まるでミサイルみたいにゆらゆらとした軌道を描いて扉に向かう四本の角。一体どうなるのか? と小頭は思う。やっぱりミサイルみたいにドカーンと爆発するのだろうか? そんな事を思ってたけど、どうやらどこまでも鬼は小頭の想像を超えるみたいだ。
だってその4つの角は二つが扉を通り過ぎていって奥の地面に刺さり、二つは扉の前に落ちた。外した? とか思った小頭だが、それは違うようだ。角を中心に何かが広がる。それは最初は色が違うじわじわとした模様だっだ。それが門が出てる地面を覆い尽くしていく。そしてその過程でその色が同じになってくように小頭には見えた。
一体何をやってるのか? それは小頭にはわからない。てか、ただ殴る蹴る……更には噛みつく……とか以外のもっと高度な事もできたんだ――と思ってる。
あれは明らかになにかこう……封印的な物を感じてる。広がった地面の模様は門を中心に円形になってる。そして――
バリバリバリ
――とそんなスパーク的なことか起きて、それが門の周囲、円の中で起こってた。常にそんな状態になった感じ。大きな門が両開きで開いてるわけだけど、その円は両開いてる扉を貫通して、地獄へとつながってるその部分を覆ってる感じになってる。だからきっとこれから出てこようとするなにかはきっと――
「ひゃっ!?」
――びっくりした声が小頭から出る。それは門から再び巨大な腕が出てきたからだ。でもその腕は弾けてるスパークに攻撃されて、更にはなにか透明な壁にぶつかったようになった。どうやらスパークだけじゃなく、見えない壁もちゃっかりあるようだ。
「ふう……これでしばらく持つだろう」
「まあせいぜい一日だけどね」
二人が小頭の方にやってくる。そんな二人をジッと小頭は見てた。
「どうしたの? 私達の強さに憧れちゃったかな?」
鬼女がそんな事を言ってくる。けどそうじゃなかった。小頭は、二人の顔に視線がいってしまう。だって二人共今は角がなくなってる。そうなったら……なんか鬼感がとても薄くなってしまったなってかんじなのだ。鬼男は浅黒い感じだから肌を焼いてる……といえばなんとかなりそうだ。
まあ鬼女は肌自体が赤黒いというか、赤い感じが強いから、人間? って感じが強いけど、角がなくなったら、今は夏だし日焼けが妙に赤くなる体質? で行けるかもしれない。
「二人共、なんか普通になりました……ね」
思わずそんな事をいってしまってた。てか角はまた生えるんだよね? 小頭に一回折ってあげてた角。それはすぐに戻ってたわけだし……けど今はまだ戻ってない。
「えっと……返しましょうか?」
とりあえず小頭が持ってた角を鬼男に差し出した。