あの頃は激動の時代だったのだな～ァ

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あの頃とは昭和３０年代のことである。

学生時代卒論の実験をしている我々の隣の実験室では「重量コンクリート」の各種実験をしていた。　この「重量コンクリート」とは原発炉を包む建物の放射線防御コンクリートである。

シリンダー　一本が我々が扱うシリンダ－の数倍の重さがある。コンクリートの骨材が鉄鉱石のようだった。　養生の水槽からだして実験機まで運ぶのさえ大変だったようだ。破壊実験も破壊した瞬間の衝撃も凄いものだった。水セメント比もスランプ値も全く違う。

このコンクリートは厚さは４０ｃｍ　以上の壁になるらしい？　当事者でないので詳しいことはわからなかったが普通建物に使う壁厚は１５ｃｍ床も１５ｃｍ　使用基準が全くちがう。

それだけでない担当同僚の話では「もつのは１０年だぜ」とも言っていた。

「この凄いコンクリートが１０年しかもたないなんて・・・一体全体　原発って何だい？」と言う不気味な恐れさえあった。放射線もろくに知らない者の無知というべきか？

一方　実験室の外では渋谷駅前に確か？日本初めてと言う構造が全溶接と言うビルも建設された。今もあるかな？　また　かの新宿のコマ劇場のカンティリバー（跳出し梁）も話題になっていた。

有楽町だったかの日航ホテル（竹中工務店）の地下施工方法も当時としては最大規模の「潜函工法」が採用され　その緻密な計画が話題になった。

「まもなく沈下がはじまります。皆さん退避してください」のアナウンスがあり作業員のいない建物の地下が地下に設置されたカメラにより静かに沈む建物の様子を映し出す。

この様子を見た我々はほんとに驚いたものだ。　

建研でみたか？どこで見たかは忘れてしまったが・・・日々進化する建設業界の姿は今でも驚きも連続だったが・・・まさに「激動の時代」　の真ん中に私は居たのだと今頃　気が付く。

　当時はその時代の変化に気が付かず現場を見る機会さえ持たなかった。

やがて超高層ビルの曙となる　「霞ヶ関ビル」（鹿島建設）　の建設も始まる。この超高層ビルは２０階か？３０階くらいの時と２回くらい見学に行ったと思う。　

いずれわが社も・・・と思ったものだが・・・。

昭和３０年代　終りには新幹線もでき戦後の日本の夜明けとなる。

オリンピックも開催され・・・田舎のオヤジも三段跳びの故　織田幹雄　氏を通じて手にした入場券をもち社宅にいた私のところから一人会場に出かけたものだ。

一緒に行けなかったのが悔やまれるがオヤジは喜んでいたので救われたものだ。その後　父とともに東京の織田選手のお家に伺い礼をのべて辞去した。　

私にとっても激動の昭和３０年代だったようだ。

８０歳を過ぎ年末にふと４０年も昔のことに気を奪われる。

今朝の寒さも厳しい。部屋は暖かいが外に出る気がしない。

きょうは太極拳の「忘年会」の日でもある。また　太極拳を始めたころの回顧録のお喋りが会員の間で始まるかも？　

私の太極拳歴も２０年を数年を越えた。　　

お断り　ただただ記憶に辿り書いたので若しも勘違いや間違いがあれば先にお詫びしておきます。　近頃は調べるのも億劫になりもともとズボラだったのが　その度合いを増し・・・呆けも加わりました。　よろしくご寛容のほど・・・・・。

還り見れば酔生夢死か？