しあわせのトンボ:川柳に見る夫の思秋期＝近藤勝重

毎日新聞　2013年11月08日　東京夕刊

　川柳ブームらしい。「シルバー川柳」など、川柳本の売れ行きで言うのではない。

選者をやらせてもらっているＴＢＳラジオの「時事川柳」や毎日新聞（大阪）の「健康川柳」（ＭＢＳラジオ「しあわせの五・七・五」と共催）への投句も年々増えている。

今やメディアで川柳のない方が珍しいのではなかろうか。

　「健康川柳」では女性の投句が目立ってきた。

センガール（川柳を詠む女性）という言葉まで耳にするこのごろである。川柳が生活感覚に富んでいることや、ざっくばらんな表現なのが主婦らの創作意欲をかきたてているようだ。

　男性陣は定年後に始めたという人も含んで、安定した存在感を示している。自らの恐妻ぶりを詠んでみせるのも彼らである。こんな句だ。（作者名省略）

　犬に言うように俺にも言ってくれ

　妻の目のとどく範囲で生かされて

　恐妻川柳には「本当にそうなの」「夫の方が偉そうにしているのに」といった女性サイドの声を聞かないでもないが、一番笑わせてくれるネタではある。

　さて、そんな折、こんな川柳をいただいた。

　妻ネタは仲が悪けりゃ書けやせぬ

　要は妻を恐れていたらネタにすることなど、できないはずだというわけで、そうか、なるほどと思わせられる作品だ。

　一方で女性陣は、長年連れ添った夫をネタに胸の内を吐露する句が達者だ。

　好きだった頃もあるからまぁいいか

　どうであれ私の選んだ夫です

　いずれにしても川柳ネタのトップは夫婦のありようで、それは当分揺るぎそうもない。かつ、その夫婦も、微妙なゆらぎを秘めている印象だ。夫に、こんな句もある。

　温もりが便座に有って妻にない

　秋が深まると、すべて冷え冷えとして感じられる。

それは心境にも及んでいるのだろうか。昔、「妻たちの思秋期」という本が話題になったが、川柳の世界では「夫たちの思秋期」に移行の気配もある。

いや、夫婦共に「思秋期」か。（専門編集委員）

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つぶやき・ぼやき

　人生冬景色？　歳を取ると寒さがもろに身体にこたえてくる。　部屋の空調設定温度で「争いの季節」がやってきた。　

「おい　温度を下げる時は俺に断れ！」　「・・・・・・」

「また（設定温度）下げたな？」　急に寒気がしてきてカミさんに怒鳴る。

「おい　俺を殺す気か？」　室温を下げられると身体がかなり冷えてから気が付く。

まさに家の中でサバイバル？　やはり暑い・暑い・・・と言っている夏がいい。

然し　猛烈な暑い夏の日は「冬がいいね」・・・など勝手なことを言う爺でもある。　

今朝はなんだか部屋が肌寒い・・・・暖房器を見ると設定温度が２５度になっていた。今朝は珍しくカミさんが早起きをして居間に居た。　黙って設定温度を何時もの２７度に上げた。

外気温　１３度　外は寒く空は薄曇りである。　　午前　６時　　　

天気予報図に「雪だるま」の記号が見えてきた。北海道・日本海側・・・日ごとに「雪だるま」の数が増えて行く。　

争えど　反応のない　不気味さよ　　　　　osamu

椅子に置く電気座布団でも買ってくるか？足元には電気コタツはあるが椅子には尻を暖めるものがない。便座だけでは寂しいね。　

還り見れば酔生夢死か？