松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆『協働が変える 役所の仕事・自治の未来』(萌書房)がでる

2013-05-23 | 1.研究活動
 『協働が変える 役所の仕事・自治の未来』(萌書房)が、ようやくでた。「市民力ライブラリー」の第4弾になる。
 この本は、ですます調の読みやすい本となっているが、協働論の全体像と現時点での到達点をまとめたものとなっている。自画自賛するようで恥ずかしいが、「いい本になった」と思っている。

 早速、市民参加論の岩手県立大学総合政策学部・高橋秀行先生から、連絡をいただいた。「刺激を受け、勉強しなおそう」と思ったという、大変、励みになるコメントをいただいた。私のほうこそ、高橋先生に追いつくように、がんばろうと思う。

 追記
 この本のテーマは、一緒にやらない協働である。協働というと一緒にやることといわれるが、これでは自治の未来の展望は開けない。
 一緒にやるということは、あくまでも行政のテリトリー内での協働となる。行政は、行政の行動原理を逸脱して、相手とは一緒に行動できない宿命である。行政の範囲を逸脱すると、行政は住民監査請求、住民訴訟を受けて、損害賠償の責任を負って、職員は、悪くすると役所を辞めなければいけない。
 行政と一緒にやる協働では、市民は、常に行政の行動原理のなかで行動することになるから、それが結果的には、行政を補完し、行政の手足となることになる。行政の下請けになりがちというのは、一緒にやる協働の構造的な問題である。
 今、必要なのは、行政の範囲を超えた新たな発想、行動である。行政にはできない、市民の発想、行動が大事で、それを発展させることができるかどうかで、私たちの未来が決まってくる。市民による公共活動を認め、育て、応援し、存分に力を発揮してもらう。
 一緒にはやらないけれども、同じく公共を担っているという意味での「協働」である。
 

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