私の初めての現場勤務の失敗談です!
ある日 現場所長から
「おい!倉庫に行ってゼガを持って来い、車は手配した」
「ハイ、判りました」 とは言ったものの私は「ゼガ」なるものを知らない。
どうしよう?誰かに聞いてみようと思う間も無く車は来た・・。
「監督さん さァ 行きましょう」と作業所の下請けの運転手から促される。
まァ いいか!運転手なら知ってるだろうと勝手に思い同乗して出かける。
車は暫く走って直ぐに倉庫に到着した。
「監督さん ゼガってどれですか?」と先手に聞かれたのである。
「アワ・アワァ~ット う~ん 見えないな!確かに所長は倉庫にあると言ったのだがナ~ァ・・・そこらにないか?」と逆に運転手に聞く・・・運転手は変な顔をしながら入り口に立っている。
「私はゼガって知らないですよ、どんな物ですか?」 と返事が来る。
さァ 困った。まるで落語だな!私は聞こえぬ振りして探す振りをする
何しろ知らない物を探すのだから、こんな難しいことはない! 。
「おい!無いよ。何処かの現場で先に持っていったようだ」 と自信たっぷりに答えて帰路につく。
現場に帰り、所長に
「倉庫にはなかったですよ」 俺シ~ラナ~イ?
「おかしいな?確かに出かけるときにはあったのだがな~ァ?」 としきりに不審がる。
「まさかお前ゼガを知らないわけではないよな~ァ? 大学出だからな~ァ」・・・とつぶやく ・・・
冗談ではない。大学で現場の用語など教えるものか!と 心の中で叫ぶが遺憾ともし難し!知らぬものは知らぬ!
その日、出張所に帰り、所長から言われた。
「倉庫の隅に在ったぞ!よく探せ!」と叱咤された。
夕食後、誰も居なくなったのを確かめ出張所の隣にある倉庫の中に入り、確か隅に在ると言っていたな、と、四隅を見て回るがイロイロと建設機材が在りどれがゼガだか判らない? 判る訳がない!
その時に後ろで声がした
「そら その丸い球のような大きなやつだよ!」 振り返ると所長が入り口に立っていた。もう一度その隅を見ると
そこには直径1,2mくらいの球形の回転する機械があった。 「ゼガ」である。ゼガは0.3 ㍍立法 位の少しのコンクリートを捏ねるコンクリートの攪拌機であった。
正式には「ゼガ式ミキサー」と言う。現在でも住宅建築の僻地では使われている。
振り返ると既に所長の姿はなかった。古きよき時代である。
素直に聞けば、なんて事は無いのだが、詰まらない見得を張ったものだ。
これが、ゼガ式ミキサーといった物です。現在はなんと呼ぶのでしょう?通称「ゼガ」で私を悩ましたものでした。
半世紀も前の忘れ得ぬことでした。所長も粋なところがあったな~ァ
竣工式の時に帰り際に「これで一杯やれよ」と3万円頂いた。 ビックリしたな! 来春は別の現場だ。
(昭和31年)雪が降り始めた12月の末でした。
当時、私の月給は9千円丁度でした。
その他、思い出せば工事中に
「キャラメルを買って来い」と千円渡された。・・・ハテサテ?
「セパを買って来い」 セパ?
「太鼓落としを倉庫から持って来い」 間違って別な物を持ち帰る!
「バーチカル・ポンプを持って来い」 垂直なポンプ???
「達磨を持って来い」 等 これは倉庫係りの嫌がらせに会う
数え挙げれば切りが無い。当時の所長は何故か絶対に言葉の内容を説明しない。何処の現場でも同じようだった。
まるで小泉首相のワン・フレーズのようだったな!
そして新米の現場監督として、それぞれ、それなりに忘れ得ぬ失敗をして仕事の段取りや用語を覚え少しづつ成長するのである。
現在アレコレ ブログ作成の練習中なので、続きは又あとで・・・これで完成しました。練習は終わりで~す。有難う バ~ィ
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