松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆報告会があった(本郷台)

2017-02-04 | 1.研究活動
 神奈川県下自治体職員による研究会の報告会があった。

 テーマは、「人口減少社会における都道府県と市町村~移譲と補完による自治体運営の新たな可能性~」である。地方分権によって、基礎自治体に業務が落とされてきた。もちろんこれは、身近なところによるサービス提供が、住民にとって好ましいという判断に基づくものである。大きな方向としては、その通りであるが、今回の研究会は、基礎自治体に仕事を委ねられば、それで住民サービスは実現するかを問い直すものである。

 ちょうど、市町村合併して、自治体が大きくなれば、それだけで住民サービスが向上するものではないということと同じである(だから市町村合併が間違っているという議論も間違いである。市町村合併におけるメリットを活かすとともに、十分補完できなかった点をどのような施策を講じれば、その効果を発揮できるかを論じなければならない)。

 発表は、5人の研究員が、仕込みに仕込んだが、大半が空回りしてしまったようだ。Aリーダーの仕込みは、「緊張のあまり、お辞儀をしたときに、マイクに頭をぶつけて、笑いを取り、それで会場を和ます」というパフォーマンスであるが、実際の会場の受け取りは、「本当に緊張のあまり、マイクに頭をぶつけてしまった・・・それを笑うのは気の毒・・・」という感じになってしまった。はずしたAリーダーは、きっと心が折れたかもしれないが、最後まで、踏ん張ってやり通した。それで良しとしよう。

 今回の報告の要諦は、県のあり方に対する大胆な提案であり、それを称して、かながわ・シナジー・モデルというが、K研究員は、芸能人のダイゴを模した「K.S.M(かながわ・シナジー・モデル)」をネタとしたが、これも、滑ったといっていいだろう。ただ、そのあと、「温かな拍手ありがとうございます」といって、笑いを取ったのは、さすがである。時々、滑る私も、この「温かな拍手ありがとうございます」のフレーズは、使えそうだ。

 この研究発表会の特色は、発表後の質問・回答を丁寧に行う点である。今回も全部で20問くらいの質問が出た。難しい質問、考えてなかった質問もたくさん出たが、その場合、議会答弁ではないので、「考えていませんでした」と正直に答えて、そのうえで、自分の考え方を述べるスタイルでやっている。こうした率直なやり取りがあって、はじめて議論が前に進むからである。

 この質疑応答では、質問者や会場の参加者もうかうかしていられない。私が会場に振るからである。一緒に考えるべきと考える問題の場合は、質問者に対して、あなたはどう思いますと聞き返す。あるいは会場の誰かにマイクをふる。今回も、中核市の質問になって名簿を見ると、茅ヶ崎市の中核市担当の方が参加していたので、マイクを回したら、懇切丁寧に、現状や課題をわかりやすく話してくれた。ただ、この話をあまり公にすると、松下が司会をすると、話をふられると噂になって、発表会の参加者がいなくなってしまうかもしれない。

 来年は、会場の参加者も交えて、ワールドカフェ方式でやってみようという話になっている。研究報告会のスタイルとしては異例であるが、みんなが学ぶ機会になることが大事なので、一般的パターンにとらわれることはない。このような質疑応答方式では、松下さんの負担が大変ではないかと心配されるが、私とすると、一方的な報告で、会場がシーンとなって質問が出ないほうが、とてもいたたまれない。私は、冗談を言いながら、会場とやり取りするほうが、楽なので、自然とこのようなやり方をやっている。

 終了後、みんなで大船に行って打ち上げとなった。研究員は全部で5人なのに、写真を見ると、随分と人数が多い。これは以前の研究員が、宴会にやってきて、今年の研究員と一緒にうだをあげるのが恒例になっているからである。今回も、楽しいひと時を過ごすことができた。
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