松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆うれしい便り(新城市)

2013-10-02 | 1.研究活動
 新城市のMさんから、「新城市の穂積市長が、マニフェスト大賞の優秀賞に選ばれました」という連絡をいただいた。

 受賞の理由は、「市民のことばによる新城市自治基本条例(たたき台)」と「市民まちづくり総会」である。
 ■穂積亮次(愛知県新城市長)
 「新城・希望都市 第二期マニフェスト」。現在、2期目。マニフェストの一つである「自治の改革」における「自治基本条例の制定」については、平成22年度公募の市民(21人)によって「市民のことばによる新城市自治基本条例(たたき台)」がまとめられ、市長と議会が市民の声を聞く場となる「市民総会」の規定が盛り込まれた。

 
 今回の受賞は、穂積市長のゆるぎない住民自治への思いとリーダーシップ、そしてその着実な実践が、直接の要因であることは間違いないが、同時に、この受賞は、新城市の職員たちや市民のひとたちの実践がなければ、ありえなかったことも記しておきたい。

 全国で自治基本条例に関わるのでよく分かるが、自治づくりは、首長のリーダーシップだけではできるものではない。職員や市民の一人ひとりが、こうした自治の未来を真剣に考え、実践していかないと、いくら首長が一生懸命、旗を振っても、ちっとも先に進まない。

 新城市で言えば、担当のMさんは、当初は、自治基本条例に懐疑的だったと思う。なまじ法務を知っていると、自治基本条例にはなじめないし、霞が関法務のくびきから逃れることも容易ではない。しかし、自治体職員に力があるかどうかは、ここからである。

 自治をまじめに勉強し始めると、自治の未来は、住民による自治がなければ開けてこないことに気がつくが、この当たり前のことを受け入れ、実践できるかどうかが分岐点となる。この点に納得すると、自治体職員はどんどんと変わる。市民と対等に腹を割って議論できるようになる。こうなれば条例づくりは出来上がったようなものである。新城市では、こうした職員たちが、穂積市長を支えたのだと思う。

 また自治基本条例は市長と職員だけではできない。自治の文化をつくるものなので、市民自身が当事者となって考え、行動することが必要である。
 初めてのことなので、実は自治基本条例づくりに参加した市民も、当初は半信半疑である。市民の声を聞くとは言っているが、行政はすでに決めているのではないか、決めたと言って押し付けてくるのではないか、そんな疑念を持っているのである。それを払しょくできるかどうかが、自治基本条例の成否を決める。
 この場合、成否のコツは、相互の信頼関係である。信頼関係ができると、たくさんのアイディアが出てくる。相互に妥協もできるようになる。

 今回の受賞対象となった市民まちづくり集会は、市長と議員が市民の前で市政の課題を議論するという試みである。それを実践した今年の8月の市民まちづくり集会は、信頼関係と協力関係が溢れたよい会になった。

 新城市を見て、私は自信を持って言えるのは、自治基本条例をきちんとつくると、まちは確実に元気になるということである。逆に言うと、まちが元気になるように、自治基本条例はつくらないといけないということでもある。それにつけても、穂積市長さんは、よい職員や市民に恵まれていると思う。
 新城市は、これから、いくつもの賞を受賞していくことになると思う。
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4 コメント

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今回のマニフェストでは (imai)
2013-10-03 09:12:38
新城市長のマニフェスト大賞・優秀賞、私としてもうれしいです。これは新城市民の皆さんの取り組みへの評価でもあると思うと、さらにひとしおです。
現在、市長選(11/10)のまっただ中ですが、今回のマニフェストの一番最初には、「若者政策市民会議」(仮称)の創設というのが掲げられていますね。松下先生との対話から触発されたところも大きいと拝察します。
http://kiboutoshi.com/c17388.html
ともかく今は、現職・新人の候補者の正々堂々としたご健闘をお祈りするだけです。
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よかったですね (マロン教授)
2013-10-03 10:07:00
 新城市の自治の取り組みは、安定感というか、どっしりとしつつ、着実に前に押し出す感じがすごいですね。テキストに書いた「断固たる決意、逃げない姿勢」ですね。それで安心して、職員や市民が取り組めるのだと思います。
 市長選挙のようですが、お二人とも、新城市のこの流れを加速するような選挙戦をやってほしいですね。
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Unknown (ゆうけん)
2013-10-04 12:06:59
隣町から新城市の自治の進捗をうらやましく見ているものです。市民の皆さんの考え方がぐんと深まり広がっておられることを、条例の地域説明会~市民集会を観察研修させていただき実感しています。首町のリーダーシップと職員との信頼関係、職員の誠実な取り組み姿勢、学びのある住民の方々のふるまい等々、真似たいことばかりです。自町の現状をしっかり分析し、勉強させていただいたことを活かせるよう、具体的に何をどのようにしていくか考えたいと思いました。
ともあれ、おめでとうございます。当然という気もします。
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私も当然という気がします (マロン教授)
2013-10-05 13:25:34
こんにちは。たしかに新城市は勢いがありますね。
相互作用というか、好循環になっていますね。
隣町からも見守ってあげてください。よろしく。
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