安倍首相の総裁選挙で支持の署名、誓約書取りが話題になっているがせこいことだ。
総裁選挙が公選法に基づいているとは思わないが、公選法では、支持を表明する署名を求める、支持をしないことの署名も同様、で違法になる。《署名運動の禁止》
「何人も、選挙に開し、投票を得もしくは得しめ又は得しめない目的をもって、選挙人に対し署名運動をすることができない」(138条の2)
これは、戸別訪問の禁止等の脱法行為として署名運動がなされるおそれが少くないとして昭和27年に新設された。名目の如何を問わないので、後援会への加入を進めるためであっても、「選挙に関し」、「投票を得る目的」による場合と認められるときは該当する。実際に署名したことまでは要件ではないので、署名を求める行為だけて該当することになる。用紙が白紙であり、候補者の名は明記されておらなくても、「選挙に関し」「投票を得る目的」をもって行ったと認められれば、署名運動にあたるとの高裁判例がある。
ただし「選挙に関し」「投票を得る目的」については具体的事例で判断される他ないのであり、その選挙で争点となっている、例えば学校給食の問題に関する署名運動が直ちに違反にあたるとは限らない。
また、「選挙人」とは当該選挙区の選挙人(有権者)のことであるから、別の選挙区の有権者に対する署名活動は違法にはあたらない。公選法解説から引用しました。