余録:「三国志演義」で曹操が牢に押し込めたはずの…
毎日新聞 2015年06月25日 00時08分(最終更新 06月25日 00時08分)
「三国志演義(さんごくしえんぎ)」で曹操(そうそう)が牢(ろう)に押し込めたはずの方士(ほうし)、左慈(さじ)は平然と王宮の酒宴に姿を現す。一同が驚く中、竜の絵から肝(きも)を取り出したり、水盤に牡丹(ぼたん)を咲かせたりする妖術を披露するうち、卓上の膾(なます)を見て「膾は松江(しょうこう)のスズキに限る」という
▲「千里も先のものをどう取ってこられるか」。曹操がいうと左慈は庭先の小さな池に釣り糸を垂らし、たちまち何十匹もの大きなスズキを釣り上げた。見ればそれらはみなエラが四つあるので知られる松江のスズキだった
▲左慈は峨眉山(がびさん)で30年間方術(ほうじゅつ)を修行したが、今では千里も万里も先から情報をごっそり釣り上げる術がある。ネットユーザーからパスワードなどをだまし取る詐欺は釣り(fishing)をもじってフィッシング(phishing)と呼ばれるが、その手口の進化もやまない
▲スマートフォンの電話番号だけで短い文面を送れるショートメッセージサービス(SMS)を使ったフィッシング詐欺が急増中という。銀行を装ってネットバンキングのパスワード更新を求めてくるもので、偽サイトに誘い込んでパスワードを入力させる手口である
▲今までのメールを使う手口に比べ、無差別に大量のスマホへ送りつけるのが特徴という。海外では以前からあったSMSによるフィッシングだが、こと悪知恵に国境はない。ちなみに盗んだパスワードなどによる銀行への不正アクセスの被害は昨年29億円にのぼった
▲こうなれば釣りというよりも投網(とあみ)のようだが、そうはネットの妖術師の好きにさせてはならない。銀行や情報セキュリティーの専門家のアドバイスに耳を傾け、悪意の釣り針をしかと見破りたい。
ソース: http://mainichi.jp/opinion/news/20150625k0000m070129000c.html
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つぶやき
確かにハッキング・フイッシュイング 等 ネットの世界では素人にはわからない高等で卑劣な手段があるようだ。私など怖くてメールくらいしかできないが、それでも知らない方からのメールは即 削除の手段を取っているが次々に新手の手法が出て対応に苦しむ。
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