大島恵真(おおしま・えま)の日記

児童文学作家・大島恵真の著作、近況を紹介します。
絵本作家・大島理惠の「いろえんぴつの鳥絵日記」もこちらです。

一月は父の命日誕生日 2025.0201

2025年02月01日 | 個人的なエッセイ
1月は父の命日と誕生日がありました。
父が生まれた日の祖母の顔を想像してみました。
喜びにあふれていたんじゃないかな、と思いました。

『107小節目から』(講談社児童文学新人賞佳作入選作品)は、「おばあちゃん」が登場します。フィクションですが、モデルは、祖母でした。

現実の私の父は祖母を憎み嫌っており、それは私には苦しみでした。
なぜあそこまで実の母親を憎むのかわからない、という関係性でした。
父は長男で、父以外のきょうだいの人たちはふつうの関係性を築いていたので(たぶん)、父が一人で特殊だったのです。
その要因のひとつが自分なりに推測できたのは、母が5年前に亡くなり、実家を整理していたときに見つけた父の通知表でした。

父は昭和とともに生まれた人なので、戦前の通知表です。
先生からの通信欄に「女性的にやさしいところがあります」と書かれていました。
今、私なら「よいこと」だと思いますが、戦争に突き進む時代でしたので、それは好ましくない要素だったのかもしれません。
祖母の返事は、詳しくは忘れてしまいましたが、「申し訳ありません、家できちんと……」うんぬんと、先生にひたすら謝るものでした。

父は、祖母に受け入れてほしかったのでしょうか?
父が女性的にやさしいところがあったのは、祖母を思う気持ちだったのか?
そんなことを思いました。推測ですので、なんとも言えませんが。

私の家では、母と祖母の関係はよく、父という荒れる人からお互いを守るような関係でした。
それも、父には孤独の要素だったのかな。
思春期には私も父に反抗し、大学進学を反対され、けんかをし、結果的に家を捨てるようにして東京に出ました。

父の命日の二日後が父の誕生日です。
父が生まれた日、祖母は父を抱いて、幸せそうにほほえんでいたに違いない…、
と私が思うことで、少しでも父の供養になれば、うれしいと思います。
お誕生日おめでとう、お父さん!
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