UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十八話Part2

2024-12-22 19:17:04 | 日記
「偶然じゃない? それってどういう……」
 
 そういう小頭。だってこの鬼とお兄ちゃんである野々野足軽の繋がりなんて思いつくなんてことはない。てかあるだろうか? 本当ならそもこそ交わることなんてなかったはずだ。だって世界が・空間が・次元が違う。いや、そうなのか小頭にはわかんない。だってあの門の向こうが何なのか、全く持って小頭にはわからないからだ。
 
「それはわからない。だが、なんとなく感じる。あいつは、大丈夫だ」
 
 なぜかとても信頼できるように感じた小頭だ。そこに根拠なんて無いはずなのに……別の世界に飛んだなんて本当ならもう一生会えないことも覚悟しなくちゃいけないことのはずなのに、小頭はきっと足軽は戻って来る、と思ってる。それを今、確信できたといってもいい。
 
「そっか……」
「それでいいのか?」
「いいもなにも、あんたたちも戻りたいんでしょ? こっちも動く。向こうも……お兄ちゃんは帰ろうとしてる。そうでしょ?」
「そうだな」
 
 こっちにもやれる事がある……というのが小頭にとっても大きいのかもしれない。別の世界に行ってしまったら、基本やれることなんてないだろう。けどこっちには鬼や魑魅魍魎がでてる。そして世界をつなげてる門まである。
 どうにかなるような要素は色々とある。だからこそ、動くことで、兄を取り戻す事ができるかもしれない――という希望が小頭には感じれるのだ。
 
「ねえ、お兄ちゃんだけが、門の向こうにいってるの? あなたは幾代ちゃんと入れ代わったんでしょ?」
「うん? ああ、そうだな。確かに私はその女と入れ代わってる。多少の記憶もあるからな」
「なら、やっぱり幾代ちゃんも向こうに……」
「いや、いるよ。女はこっちにいる」
 
 鋭くそういう鬼女。それに対して小頭は「本当?」と返す。だってね。足軽は門の向こうにいってしまったんだろう? なら一緒にいただろう幾代がこっちにいるのはおかしくないだろうか? そう考えるのは普通だ。
 
(なにかがあった?)
 
 そう考えるしか無い。なにかがあってお兄ちゃんである足軽は門の向こう側へ、幾代はこっち側に残った。そういうことだろう。そしてそれなら小頭たちが探すのは、幾代だということになるだろう。
 てか小頭が知らなかっただけで、きっと二人は幾代の元を目指してる。なにせ鬼女は幾代を感じる事ができる……はずだ。鬼男がそうなんだから、きっと鬼女だってそうだろう。
 
「幾代ちゃん……」
 
 一体何があったのか、小頭は幾代に問いただすつもりだ。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十八話Part1

2024-12-22 19:12:13 | 日記
「お、思ったんですけど……」
「?」
「あ、あの!」
「……」
「ちょっと!!」
 
 ようやくこっちを見てくれた鬼男。イラッとしてしまう小頭である。今はあの扉の前から離れて、田舎のおじいちゃんの家も通り過ぎて街へと向かってる。田舎のおじいちゃんの家は一つ山を超えたような? そんな場所で周囲にある家も片手て数えられる程度だった。
 山の下の方が町って感じで発展してるのだ。木々の間をピョンピョンと飛んだ山から観る海はやけにキラキラとしてた。けどそんなことじゃない……そんなことじゃない……と小頭は思ってた。だってずっと気にしてた事がある。それを聞いてほしいのに、鬼男の反応は上記の様な様子である。
 反応が鈍いとは思ってたけど……でもこいつはこういう風なやつなのだ。それを小頭だってそろそろわかってきてた。寡黙だけど、どうやら小頭にはそれなりに優しいということだってわかってる。
 なにせこの鬼がちょっとその力を誤ってしまえば小頭は「痛い!」という暇もなく、クシャっとされてしまうのだ。そのくらいの力はある。けど、できる限り優しく鬼男は小頭を扱ってる。それは、小頭だってよくわかってた。
 だからこいつの性格をを考えるに、別に無視してるわけじゃないんだろう。ただ早く走ってるし、飛んでるしで、風の音が小頭の声を遮ってると思われる。しょうがないから、小頭はもっと大きな声をだすことにする。
 
「えっと! あの扉って中から出てこれないようにしたんだよね?」
 
 すると数秒の後、鬼はコクリとうなづいた。やっぱりちゃんと聞こえたら反応は返してくれるのだ。
 
「それならさ! お兄ちゃんが向こう側に居た場合、こっちに戻ってこれないんじゃない?」
 
 それが不安だった。もしも兄があの地獄の門の向こう側にいて、なんとか門までたどり着いたのに、こっちに来る事ができなかったら? それってとても困ることになるよね?
 
「それは……大丈夫だ」
 
 なぜかそんなに声を張り上げても居ないのに、鬼男の声は小頭にははっきりと聞こえる。それをずるいと思ってしまう小頭。だって自分はこんなに必死に声を張り上げてるのに……という損な気分だ。
 
「なんでそんな事わかるの!?」
「……俺達はきっとつながってる。どういう繋がりかはわからないが……俺がお前の兄と変わったことはきっと偶然じゃない」
 
 初めてこんな長く喋ってくれた。ちょっと驚いた小頭である。その喋りにもだけど、内容にも小頭はびっくりだ。
 

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 139

2024-12-22 19:05:18 | 日記
 レイピアのような丸い側面に一点だけを指すために尖った先端。持つところは凹みがあって握り安くなってて、手には透明な布がふわっと流されてる。それはかなりながくて、剣自体よりも長いくらいだ。シンプルな見た目。
 でも凝縮しただけあって、かなり無理をしてる。どういうことかというと、今にも暴発しそうというか、刀身をこれだけ圧縮すると、今にも爆発しそうである。普段の形態ならそんなことない。ありえない。
 けど、今回のこのレイピアの形状ではそれがありえる。いや、普通にレイピアにしようとするだけならそうはならない。じゃあどういうことなのか? それはそこに狙いがあるからだ。
 でも必要な強度というのはどうしてもある。だって相対してる敵である腕はきっとG-01殿にも負けず劣らないほどの強度を誇ってるだろう。だからこそそれを突き破るための強度は必要。でも、頑丈にしすぎるのもだめというね。
 難しい要求だった。けど聖剣はきっと応えてくれてる。ならあとは僕が頑張る番だ。
 
(ノア!)
(わーてるっすよ)
 
 自分が頑張るしかない――とか言った舌の根が乾かない内にノアに頼る自分。でも仕方ない。自分の中にいるんだし、ノアだって自分の一部。何もズルいことはないだろう。
 
眼の前にいくつもの魔法陣が展開される。僕はそこに進む。すると……だ。すると周囲が一気に流れた。それはいままでの移動とは違う感覚。まさに送られる……という感覚が一番ちかい。魔法陣間を転送するシステムをノアには組んでもらってた。
 これを戦闘中に自分自身でするのは無理だ。なにせかなり複雑な術式だからだ。スピードではない移動だ。それもほぼ見えることもない。これならどこで見てるか知らないが、この腕だって対応できないはず。そもそもが初見はとりあえず受けたりするのがそのスタンスっぽい。
 それはその頑丈さがあるからなんだろう。自信がある。それにきっとデータとして取る意味合いも……あるんだと思う。でもその余裕が致命的になるんだ!!
 
 魔法陣に導かれて自分は傷の修復が治りきらない腕の側に出現した。そのまま、僕はこのレイピアと化した聖剣を突き刺す。
 
「はあああああああああああああああああああ!!」
 
 いま一瞬、自分に別の感覚があった。アイ殿か? 何かはわからないが、ありがたく受け取っておく。そして自分はレイピアを腕へと叩き込む。装甲に吸い込まれていくレイピア。けどそれだけじゃない。
 刺した勢いで更に進んで、反対側から突き出たレイピアはその勢いのままに刀身を伸ばして反対側の腕へと更に刺さった。まるで串に刺された状態のようになってしまった。
 
 けどまだ、ここ出終わりじゃない。これからだ!!

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 138

2024-12-22 19:02:22 | 日記
 3つになった刀身。それによって押せ押せで切りまくる。でもやっぱりだけど、分身させた刀身では腕に有効打を与えることは出来てない。せいぜいかすり傷程度だ。
 その程度はこの腕にはダメージとは言えないだろう。すぐにその程度の傷じゃあ、再生してしまう。でも……わずかでもそっちにもリソースを割くのなら、本命の自分の攻撃が通りやすくなる。ただ切るだけじゃだめだ。
 やるなら完全な破壊。それしかない。じゃあどうするか? ただこの腕を聖剣できれいに切ってもそれだとすぐにくっつきそうだ。じゃあガツンがツンと叩いてこわす? いやいや、聖剣は剣だ。一応銃にもなれるし、その気になればハンマーとかにもなれるだろう。
 けどこの腕に初めての武器で挑む? それはなかなかにリスキーだろう。一番慣れてる剣形態てあっても攻めきれてない。たがら別の形態にするのはリスクが大きい。
 
 じゃあどうするのか? どうやってこの剣の状態で腕をぶっ壊すのか。自分の中でその答えは実は出てる。
 
ガガガガガ――
 
 そんな音と共に、ぶつかり合ってた腕とこっち側が互いに弾かれた。でもそこを狙って、飛んでる分身の刀身をこのタイミンで向かわさせる。回転を加えて、勢いをつけるために、実は本体である自分たちがぶつかり合ってるときに大きく周囲を大回りさせてた。
 そんな分身の剣、まずはその一つが勢いよく腕の上面に落ちてくる。ものすごい勢いで、耐久力を無視した突進。そのせいで最初に突っ込んだ分身剣はすぐに消えた。でもそれでいい。更にもう一本がタイムラグなしで突っ込んで来る。寸分たがわぬその位置に再び突き刺さる。わずかでも傷をつける為に、ぶつかってもまだ回転してる。
 自分もただ見てるだけなんてしない。ある仕掛けをしつつ、聖剣の姿を変えるのだ。ハンマーとかにじゃない。そんな大掛かりな変化じゃない。鋭く、細く,けどそのエネルギーはできうる限り、圧縮させる。出来上がったのは一本の棒のような剣。ただ突くことにだけ特化させたそれが、聖剣の新たな姿だ。