ギッコン・バッコン

体重が増え膝に負担がかかる所為か歩くのに膝が痛み歩く毎に身体が左右に揺れる。

いや、太った身体を揺らして歩かないと膝の痛みがひどく歩き辛い。

そのような訳で最近はとみに歩くことが少なくなった。

これでは悪循環である。

気持ちは歩かねば・・・と常に思うのだが、それが難しい。

つい、車に乗り用事を済ませてしまう。

座るだけで走り、目的地への時間も掛からない。

便利な事は身体を退化させるようだ。

とは言うものの、我家の、この坂道は電動自転車でも辛い。

この自転車でも息が切れる。

以前、この山の頂上に私立高校があり、その高校生は平気で普通の自転車でスイ・スイと坂を漕いで登るのをよく見たが若いということは凄いものと感じた。

今の私の身体は「ねんりんピック」の全国大会に出るために週に２～３回一日６～８時間の凄い練習をしていた１０年前には考えも付かない足腰の衰えである。

太極拳で足は充分過ぎるくらい鍛えられていたのだ、が今は様（ザマ）はない。

当時は水泳でも私の泳ぐ時の足の強さは、よく目に付いたらしい。

友人から「あんたの足のキックは強い！」と言われたものだ。

今は、そのようなことを言う方はいない。

スッカリ、バタ足は錆付いてピシャ・ピシャ・ピッチャンだ。

太極拳も足腰を鍛えるためだったが今は痛む膝を庇うために太極拳の姿勢が悪い。

自分でもよく分かっているのだが、何しろ膝の痛さには負ける。

それでも太極拳は続けているが膝の痛みは変わらない。

歩いて治す以外に方法はないようだ。

近くの用事は車に乗らずに歩こう！と何度思ったことか？

マス・マス足は弱って来た。

近くのお店と言っても何れも少しの時間（歩いて約１０分）は掛かるが坂道である。

肝心のパソコン関係のお店は車で１０～１５分掛かる。

歩けばゆうに小一時間はかかる。

とても今の私に歩いて行ける距離でない。

痛む膝を治したい！されど、この膝の痛さに負けている。

かみさんは

「あんた、食べすぎだよ！」と怒る。

「なに言ってんだ。沢山食べさせているのはお前だ」

責任のなすりあいだ！どちらに責任があるのだろう？

自分ではよく知っているが、そのように言わずには居れないくそ爺だ！

「せめて夜９時を過ぎたらおやつは食べないで・・・」

カミさんの言葉が身に沁みる。

然し、つい、キャンデイなど口にする。

意志の弱い我輩である。

近頃は冷蔵庫に近づくと

「あんた～・・・」とカミさんの声がする。

寝付いても耳に聞こえるようだ？

冷蔵庫がダメなら仏壇だ。

カミさんが居間に居る時にそ～ォと仏壇の扉を開けているくそ爺だ！

そして毎日ギッコン・バッコンと家の中を歩いている。

この歳になっても亡き両親の脛を、いやお供えを齧っている