松下啓一 自治・政策・まちづくり

【連絡先】seisakumatsu@gmail.com 又は seisaku_matsu@hotmail.com

☆自治会加入条例から孤独・孤立対策条例へ

2022-04-20 | 1.研究活動
 「実践自治」のテーマが徐々に変化中である。
 
 もともとは、自治会加入条例をイメージしていた。自治会加入と銘打った条例は、15くらいあるが、とりあえずの比較表はつくってみた。自治会の役割、自治体の役割に分けてみると、おおむね、取り組むべき施策メニューとその水準が分かる。ここまでは簡単である。

 ただ、これを分析してもつまらない。ポイントは、この条例が、効果があったのか、効果論との連動である。

 自治会加入率の経年変化を出している自治体もある(横浜市など)。すべて軒並み、毎年、下降している。HPに出していない自治体も多い。調査をしていない自治体もあるのかもしれない。しかし条例をつくって、調査をしないというのは、ダメである。

 中には、調査をしているが、あえて公表していないという自治体もあるかもしれない。本来ならば、それぞれの自治体に、メールを送って、数値を教えてもらおうと思ったが、おそらく、この条例によって、加入率が上がったというものはないであろうから、意味がないかもしれない。

 この条例によって、下げ幅が小さくなったと言える場合もあるかもしれないが、これは論証できない(詳しく見ると、下げ幅が小さくなった年もあるので、これが、何かを聞いてみる価値はあるかもしれない)。

 つまり、壁にぶつかってしまったのである。

 考えてみると、加入率は、それ自体に意味があるのではなくて、大事なのは機能である。組織率が50%でも、機能して効果的ならば、意味がある。機能に方向転換して考えると、自治会のような地域を面でカバーしている組織の意義も見えてくる。これと、地域や人を部分でカバーしているNPOその他の組織、全体をカバーする自治体が重層的に機能すれば、できることも多いだろう。1+1+1が5くらいになる感じである。

 そこで、孤独・孤立の面から、地域を面でカバーする自治会の意義を考えてみようということになってきた。孤独、孤立は、子どもから高齢者まで対象の幅が広い。しかも、誰にでも起こりうる問題である。人生のどこかで、何度かは、孤独・孤立に直面する。人は一人では暮らせない。

 ここでも他者に思いを寄せるという民主主義の基本が問われることになる。その面から、自治会の再構築を考えることができるのではないか。幸い3か月に1回の原稿なので、あと1か月半もある。これでものになるか、まだまだ予断を許さないが、考えてみる価値はある。4月、5月は、仕事もほとんどない。ゼミ生たちも遊んでくれない。孤独・孤立を紛らわせるには、ちょうどよい。

 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ☆市民協働の成功法則(水曜社... | トップ | ☆行政区長の位置づけ、考え方... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

1.研究活動」カテゴリの最新記事