「あんた!シャンプー使った?」
「いいんにゃ 使わんかった・・」少々岩国弁の心算?
「どうして使わないの?」
「忘れるんだよ~・・」
「折角 シャワーを使いながらねェ~」勿体無いはカミさんの口の中のようだ。
コレは何時もプールから出てカミさんとロビーで合った時での会話である。
我輩がシャンプーを使うにはプールから上がった時、そのままシャワー室に行かないで一旦 更衣室に戻りロッカーを開けて中からシャンプーを持ち出して、それを持ちシャワー室に行かなければ成らない。
それ故 何時もプールから上がると直ぐにシャワー室に入り、シャワーを出し始めて、そうだ!シャンプーを持って来るのを忘れた!と気が付くのだ。
既にシャワーは出している。
今更シャンプーもないと、ばかり頭を洗い身体を洗い海水パンツや眼鏡を洗って出るのが我輩のプールでの日常である。・・・が今日は違った。
ロビーでカミさんに会うやいなや・・・
「おい!シャンプー使ったぞ~」
「フ~ン・・・」
「な~んだ?何も言わないのか?」
「シャンプー使ったら気持ちいいでしょう?」
「気持ちいい~?・?・?」
気持ちいい?と聞かれた瞬間 返事に詰まった。
フリーズしたのだ!
実は今日は日頃 使ったことがないシャンプーを使ったのは、いいが毛の薄い頭でも泡立ちは凄い!泡を身体中につけ、ついでに夜店の泥亀の頭のような可愛い息子も泡まみれにした。
リンスも使い頭がサッパリしたな~と感じた時に下のほうが変である。
シャンプーには何か刺激剤でもあるのか?見れば息子がいきり立っていた!
久し振りに見た元気な息子だ!あれッ~? こんなんだったかな~ァ?
シゲシゲと見た。(◎◎)
もう以前の元気な息子の姿を忘れていた。何しろ歳だからな~~・・・。
「やい!コラ!これでは出られないではないか!」心の中で呟く・・・・。
後ろのカーテンを見るとチャント閉まっている。よかった~~ァ
仕方ないシャワーの温度を水温まで下げて暫く息子を宥(ナダ)める。
然し水飛沫(ミズ・シブキ)が下半身に掛かり冷たい!冷たい!
息子も少し恐縮したように見かけたので、やれやれと思ってシャワーを止めたら、
また、あッ と言う間に前より怒ってきた!
いや~~困った~。
まるで“籠の鳥” ????いや意味が違ったか?しょうがない・・・。
兎に角 少しの間 背中から温水シャワーを浴びながら息子の気持ちの収まるのを待つ・・・。
何とか息子に頭を垂れた反省の姿勢(?)が見えたので洗った海水パンツと両手で前を隠すようにして更衣室に入るが、我輩がこんな姿勢で更衣室に入ったことは今までない!
されど見る方向から見れば息子は丸見えだ!
更衣室には3~4人の方が着替えをして居られて一斉にこちらを見られた。・・・ように感じた。
一人の方にはまともに見られた。
ビックリしたような顔をされて我輩の顔を見られて、そそくさと我輩の後ろを通ってプールに行かれた。
まだ、少々 我輩の息子の反省の姿勢ができていなかったようだ。
プールに行かれた方も一体全体シャワー室で何をやってたのだ?と思われたのかも?
我輩はそ知らぬ顔をして着替える。
パンツを履いたときに、やっと少し気持ちも落ち着いた感じだったが・・・。
何時もなら更衣室にある側(ソバ)の腰掛に座り耳の中の水を綿棒で吸い取るのだがスッカリ忘れ慌てて更衣室を出たのだ。
ここで我が不肖の息子の事をカミさんに言うわけにも行かない。
いつものように・・・
「おい ラーメンでも食べに行くか?」
「そうね~」我輩の不肖の息子の不始末も知らないで、カミさんは我輩の車に乗った。
海岸から久里浜駅に向かう広い道路の街路樹の桜の木はもう春だ。
この街路樹の桜が咲くのも、もう直だな~
左右の桜並木を見ながら極楽蜻蛉(ゴクラク・トンボ)の“くそ爺“は呑気に帰路にあるラーメン屋に車を走らせた。
<うしろのカーテンを見るとチャント閉まっている。
よかった~>
ここに一番共感を覚えます。
私もこのような文章を書いてみたいものです。
まさに、春のチン事、、、
気をつけます
春になると”季節の変わり目”には可笑しな奴も出てきます。
お譲さんの耳よくなってよかったですね。私は小さい時の中耳炎で右の聴力を失いました。最も70年以上も前の医学では仕方ないかも知れません。