おしらべ日記

能管 小鼓 弓道 クラシックギター フレブル粂 そして彦
歳をとるのも悪くないと思える人生作り

加賀宝生vs 京金剛◆妻戸◆雷電

2015年12月13日 | 
今日は楽しみにしていた、夢の共演

小鼓の相方と行ってきた!







宝生の雷電 vs 金剛の妻戸

菅公対決です( ̄▽ ̄)

宝生流の家元と金剛流の若宗家。




宝生流の雷電は明治以降に廃曲となり、改作された来殿の方が正式演目となったそうです。
金剛流の妻戸の方は、一度 妻戸が正式演目になり廃曲になった雷電、ところが再び雷電が正式演目になり妻戸が廃曲になりました。

雷電は、ゆる~く終わる来殿の後場と違って菅公が大暴れします。
金剛流の妻戸は、宝生流の来殿と同じでダンディ菅公(笑)に戻って早舞を舞います。




まずは金剛流の妻戸。

法会最終日の深夜、僧正の前に現れた菅公の亡霊。
昔語りをするうちに、時平に陥れられた無念さを語り出すところで怒りがメラメラ~と、、、でしょうか。
仏前の石榴を噛み砕き妻戸に吹き掛けると火焔となって炎があがりました。
あ、私 またそこらへん寝ちゃってました。
でもちゃんとメラメラ~あたりに目覚ましかかってたみたいに覚醒した(笑)
囃子も激しくなってくるので分かるのでしょうけど、調節が効くようになった私の舟漕ぎも成長してます(笑)

金剛流若宗家、声が素敵ですね~
立ち姿もスラリとしていて、美しい亡霊です。
その美しい亡霊が、カッ!!と石榴を私に向かって吹き掛けた!?、、、ような気持ちになりキャッ♪となりました。何故かまん様の三番叟で「君!」って指された(ように思えた)日のことを思い出す 懐かしい(笑)
金剛龍謹さん、六年前の薪御能での葵上で、照日の巫女だったのを見ました。
当時の感想文を見ると、雲に乗って現れた飛天のようだと感想をもったようです。
今も動きが綺麗~

中入りし、間狂言は宗彦さん。
品の良い神様の使い(笑)耳に心地よい語りでした。

後場はダンディ菅公に(笑)
狩衣姿でサラサラと舞う姿はとても華やかで付けた面もとても男前でした。
後ろ姿の細い腰元に、またまん様の陰陽師を思い出した(≧∇≦)
舞は早舞で、囃子方も京都から です。
滑らかな笛、きっちりきっちり刻まれる太鼓が気持ちよかった。
大鼓と小鼓も一つの楽器のよう、二つがきれいにハマってて心地よい。
小鼓のチの音の、静かな存在感に感動。先生がチは雨垂れのような音と以前言われたのが思い出されました。
いいなぁ~あんなチの音を出してみたい。
太鼓、大、小 が カン!カン!カン!カン!と打ち鳴らしクライマックスが近くなる所はこちらもどんどん高揚してきます。
そして、最高は
ジャーン!!
と、鳴る訳ではありませんがそんな感じで、みながピタッと綺麗に決まり。凄く良かった。
うわあぁぁ( ´ ▽ `人 )って感じ。
素晴らしかったです。





次は雷電

菅公の登場、同じようなシチュエーションなのですが、別人のような菅公。いや、やってる人は別人なんですがね(笑)
同じ怨霊菅公でもやっぱり違います。宝生の菅公は後も怒ったままだと思って見ているからかもしれませんが。
橋掛りに現れた怨霊菅公、重い、暗い、冷たい、ズドーン、、、って感じ。
家元の演じる怨霊ってほんと怖いです(^_^;)
かじった石榴が炎となって怒りと共に吹き出す所は妻戸と同じ、で 中入りします。

こちらの間狂言は金沢の狂言方。
若い方で一所懸命さが伝わる。頑張れー!って感じで見てた。
だって何を言ってるのかハッキリと分からないから(笑)見る(聞く)ところがそう言う所になってしまうのを許してね( ̄▽ ̄)
最後の方、きっと後少しだよ~ってとこで一瞬詰まったように見えて、私が変な汗がちびっと出ました、もはや母心か?

後場
揚げ幕の中から足拍子が聞こえてきた。
おお!怒っちょる怒っちょる(≧∇≦)
そして、私のお腹にも雷電が、ゴゴゴゴゴゴ、、、と。
朝からお腹の調子が悪くゴルゴル言ってたのですが。
でも下り特急な気配はなかったので(汚いですな)ちょっと煩かったけどこちらの菅公はほっときました(笑)

赤頭の怒りの怨霊菅公。
先ほどまでのオドロオドロした陰鬱さはありません。
さっきより大きく見えるのも不思議~
カラッと元気な菅公(笑)キレが良くってカッコ良かったです。
江野先生の笛もキレキレで好きです。




終わりにトークがありました。
女性アナウンサーの「お二人ともイケメン!!」ってはしゃぎ気味。
ほんと!皆さんにも良く見てほしい!見所を回ってもらいたいほど!と、なかなかそこから食いついたまま離れなくて、お二方ちょっと苦笑気味で面白かった。
確かに家元、お痩せになったか?シュとした精悍な顔立ちになられたようにみえました。

最近記憶力が悪く肝心なことがうまく言葉にならず、こうやって文書にしようと思っても出てこない(^_^;)

ただ、お二人とも オーラがあるなぁと。
溢れる若さとやる気と、良い自信とがキラキラと眩しかったです。

来年は?
「今年29なので、、、いやぁ考えたくないですね~」と、家元。
若宗家は27、だったかな?
「いいなぁーお若い!」と、また家元。
いやいやいや、見てるこちら側はたぶんお二方の倍は生きてる方々ばかりですから(笑)

先代の家元に稽古をつけてもらったことがないという宝生流家元。
先生が何人かいらっしゃって、教え方も求めることもそれぞれで。
でもそのそれぞれを出来るように稽古されるそうです。
これは良い、これはいらない、ではなく。
そうする事によって自分の引き出しが増える、と。
弓道と一緒だなぁと思いました。
引き出し、大事!!






楽しい舞台でした。
また企画してほしいです。
.
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 羽曳 | トップ | お隣りの道場離れ »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ひめさん)
2015-12-16 16:33:15
こんにちは~
この企画面白そうですね

出演者さんの水面下での競争意識なんかもあるのかな・・・(^^)

「妻戸」は金剛さん、京都からお囃子お呼びになったんですね
左鴻さんは先生のお弟子さんなんで、
やっぱり笛、似ていると思うのですよ~

ところで一声・・・先生にお願いして教えていただこうかな(^^♪
返信する
ひめさん (ミロク)
2015-12-17 09:09:44
面白かったです!
ひめさんは謡も仕舞もやってらっしゃるから、見比べはもっともっと面白いと思います。
謡 宝生
舞 観世
かと思っていましたが、トークで「舞 金剛」と言われてましたが、ほんと 優雅で華やかな早舞でした。
一つの動きの中に型が連続してあるそうですね。だからかなぁ~流麗な感じ。
そしてお姿涼しげな若宗家だったから尚更か?(笑)なので、後場は金剛が面白かった!
けど、前場は宝生の押してくるような重厚な雰囲気のが好きです( ´ ▽ ` )
なので、二味楽しめた感があってお得な気分でしたよ~

対抗意識はあるそうです(笑)
お互いアウェー感がやっぱりあるそうで(こんな企画を何度かされてるそうです)
それがまた良いプレッシャーと励みになる みたいな。
そんなお話をされるお二人は、とても素敵でした。
とくに
黒紋付袴は、袴フェチにはたまりませんです はい(けっきょくソレ 笑)

一声 良いですね~ほんと吹いてて気持ち良いです。
ただ本番にそんな余裕があるのか、、、
ない、な(笑)

ひめさんも稽古つけて頂けると良いですね~。
次回の杉会に、、、どうでしょう?( ̄▽ ̄)
返信する

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事