
9月の童話パンは
『えんどう豆の上のお姫様』です。


生地は、またまたブリオッシュ。
ドライフルーツとえんどう豆が入っています。



王子さまも年頃で、そろそろ、おきさきをむかえたいと思いました。
けれど王子さまにふさわしいおきさきは、
本物の完全なお姫さまでなくてはなりません。
そこで王子さまは、世界じゅうを旅して回り、
どこから見ても完全なお姫さまをさがしました。
ところが、どのお姫さまも、美人でなかったり、
品がなかったりして、どうしても王子さまのおめがねにかないません。
そんなある夜のこと、ひどいあらしの中をだれかがたずねてきました。
城の門をあけると、雨にぐっしょりぬれたひとりの娘が立っていました。
「わたしは、王子さまがおさがしになっている、本物の姫です」
娘がそういうので、その夜は城にとめてやることにしました。
「ほんとうのお姫さまかどうかは、すぐにわかることですよ」
王子さまのお母さんはそういうと、娘のベッドにちょっとした工夫をしました。
まず一粒のエンドウ豆を置き、その上にしきぶとんを二十枚もかさねて、
さらに二十枚の羽根ぶとんをかけた上に、娘を寝かせたのです。
つぎの朝、お母さんは娘に、
ベッドの寝心地(ねごこち)はどうだったかたずねました。
すると娘は、眠そうな目をこすりながら、
「せっかくのおもてなしですが、寝心地が悪くて、少しも眠れませんでしたわ」
と、答えたのです。
お母さんはさらに聞きました。
「寝心地がわるいといいましたが、どのように悪かったのですか?」
「はい。ベッドの下に、なにかが入っていたのではありませんか。
背中にあざがついてしまいました」
お母さんは、娘が本当のお姫さまだと思いました。
だって、たった一粒のエンドウ豆であざができてしまうなんて、
ふっくらしたベッドでしか寝たことのない人に決まっています。
こうして王子さまは、やっと本物の完全なお姫さまを、
おきさきとしてむかえることができたのです。





