこととは思いますが、是非ゼミの学生の皆さんにもご紹介をいただければと思います。

長くなりましたが、今後ともご指導のほどよろしくお願いします。
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お世話になりました (マロン教授)
2012-02-22 22:40:11
 政策法務研修と法令研修とは意味が違います。政策現場の法務は、教科書の法務をどう使うかがポイントになりますね。巻き込むというのも、資源・権限が乏しい自治体の生き残る道のひとつですが、責任があるところが、きちんと責任を果たすという自治の基本の問題だと考えています。とはいっても、いつも呑気な研修で恐縮です。
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