赤ちゃんの学校訪問、今回は『東京大学の駒場キャンパス』です。
ボルネオで、「オランウータン」の研究を25年やっている鈴木晃先生の
講演を聞きに行ってきました。
ボルネオは、世界で3番目に大きな島です(日本の約2倍)。
“マレーシア”と“インドネシア”、そして“ブルネイ”3つの国に属しています。
〔ボルネオトラスト〕の話は、“マレーシア”領で
〔鈴木先生が、研究を続けている地域〕は、“インドネシア”領です。
「環境サミット」や「地球環境シンポジウム」など、環境問題を考える会議は国際的にたくさん行われていますし、
組織もたくさんありますが・・・
オランウータンや熱帯雨林が抱える問題はほとんど良くなっていないのが
現実です。
北極の氷が融けて、『ホッキョクグマ』が心配だとか
『ツバル』という島国が海に沈むとか、問題視されていることが多いのですが
赤道直下の地域にも目を向けてほしいと言っていました。
その苦難な状況を改善するために、
『オランウータンと熱帯雨林の会』を設立して、NPO法人化していくことにしたそうです。
その設立記念の会でもありました。
午前中は、仕事だったので
一緒に行ったのは「赤ちゃん」だけです。
鈴木先生の話を聞くと、マスコミを通して発表されている話に
いかに嘘が多いかということがわかります。
私は、「オランウータン」がテレビで取り上げられると
嬉しくて、ビデオに撮りまくっていますが
それも現実とは違うことが多いという話でした。
熱帯雨林の保全は大事だと思っていても
何よりも「オランウータン」のことが一番に心配です。
「オランウータン、かわいい~」だけではダメだと言われても
かわいいものはかわいい~。
何度、鈴木先生の話を聞いても↑に書いたことが
私の頭のほとんどを占めています。
みなし子の「オランウータン」を生かすにはどうしたらいいか
そんな事ばかり考えていました。
(私が、できることは何もないのですけどね・・・)
そこで、鈴木先生に一番気になる「リハビリセンター」について質問しました。
先生の答えは、
「リハビリセンター」が、本当は機能していないということでした。
森に帰しても、「オランウータン」は生きて行けない。
人間がバナナやリンゴを与えている時はいいのだけれど、
人間が手助けをしなくなると同時に、生きて行けなくなる。
母親が、6~7年かけて教えることを人間が教えるのは
やっぱり、無理なようです。
それに、「リハビリセンター」に来る時に
すでに病気になっている子たちが多いということでした。
それならば、「リハビリセンター」でずっと育てればいい・・・
動物園で引き取って、育てればいい・・・という考えが私にはありました。
その考えがあるから、何度ボルネオでの話を聞いても
納得できなかったのです。
でも、たくさんのみなし子「オランウータン」を育てていくことは・・・
センターや動物園を維持していくことは・・・
金銭的に無理なのだそうです。
それが、現実でした。
現実は、厳しかったのです。
綺麗なタレントさんを『リハビリセンター』に行かせて
「オランウータン」を抱かせていてはいけないのだと言われました。
マスコミが取り上げているような気楽なものではないのです。
マスコミに都合がいい情報を提供するのも
金集めのためなのかとも思ってしまいますが・・・。
だから、「リハビリセンター」をどう維持していくかを考えるのではなく
「リハビリセンター」が必要でなくなるようにするしかないとのことでした。
『熱帯雨林を残す』ことが一番大事なのです。。。
納得です。