
AIの記事の続き
以前書いた記事の最後に「自分のパソコンにある、これまでの蓄積を活かした論文や原稿の自動生成ができないか」と書いた。
さっそく、今井さんから、「企業向けなので個人で使えるかわかりませんが、Microsoftが今度出すMicrosoft365copilotは、クラウド上のデータベース(例えばこれまで松下先生が書かれた多くのテキストデータ)を、Word、PowerPoint、ExcelとAIを統合することができるようです」というコメントをいただいた。
論文を書き始めて30年近くたつので、ずいぶんの蓄積がある。
何かの機会に見ると、初期の論文は、いかにも論文で、いかにも固い。よくこんな文章が書けたかと思う。その後は、今のような文章で、やや話口調の「論文」になった。誰かに「松下さんの語り口の文章」と言われたことがあるが、逆に、そうした文章しか書けなくなった。
やや、分析すると、自分自身で、研究者としての道というよりは、政策起業家としての道を選んだのだと思う。それが文章に表れているのだと思う。
さて、今井さんの情報であるが、個人ならば、書いた記憶のようなものがあり、それを手掛かりに探すことができまるが、企業の場合は、さまざまな人たちが蓄積したものがあり、それはAIの力を借りないと活用できないので、ニーズがあり、今後、大きく広がっていき、普通に使われるようなるのだろう。
AIによる変化は、身近なところで、徐々に感じている。
ゼミ生が転職活動を始めているが、そのきっかけの一つがAIである。AIによって、今までのキャリアが陳腐化してしまう、AIにはできないキャリアを獲得しなければという危機感というのがゼミ生の動機である(知らない間にずいぶんと大人になったことに驚いた)。
シンクタンクも、これまで情報の活用や組み合わせで勝負をしてきた面もあるので、それがAIによって、使える情報が共通化すると、なかなか、難しいことになるのだろう。本来の意味でのシンクが問われるということになっていく。
これはむろん、他人ごとではなく、私の仕事も、シンクが問われ、新たな発想や切り口の提案がますます求められるということである。現在の押しである「支える人を支える政策」のような新しい政策を見る目が問われるということだろう。
これも早晩、AIに追い抜かれるかもしれないが、今のところ、AIには「提案」はできないだろうから、まだまだ人のほうが優位だとおもう(ただ、AIの提案によって政策を決定していく時代がいつかはくるのだろう)。
機器や情報は使いこなしてこそ、なんぼのものなので、私たち市民に求めれる「力」も、ますます高度なものが、要求されるということである。市民がその力を発揮できるように、後押しするのが、私の仕事ということなのだろう。がんばるぞ!