UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十四話Part2

2024-11-23 19:20:57 | 日記
「ふあがああああああああ」
 
 そんな大きな欠伸の音が響く。ビリビリビリ――とまるで吹き飛ばされそうになるから、小頭は必死で耐えた。腕を顔の前で交差して畳を擦って後ろに押されそうになるのを必死に耐える為に自身の脚に力を入れた。
 
「はっはっ――」
 
 呼吸が浅くなる。心臓が早鐘を打つように鼓動を刻み、起きたばかりだというのに全身が熱い。いや冷たい? まるで心臓を握られてるかのような……そんな冷や汗に寝汗とは違う水分で小頭はびっしょりとしてた。
 
(なんで? どうして?)
 
 そんな思いが小頭の頭には回ってた。だっていくら考えてもわからない。昨日の夜、そのことを思い出してみる。他愛もない会話をして寝たのを覚えてる。最近はとても寝つきがいいからあいまいだが、だからってもしも昨日の夜から野々野足軽がこんな風になってたら強烈に覚えてるだろう。でも、昨夜まではそんな事はないはずだ。
 じゃあ、この目の前の鬼のような人物は誰? それに……兄である野々野足軽は一体どこに? 小頭は自然と視線が下の方にいく。それはお腹のあたりだった。もしかしたらポッコリと膨らんでんるんじゃないかと思ったのだ。だってどう見ても目の前の相手は鬼……のように見える。悪魔とかも考えられるが、翼とかはない。それに額に突き出てる二つの角は悪魔という程大きくない。帽子とか被れば隠せそうというかある程度目立たなくすることだって出来るだろう。
 さらに言うと大体人っぽい。これで雷柄のトランクスでも履いてたら完璧である。
 
(お腹は……膨らんでない……か。じゃあお兄ちゃんは……)
 
 鬼のお腹が膨らんでないことに小頭はホッとした。けどそうなると足軽はどうなったのか? という疑問がわく。でもそんな場合でもない。だって次の瞬間食べられるのは小頭自身かもしれないのだ。どうにかして逃げたいところだ。でも……逃げるといってもどこに? ここは片田舎で、それにお爺ちゃんとおばあちゃんの家なのだ。逃げ出した所で二人はどうなるのだ? そういう考えがグルグル回ってる。そんな中、ふと欠伸を終えた鬼と視線がかち合った。
 
(やばっ!?)
 
 視線をすぐに外そうとした小頭。でもダメだった。全く持って視線が外れない。まるで固定されたように半裸の鬼を見てしまう。そして向こうも瞬き一つせずに小頭を見てる。
 
(食べる? 食べるの?)
 
 カタカタと体が小刻みに震えだす。するとゆっくりと鬼の口が開くのが見えた。本当はそんなゆっくりでもないのかもしれない。でも、今の小頭にはゆっくりに見えて、鬼の凶悪な牙が鮮明にみえてた。
 
「お――」
「きゃああああああああああああああああああああああああ!!」
 
 声が聞こえた瞬間、小頭は叫んで背を向けて逃げ出してた。襖もスパーンと開けて、階段を駆け下りる。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 117

2024-11-23 19:16:19 | 日記
 「ごめんなさい勇者様」
 
 またまた勇者様に助けていただきました。私が不甲斐ないから……勇者様に迷惑を……腕はなんとか破壊できました。けど、私達を巻き込むかのように腕が爆発。その爆発範囲はそこまで広くもなかったですけど、至近距離にいた私達は巻き込まれて然るべきだったでしょう。
 
 でも勇者様がかばってくれました。勇者様の腕の中で……聞こえる鼓動で……私は不謹慎にもちょっとドキドキしてます。
 
「大丈夫。つっ!?」
 
 強がって見せた勇者様ですけど、ダメージはあったようです。いつもなら爆発の中心にいたって笑顔でやり過ごしてそうな……そんなイメージが有りました。
 それだけ勇者様は頑丈なはず。けど今回は相手が悪いのかもしれないです。なにせこの船……それはどうやらかなり技術が高いからです。
 さっきの爆発もただの爆発ではなかったのかもしれないです。
 
「勇者様……私のせいで」
「違うよ。それにこのくらい問題ない。一本は持っていけたんだ。素早くあれを倒そう」
「はい」
 
 私は勇者様に同調してうなづきました。二本あった腕も今ので一本になりました。それならどうにかなる……そんな思いが私達にはあります。だってそうでしょう。残り一本となるとこっちの精神的な負担も軽くなる……というものです。
 流石に一本では勇者様やアイ様の攻撃を凌ぐのは無理なはずです。私? 私のはきっとどうにでもできるでしょう。でもお二人には一本では対応できないはずです。
 
 爆煙の中から、再び腕が見えてきます。片腕は元気ですけど、爆発した方の腕は手首の先がなくなってます。ダメージはそのまま。これならいけます! そんなことを思ってると、たくさんの部品が目玉を作ってたこの場所から引き寄せられるみたいに集まっていきました。
 一体何が? と思ってると、その部品がどうやってなのかは全くわかりませんが、なんと新たな腕ができました。そんな……てかそんな風につくられてるんですか? それが私の素直な感想です。
 
「どうやら、もう一度壊さないと行けないみたいだ」
 
 勇者様が私に背を向けて聖剣を構えます。それに触発されて私もレプリカの聖剣を構えました。そうですよね。「何度でも」……それが諦めないと言うことでしょう。
 私はちょっとがっくりしてました。恥ずかしいです。一度だけで無駄だと……そんなことを思ってしまった。でも一度で諦めたらだめですよね。だってわたしたちはまだ戦えます。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十四話part1

2024-11-21 18:59:00 | 日記
 その日、とある日本の九州地方の片田舎……そこのある地域が地図から消えた。赤黒い球体がその場所を丸ごと飲み込んでしまったのだ。外から見たらそこにはまるでぶちまけた絵の具が渦巻いてるような……そんな感じだった。
 
 色んなニュース媒体でそれは報道されてる。はじめは個人のSNSだった。その近くに住んでる人たちの投稿。その発信から、警察が出動して、何やら完全防備してるような、そんな人たちまで出動し始めてた。そしてその街へと続く道路は全て封鎖。
 緊急事態的な非常令が総理大臣から出されてた。一体この禍々しい球体の内側がとうなってるのか……外側では沢山予想がされてた。すぐにきっと超能力者のせいだ!! というのは満場一致で言われてた。
 
 なにせあんなことが他に誰ができるのか……というからだ。外の方ではきっと覚醒してしまった超能力者の力が暴走してるのではないか? という意見が八割をしめてる。
 あとはどうして今度は田舎なのか? とかこの力はどんな力なのか? とかそんな意見が色んな所で言い合われてた。そんな風に外の方では色々と騒動になってるが、内側はどうなってるのか。
 
 内側は内側で大変な事になってるのか? 外側の人たちはそれも想像するしかない。最悪の事態だって想定してるだろう。もしかしたらこの渦の中ではもう何も残ってない……なんてことだって……とか外の人達はおもってるだろう。
 だってその渦の中には何も通ることはできないのだから。皆が不安に思ってる。いきなり現れた気味悪い色の球体に。
 
 
「ううーん! はえ?」
 
 野々野小頭は朝日を受けて布団から起きる。いつもはシングルベッドに寝てる小頭だが、おじいちゃんの家ではベッドはない。だから畳に布団を敷いてねてる。
 そんな布団からモゾッと起き上がる小頭。外から差し込む日差しは既にかなり強い。今日も既に九時くらいはいってるかもしれない――とおもった。兄である野々野足軽はいつも隣でねてる。横を見てみると、まだ布団は大きく膨らんでた。
 珍しいな――と思う小頭。足軽は最近はいつも小頭よりも早く起きてた。だからまだ布団が盛り上がってるのが珍しかった。それに……
 
(気のせい? なんか背中が大きいような?)
 
 そんな事を思ってた。でもとりあえず夏休みだからっていつまでも寝てたら母親に小言を言われてしまう。なのでとりあえず兄にも声をかける小頭。
 
「ちょっと……ねえ……おい」
 
 最終的にゲシッと蹴る小頭。それでモゾッと動いたことを確認する。うん、なんだか寝ぼけてるからか、かなり布団も大きく見えるような? とか思ったが、小頭は寝ぼけてるから――と自分に言い聞かせた。
 
「早く起きないとお母さんがうるさいよ」
 
 そんな事を言って立ち上がる小頭。窓に近づいて窓を開けて田舎の空気を吸い込む。車の匂いとかしない、自然のにおいが肺を満たす。
 
「ん?」
 
 なんか空に見えたような気がするが、きっと気のせいだろう。そして振り返る。そこには起きたであろう兄が……野々野足軽がいる――筈だった。
 
「ふぁあー」
 
 そんな風に布団から上半身だけ起こして欠伸をしてる。けど……それをやってる存在を見て野々野小頭はピシッとまるでかためられたように固まる。だってそこにいたのは明らかに野々野足軽ではない。
 少なくとも、小頭にはまったくそういうふうには見えない。紫の肌に大きな体躯。足軽とは比べ物にならない筋肉が浮き出てて、そして禿げた頭から生える二本の角。大きく開く口からは凶悪な牙がみえてる。
 それはまるで鬼のような……そんな存在が布団の上で欠伸をしてる。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 116

2024-11-20 23:42:34 | 日記
 ガキイイイイイイン! ガキイイイイイイン!
 
 私は聖剣を振り下ろしました。でもその前に、私が狙った場所には勇者様が聖剣を振り下ろしていたのです。それは左腕の手首の近く。全く同じ場所……ということは出来ませんが、私は勇者様の隣にレプリカの聖剣を切りつけました。
 
「ミレナパウスさんそれは!?」
「ごめんなさい勇者様。けど私が考えれる最高の武器はこれだから……」
 
 二人して腕の敵に攻撃を与えるとき、その言葉を聞いて勇者様はちょっと笑ってくれました。
 
「そうか、一人……一つでは無理でも、二人、二つなら行けるかもしれない。力を貸してくれ!!」
「はい!!」
 
 どうやら勇者様は快く受け入れてくれたみたいです。私のこんな猿真似みたいなマネ……別の人なら嫌がったりするかもしれません。でも私はちょっとわかってました。
 だって……勇者様はとてもやさしいですから。
 
「 「はああああああああああああああああああああああああああ!!」 」
 
 私達は二人でもう一度武器を同時に振り下ろそうとしました。けど当然、それをただ黙ってみてる……なんて事はあり得ません。けど私たちに右手を向けようとしてきますけど、それをアイ様が砲撃でとめてくれます。黄金の野太い砲撃です。その圧力というか余波というか……それが私達も実はきてます。
 でも私達にはそれでも間接的です。けど拳は直接もろにその攻撃を当てられてるわけです。なのに……それでも壊れもせずに動こうとしてます。驚異的です。
 でもせめて……せめてこの左手だけでも私と勇者様で破壊したい! その思いで二つの聖剣を振り下ろしました。
 
 今度は完璧なタイミングで二つの剣の衝撃が重なります。その瞬間、今までにない感覚が手に伝わりました。それはめり込むような感覚です。表面を砕き、内に入ろうとするような……その感覚です。
 
(行ける!)
 
 言葉をかける事はしなかったですけど、きっと勇者様も同じことを思った筈です。私にはこのポニちゃんが再現してくれた聖剣がどれだけの性能をしてるのか、よくわかってません。でも、もしかしたらもの凄く聖剣に近いのでは? とちょっと思ってきました。
 だって、いまの所同じような事が出来てしまってるのです。このままいけば左腕を持っていける。その可能性が見えてます。でもその時です。破壊された装甲の内側……それがなんか赤く光りだしました。
 
「ミレナパウスさん!」
 
 やっぱり私よりも先に勇者様が動きます。そして次の瞬間、私の視界の外で激しい爆発が起きました。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 115

2024-11-20 23:36:07 | 日記
 その姿はまさに勇者様の持ってる聖剣です。ただ形だけで色とかは元のポニちゃんの色ですけどね。薄く水色がかった剣はまさにオモチャのようです。けど……これは玩具じゃないです。
 その研ぎ澄まされた刀身はなにか力強さを感じます。
 
「これなら、私も!!」
 
 今まではあの腕の敵は私に手に余ると思いました。だからこそ、このポニ子アーマーの特性を使って距離を開けて戦ってました。どうやらあの腕は遠距離の攻撃手段がないみたいですからね。
 だからこそ安全圏から安全第一にやってました。なにせ勇者様もアイ様もいるのです。無理をする必要なんてありません。私は自分が二人よりもずっと弱いというのはわかってますから。
 
 けどこうなったら……本当なら剣を持ってる腕の部分を伸ばせばいいじゃない――とか思ってました。でもそれは無理のようです。ポニちゃんが「ポニポニ~」といってきます。
 それは訳すと「無理無理」です。まさかそんな制限が出てくるとは。でもきっとそれだけ勇者様の聖剣を再現することに力を使ったからなんでしょう。なんかちょっと今までの感じと違いますし。
 なんか重いんですよね。こんなのは初めてです。なにせポニ子アーマーは私にはその重さ何てのは全くもって感じないのです。私がポニちゃんを着てる状態なんですけど、普通の服のように体に何か感触が触れるような……そんな感覚もないです。だからこそとても快適です。
 なにせ普通なら鎧なんて着こむとそれだけでとても重くて動くこともつらくなるものでしょう。特に防御力を意識すると、そんな風になるものです。アイ様や勇者様は体は固くなんてないですけど、ものすごく硬いです。
 
 それが魔法ならまだわかります。けどそうではなさそうなんですよね。お二人はズルいです。けど私もポニ子アーマーでかなり頑丈になってます。なんでもポニちゃん頼み? 確かにそうです。けどポニちゃんは委ねてくれてます。私の意思に……私の勇気に。
 
「私は怖いと思ってる」
 
 カタカタと腕が震えてる。明らかに格上の相手。勇者様もアイ様もそれぞれで精いっぱいです。だから私のカバーが十全にできるかはわからない。でも私だって足手まといにはなりたくない。きっとそれなら前に行かないのが正解かもしれません。
 でも二人も私を止めることはしません。きっと私の意思をわかってるから。
 
「確かに私は怖がってる。でも、皆さんが受け入れてくれた時に、逃げないって決めたんです!!」
 
 私は前に進みます。そしてレプリカの聖剣を振りかざします。