![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/4d/04ac9844c6ff24fd581d746802491cb3.jpg)
民生委員には、国籍条項がある。民生委員の推薦にあたっては、民生委員法第6条で当該市町村の選挙権を有する者と規定されている。消防団は、法の規定がないので、解釈ができ、多くの自治体で外国人の消防団員が生まれているが、民生委員の場合は、明文があるので、最終的には、法改正まで待たなければいけない。
この問題も、ほとんど論じられていないので、厄介であるが、日本で事実上の「移民政策」が開始された今日では、きちんと考えて置く必要がある。
私のスタンスは明確で、自分の町は自分で守るのが地方自治で、その町に住んでいる人ならば日本人でも外国人でも、まちのために、存分に力を発揮してほしいと考えている。
外国人は参加させないという議論は、その外国人の消防や民生を日本人が守ってあげるという議論である。外国人がお客さんだった時代ならば、お客さんの手を煩わせることはしないが、300万人近くの外国人が住んでいる。住んでいるのだから、人任せにしないで、自分たちも町のために、頑張ってほしいと思う。
第一、私たち日本人は、高齢化し、子どもは少なく、経済的にも、どんどん順位を下げている。一人あたりのGDPでは、世界で26位である。もうすぐ韓国に抜かれてしまう。300万人ものお客さんを支える力をなくしている。
まず、民生委員とはなにかである。
民生委員は、民生委員法に基づき、担当する地区において、
①住民の生活状況を必要に応じ適切に把握すること、
②援助を必要とする者にはその能力に応じた自立生活が営めるよう相談に応じ、助言その他の援助を行うこと、
③援助を必要とする者が福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供を行うこと、
④社会福祉を目的とした事業や活動を行う者と密接に連携し、その事業や活動を支援すること、
⑤社会福祉法に定める福祉に関する事務所や他の関係行政機関の業務に協力すること、
さらには①から⑤の職務以外にも、必要に応じて住民の福祉の増進を図るための活動を職務とされている。
制度の起源は、救貧・防貧的な機能から始まり、1950年(昭和25年)の生活保護法において、保護事務の執行に協力するものとして明確に位置付けられ、現在も民生委員の重要な役割の一つになっている。
しかし、その後、2000年(平成12年)には、社会福祉法が改正され、民生委員は地域福祉の担い手としての性格が明確にされた。基本理念は、「保護指導」から「相談、援助」へ、性格は、「名誉職」から「給与を支給しない」へ改正が行われた。大雑把に言うと、町の名士・名望家から町の世話焼きさん・ボランティアに大きく変わったと言えよう。
性格は、行政協力機関的な性格とともに、無償で地域福祉活動を行うボランティアとしての性格という二面的な性格を有している。官製ボランティアという領域である。
委嘱の方法についても、民生委員法6条①で、「民生委員推薦会が、民生委員を推薦するに当つては、当該市町村の議会(特別区の議会を含む。以下同じ。)の議員の選挙権を有する者のうち、人格識見高く、広く社会の実情に通じ、且つ、社会福祉の増進に熱意のある者であつて児童福祉法(昭和22年法律第164号)の児童委員としても、適当である者について、これを行わなければならない」と定めている。
つまり、市町村の民生委員推薦会が推薦した者について、都道府県知事が推薦し、厚生労働大臣が委嘱することとされており、守秘義務、政治的中立も法定され、身分的には特別職の地方公務員とされている。
民生委員の仕事の性格上、人格識見高く、広く社会の実情に通じ、且つ、社会福祉の増進に熱意のある者というのはよく分かるが、なぜ当該市町村の議会の議員の選挙権を有する者としたのか、そこが論点である。外国人で、人格識見高く、広く在留外国人社会の実情に通じ、且つ、社会福祉の増進に熱意のある者で、地域の信望が厚い人がなぜ、民生委員をやったらだめなのかである。実際、もったいない話である。
1.公務員だからという議論は、消防団の議論と同じである。むしろ消防団は、破壊消防が権力的な活動とされ、これがほとんど唯一の論拠となっている。これについては、すでに書いた。
2.民生委員に国籍条項ができた立法事実にさかのぼって、考える必要がある。ざっと見たところでは、ほとんど議論されていない。昭和22年当時、外国人が民生委員をやるというのは、想定もしていなかったようだ。この点については、今後、調べていきたい。
3.最終的には、法律改正が必要である。しかし、今回の移民政策でも顕在化したように、近年の国政は、表面を取り繕うような政策運営が行われる。移民政策ではないと言いつつ、事実上は、それを容認、後押しするような政策運営である。そのつけは、結局、自治体に丸投げされる。法改正を待っていられないから、その法の不備を補う政策が必要で政策法務の出番となる。
今後、この2と3の論点について、考えてみよう。
それに誰が民生委員であるのかもわかりにくい。都道府県や市区町村の広報で「何月何日付けでだれがどこの自治体の民生委員に就任した」との発表もあまりない。
日本に長年住んでいる外国人であれば、せめて永住有資格者であれば民生委員になってもいいように思います。
近年では親に連れられて日本に来て、小学校入学前後の年齢から日本で生活をしている人もいますね。
福祉職などは、一人紹介されると、業者に60万円取られるようです。
いくら制度を充実しても、担い手がいないので、張子の虎ですね。