松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆パブリックコメントの使い方(三浦半島)

2019-08-18 | 1.研究活動

 韓国をホワイト国から外すパブコメは、賛成が95%になったそうだ。普通、パブコメでは、賛成意見は、ほとんど出ないので、この数字は、国民の強い意志であることは間違いない。

 国民は、それでもいいかもしれないが、政治は、冷静に、したたかでなければならない。安倍さんが、この95%に意を強くしたという報道もあるが、もし本当なら、「え」である。「そこかよ」である。

 よく誤解されが、パブリックコメントは、多数決ではない。多様な意見を出してもらい、気が付かなかった視点や意見を参考に、より良い政策決定を行う手法である(だから、原案に賛成という意見は出にくい)。

 すでに書いたが、韓国は、かつての韓国とは違う。個人一人あたりのGDPでは、日本を追い抜く位置にいる。もはや日本の意のままにはならない国に成長した。

 後から来たという強みを活かして、日本の良いところをどんどん取り入れた政策を次々に実現した。もう20年も前のことであるが、日本がもたもたしている間に、あっという間に、韓国はリサイクル先進国となった。大阪国際大学のころ、韓国から関西の自治体のIT化の研修に来たが、「日本は遅れてて、参考にならない」とその人は、小声でいっていた。これはいい悪いではなく、事実なので、そこからでないと話は進まない。

 すでに書いたように、シビアな国際政治において、日本にとって韓国は、緩衝地帯である。わかりやすくいうと、日本には、中国、北朝鮮、ロシアと直接対峙する余力がないので、それを韓国にやってもらうという戦法である。他方、力をつけた韓国は、日本と中国を両天秤にかけて、両方にいい顔をし、あるいはときには困らせることをして、両方から、多くの果実を獲得するのが、基本戦略となる。

 隣国は友人というが、一般的には、隣同士は、仲がいいものではない。すでに見たように、両国は戦略も違う。だから国同士で友人までになる必要はなく、うまく付き合うのが肝要となる。多少のいざこざがあっても、常に、うまく付き合う関係になれるような道を残しながら、喧嘩をしたり、仲良くなったりをしないといけない。

 それゆえ、このパブリックコメントでは、95%もの日本人が賛成だったと言ってしまっては、身も蓋もない(言わなくたってわかっている)。援用すべきは、「韓国がきちんと管理すれば、ホワイト国へ戻れる道筋をつけるべきだ」という意見で、「これは建設的な意見で大いに参考にしたい」とここにコメントすべきだろう。

 第一、9割5分の賛成に焦点を合わせると、今度は、ホワイト国への復帰のパブコメをしたときに、「反対」の声の大きさに、先に進めなくなってしまう。このまま、お互いの喧嘩を続けても、勝者はなく、お互いが消耗して、お互いの国力を弱めるばかりである。

 このテーマでは、韓国が、国際ルールに沿ってきちんとやれば、問題がないので、「きちんとやりました」、「さすが」という関係をつくり、つかず離れずの隣人関係を維持しながら、国際ルールを守るように誘導していくのが、日本の戦略になるだろう。それが、今度のパブコメの使い方だと思う。

 

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