UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十四話part5

2024-11-26 23:57:34 | 日記
 いやだった……といってもここは田舎だ。地元ではない。なので小頭としては結局足軽……となってる鬼と一緒にいるしかないのである。
 もしもここが小頭にとっての地元である場所なら、それこそ友達の所に逃げる……とか出来た。でもこの田舎には知り合いなんていない。友達……といえるこの田舎の知り合いなんて生まれてから小頭も何回も来てるといっても知り合いなんて今までいなかった。
 だからこそ逃げ場はない。けど現代ならスマホという最強の暇つぶしツールがある。なのでその気になれば、小頭は足軽……いや鬼に対して「一人でいってよ」といっても問題はなかった。
 
 この田舎で一人っきりでもスマホがあれば世界に繋がれるのだ。でも小頭は思った。
 
(これを一人行かせたら、育代ちゃんがどうなるか……)
 
 それが不安だったから結局二人で向かう事になった。ようやくできた田舎の友達である育代。彼女を一人でこの鬼に出会わせる? 鬼はタンクトップに短パンをパツパツに履いてる。それはきっと野々野足軽の物だからだろう。タンクトップもその肉体のせいでぴちぴちだ。
 なにせ鬼は野々野足軽よりも大分デカい。本当の兄である足軽はきっと百七十台だとろうと小頭はおもってる。足軽を見上げてもそこまで首は痛くならない。けど今の鬼の顔を見るとなると、小頭は首が痛くなる。
 それだけ身長差がある……ということだ。きっと百八十は超えてる。後半くらいあるだろう。だって近くに来るとその圧が壁みたいに感じる。それは……小頭にとって明確に足軽とは違った。
 むしろそれが一番違うと感じる。ただこの鬼の前に立つと圧によって体が震えてくる野々野小頭だ。けどこうやって感じると違うんだ。
 
(お兄ちゃんは私に圧なんて掛けてこないもん)
 
 だからこそ、こいつは絶対にお兄ちゃんじゃない。そう確信する小頭だ。小屋から自転車を出してきた鬼は、サドルにまたがって小頭を待つ……本当は触るのも嫌だが……でもそんなのも言ってられないから、後ろの方に足を掛けて……肩に手を……手を……
 
(とどかない!)
 
 足軽とは体格差がありすぎて、鬼の肩に手が届かない。そうなると、腰に手を回す? でもそんなのしたらギュッとしないといけなくなる。密着度が段違いだ。
 それは流石に……と思ってたら小頭を見てくる鬼。それに怯えてすぐに腰に手をまわした。だって逆らえるわけもない。機嫌を損ねたら何されるか……
 
 とりあえず準備完了したわけで、鬼がペダルに足を乗せて漕ぎ出す。すると――
 
 ベギャ!!
 
 ――そんな汚い悲鳴を自転車が出したのだ。二人の間に微妙な空気が流れる。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十四話Part4

2024-11-25 19:53:04 | 日記
「ほら、さっさと食べなさい」
 
 遅めの朝食の時間。食卓には小頭と足軽……に成り代わってる鬼が座ってる。既にお爺ちゃんもおばあちゃんもなにか用事があるようで外に出てるらしい。それに父親もだ。出されたのは白飯に味噌汁。あとはおばあちゃんが漬けてた漬物が数点である。朝なんてこんなものだ。それは別にいい。むしろ小頭はパンでもいいくらいだ。けどおじいちゃんもおばあちゃんもご飯派なのだ。
 
「あっ」
 
 プルプルと震えてる小頭は箸でうまく挟むことが出来なかった。狙ってた漬物が箸から飛び出していってテーブルに落ちた。それも丁度小頭と鬼の間である。ちなみにいうと二人は隣り合わせで座ってる。だってそれがいつもの位置なのだ。自然と小頭はいつもの位置に座った。そしたら鬼もいつもの……そういつも本当の足軽が座る所に鬼は座ってきたのだ。その瞬間もちろんだけど小頭は後悔した。どうしていつもの場所に座ってしまったのか。別に今は六人分の椅子があるのだ。今ならどこにだって座り放題だった。
 なのに、自然といつもの場所に座ってしまった。もしかしたら鬼も足軽がいつも座る所に座るかもしれない――とちょっとでも考えたら回避できたかもしれない。でももう遅いのだ。移動しようとしたときには既にお母さんが朝食を持ってきてた。逃げ場はなかった。
 
 小頭の箸から飛び出た漬物はポツンとテーブルの上に野垂れてる。
 
(どうしよう)
 
 このまま無視してもいいと小頭は思ってた。だって別に漬物の一個である。床に落ちたわけでもないからまだ食べられるが……これはもう気付かなかったふりをしてさっさと朝食を済ましてしまおうか? と葛藤してる。すると……だ。ニョキっと伸びてくる別の箸。それがテーブルに野垂れてる漬物に伸びてそれを器用にとる。そしてそのままパクッと口に放り込んだ。そして一気にご飯をかきこむ。茶碗に大盛だったご飯は一瞬で口の中に放り込まれて、大きく頬を膨らませて咀嚼してる。
 そしてそんな鬼と目が合う小頭。そしたらなんとその口の両端の口角を上げて、にやーとしてきた。まるで得意げに「やってやったぞ」みたいな……そんな表情だった。
 
「何ぽけーとしてるのよ小頭。今日も二人で知り合った子と遊ぶんじゃないの? 急がないと遅れるわよ」
「はっ!?」
 
 その母親の言葉で思い出した。確かに今日も幾代との約束がある。でも……だ。でも……二人で、二人っきりで彼女との待ち合わせ場所でいくの? 絶対に間が持たない自信がある小頭だ。それに、こんな鬼と二人っきりなんて何されるかわかったものじゃない。今は普通に野々野足軽として大人しくしてる。でも、こいつは兄じゃない。兄じゃないのだ。他の人たちには足軽に見えてるようだけど、小頭にはそうは見えない。だから二人っきりなんてなんとしても嫌だった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 119

2024-11-25 19:46:46 | 日記
 強い……ただの二本の腕なのに、その強さは計り知れないものがあります。まさか攻撃の制御まで奪えるなんて……どこにそんな頭が? だって頭ないですよ? 頭がないのに考えて、理解して、こっちに対応して更にはこっちの動きを上回ってくるのです。
 それは頭がないと無理ではないでしょうか? 私はそう思います。ただ頑丈で強いだけじゃない。私達のことをよく見てるんです。目はないですけど。
 
「アイ君……このままじゃ」
「それ以上言わないでください。私だってこれは想定外です」
 
 勇者様とアイ様がそんなふうな会話をしてます。やっぱりお二人もあの存在の攻略には苦心してるようです。実際私ではお役に立ててない……どころか、足手まといです。一体何回勇者様に守ってもらったのか……私の代わりに勇者様がボロボロになってしまいます。
 それが心苦しくて……辛くて……私は徐々に積極的に攻撃できなくなっていきます。だって私の攻撃は意味をなしません。それなら、二人から距離を取って周囲の目玉のように観戦してたほうがいいのではないでしょうか? けどこの場から逃げ出す……というのも無理です。なにせ天井にくっついてた無数の目玉が私達の周囲にいるからです。
 戦闘の余波で何体も目玉たちは壊れてます。だって私や勇者様は近接攻撃を主体に戦ってますが、アイ様は遠距離攻撃をします。だから避けられたりしたら、勿論その攻撃は後方に行くわけで、そこにも勿論目玉は居ます。
 むしろ下の目玉の生産部分にはいかないように目玉たちは身を挺して守るほどです。
 
(私は……どうすれば……)
 
 私はもう時々ポニ子アーマーで作った聖剣のレプリカを振り回す程度になってます。それもヒットアンドアウェイです。むしろヒットしなくても一旦離れてます。追撃……ということができないです。
 だって通用しないのがわかってるからです。それに……勇者様でも、アイ様でもどうしようも無い敵……と思うと、恐怖がお腹からせり上がってくる感じがして、怖くなってしまいます。
 どれだけお二人に甘えてたんだってことですよね……私はお二人が居たから、安心して戦えてたんです。お二人は強いってわかってるから、お二人がいれば絶対に助けてくれる……それが心の余裕になってた。
 でも今の戦いではそれが期待できないから……私は恐怖を感じてあまつさえ逃げ道を探してしまう。
 
(私は……最低です)
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十四話Part3

2024-11-24 19:10:18 | 日記
「きゃあああああああああああああああああああああああ!!」
 
 ドタバタと階段を下りていく小頭。すると階段の下の方からひょこっと母親が顔を出してくる。
 
「ど、どうしたの小頭?」
「お母さん! お兄ちゃんが!! お兄ちゃんが鬼に! ううん、鬼がお兄ちゃんを!?」
「落ち着きなさい。一体どうしたっていうのよ?」
 
 急ぎすぎて小頭のいう事はよくわからないことになってた。お母さんはなんとか落ち着かせようと頭をよしよししてくる。けどそんなのでごまかされる歳では既にない。
 
「こんな事やってる場合じゃないよ! とにかくお兄ちゃんが大変なんだよ!!」
「足軽が? もう、どうしたっていうのよ? 足軽~どうしたの~」
「ちょっとおおおおおおおおおおおおおおお!?」
 
 お母さんはなんと二階に向かって声を張り上げた。抗議の声を小頭は上げたが、そんなのお母さんは気にしない。それはそうだろう。だってお母さんは足軽が鬼の見た目になってるなんてわかってない。きっと小頭が寝ぼけて変な事を言ってるんだろう……くらいにしか思ってない。だから二階に声を届けてしまった。
 
「おーい足軽~。起きてるの~?」
「それ以上はだめ――」
 
 その時、ヌッという感じで足軽が……いや違う。二本の角をもってる鬼が顔をのぞかせた。その瞬間、小頭はお母さんの後ろに隠れた。そして「ほら、あれだよ! あれ!」と小声なのにきついみたいな器用な声を小頭は出してる。けどお母さんに慌てる素振りはない。
 
「足軽もちゃんと起きてるようね。ほら二人とも顔でも洗いなさい。頭シャキッとさせなさい」
「え?」
 
 驚愕の小頭。そして鬼はというと、お母さんにそういわれたらコクリとうなづいた。それにさらに「え?」――である。のっそのっそと階段を下りてくる鬼。そのたびに古びた木製の階段はギシギシといってる。大丈夫なのか心配だ。けどなにか言える訳もなく、小頭は鬼が一階に降りてくる間に、母親の背後から、さらに遠くの扉まで後退する。そしてそこからぴょこっと顔をだす。そんな小頭に鬼が視線を向ける。急いで顔を引っ込める小頭。
 
「なんかあんたの事鬼とか言ってるのよ? どうしたのかしらね。まああんたたちはこのくらいがいつも通りって感じだけどね」
 
 お母さんはそんな事をいって何も気にしてないようだ。またキッチンの方にむかっていった。鬼は別に小頭の行動を気にしてないように、小頭の方にくる。キッチンを通って増設されたトイレの方にきてる。いや、きっとそこにある洗面台に用があるんだろう。小頭はキッチンの扉の傍から玄関をとおって、玄関横の部屋に入る。その襖から、鬼が洗面台に行くのを見送った。
 
「ど、どういう事?  どういうことなの?」
 
 小頭はとても混乱してる。キュ――ジャー――バシャバシャ――そんな音が聞こえてた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 118

2024-11-24 19:04:17 | 日記
「はあああああああああああああああああああああ!!」
 
 私はレプリカの聖剣を振りかざします。けど……
 
「きゃあああああああああああああああああああああああ!?」
 
 私は吹き飛ばされました。そしてそれは勇者様も同じです。私と同じ!? と驚愕するかもしれ混ません。けど……残念なことに同じなのです。わたしたちは舐めてました。
 ただの腕……そんな思いがあったのかもしれないです。それに目玉はそこまで……でしたからね。私でも対処できる強さだった。だからこそ、そこまででは無いでしょうとか思ってました。
 勇者様やアイ様が本気を出せば一蹴とはいかなくても、負けることはないだろうって思ってました。けどどうやらその認識が甘かったのです。私はアイ様や勇者様は最強だと……それこそジイゼ様は神! とか思ってます。
 けどどうやら同じくらい強い存在と言うのはいるみたいです。もしかしたらこの腕……ジイゼ様に迫るかもしれません。なにせ勇者様やアイ様が苦戦してるのです。
 
 ガン! ガン! ――と勇者様の一太刀一太刀を確実に受け止めて行く腕の機械。そしてそのぶつかる回数はどんどんと上がっていきます。ガンガン――だったのがガガガガガガガガガ――になっていくのです。
 でもそれら全てに腕は対応してます。わたしたちはもう勇者様の聖剣の太刀筋なんてのは見えません。そもそもがあの腕……どうやって見てるんですか? 顔なんて無いです。
 顔がないということは目がないと言うことです。それなのにあの腕はとても正確に攻撃を捌きます。それだけじゃない。死角から……と言っても目がないからどこが死角とかわからないですけど、今は勇者様とぶつかり合ってるから、その方向を正面とするのならば、勇者様と向かってる方とは逆側に回り込んだアイ様がチャージをした砲撃を撃ちます。
 でもそれも完璧に見えてるように避け……いえうまく自身の輪っかの内へと通しました。曲芸を見せつけたかった? いえ、そんなはずは無いでしょう。そんな遊び心がある相手じゃないです。じゃあただ避けただけ? いえ違います。なんか輪っかを通ったアイ様のエネルギー砲の周囲には何やら違和感があります。
 そして分裂しました。たくさんに分裂したエネルギーは大きく花を開くように四方に散っていき、更には急旋回します。そしてわたしたちに向かって襲いかかってきました。
 
「ええええええええええええ!? アイ様!?」
「違うわ。あいつがこっちの制御を則ったのよ!」
 
 そんな……まさかそんなことまでできるなんて、ただの腕二本のコストカットの産物とか思ってごめんなさい。