1.はじめに
--津本陽『信長影絵』より
広い世界を知り、自己中(天動説)を排して、広い世界についての知識を運用すること。
世界(社会)を客観的に理解し、その知識に基づいて人間関係を再構築し
社会に新しい価値を提供する(主体的に生きる)とは
(リ-ダ-の意識世界とそれを生み出す行動について考える。)
信長は、弟の信行のように傅役(もりやく)のすすめるままに学問にはげみ、
礼儀をわきまえ、足軽、荒子(あらしこ)のような下人のやからとは口もきかず、
城外へでるときは騎馬侍衆にとりまかれる生活をしていると、
変事が起こったとき対応する才覚が養われないと思っていた。
信長は家来たちの言動を、常に注意深く見ていた。
町人、百姓の暮らし向きも知っている。
諸国からやってきて過ぎていく旅人たちが泊る辻堂にも足を止め、彼らの話を聞く。
木曽川とその支流に蟠居(ばんきょ)する、川並衆と呼ばれる野武士とも言葉を交わした。
そのため、信長は信行とまったくちがう世間智を得ていた。
2.本年度の 中小企業家経営塾 大連 学生海外派遣 の キ-ワ-ド
世界経済グロ-バル化の折り返し地点
知識運用能力(コミュニケ-ション能力)
人生の転換 …… 受益から貢献( take から give )へ
3.世界経済グロ-バル化の新しい段階 と 折り返し地点
経済のグロ-バル化とは、世界経済の国境を超えた一体化、統合、ボ-ダレス化のこと
経済のグロ-バル化によって何が進んだのか? …… 図表等ご参照
歴史的転換期にある世界経済/中国経済の動向(内閣府『世界経済の潮流 2011 ①』)
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2011/0617sekai111shiryou1-03.pdf (3P~4P)
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2011/0617sekai111shiryou1-04.pdf (4P~5Pなど)
中国/日本の自動車生産/販売のデ-タ(藤樹ビジネス研究所)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~fujiki/chainaauto.pdf
http://www2s.biglobe.ne.jp/~fujiki/japanauto.pdf
世界と日本の粗鋼生産高の長期推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5500.html
2013.7.27 日本経済新聞「車海外生産 最高805万台」
http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGKDASDD260MP_W3A720C1TJ0000
「企業考察 事業環境の激変 アップルと鴻海精密工業」
世界経済の構造転換
→ 国家主導(開発独裁)型システムの転換
「改革は中央企業の唯一の活路である」
4.我が国と中国/アジアの関係を考える
戦後日本の歩みの意味するもの …… 日本国憲法 前文 より
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して
日本国民は、
ここから
第一章 天皇
第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
第三章 国民の権利及び義務
……………… と展開されることをどう認識するのか???
自由と民主主義/人権は、近代社会の普遍的価値であって、国家の内政事項ではないこと。
国家の下に社会があるのではなく、市民社会に立脚して近代国家が形成されること。
国境を超えた国民の交流/市民社会の価値観の共有の始まりと
私たちの社会のあり方に自信をもって、
国境を超えた経済連携(+市民社会の連携)の課題を、明確に理解する。
5.歴史的な転機=節目に立つ中国
・辛亥革命から次の100年、孫中山(孫文)の中華民国成立(清朝崩壊)から100年
1985年日清戦争、義和団運動の挫折、日露戦争などを介して辛亥革命へ、
ロシア革命から、国民党/共産党の関係をへて、中華人民共和国成立
冷戦、中ソ対立、文化大革命を介して、改革開放、グロ-バリズムと世界の生産センタ-へ
この中国/近代国家形成の100年をどう総括し、次に踏み出すのか。
・中国共産党第18回全国代表大会による習近平体制の成立と集団指導制の中国
とう小平の南巡講話(1992年)=改革開放の折り返し地点から20年
この経験をどう総括し、次の課題を明確化するのか?
・貧富の格差は(市場経済化によって)拡大しているのか …… 調和社会の建設とは ? ?
・日中国交正常化(1972年)40周年
・中国の夢(習近平)は、どこに収れんしていくのか???
6.大連市について
戦前 …… 1898年、三国干渉の代償として、ロシアが清から租借し、
傀儡政権「満州国」の一部ではない。 (↓ 東洋のパリ)
国内を超える近代都市形成を進めた。中国東北地域における開かれた知的拠点。
戦後 …… 中国における対日人材育成の拠点
改革開放も我が国との関係を基軸に進め、経済技術開発区の中心は日系企業が占める。
中国国内に外資系企業が初めて独資で進出したのが、
中国の地方自治体(地方政府)は、強い権限を持っており、その地域のGDPに責任を負う。
経済がバランスよく発展し、市民の政治意識が高いのも 大連市 の特徴。
7.今回の訪問先について
別紙参照。
1.読解力 …… 他者をどう理解するのか?
2.数学的リテラシ- ……
数値デ-タの意味を理解し、それを使って、世界(物事)を客観的に理解し、表現する能力
3.科学的リテラシ- ……
既存の観念、経験を超えて、現状改革のための新しい問題設定を進め、道筋を示す能力
Ⅱ.人生の転換 …… 受益から貢献( take から give )へ
豚 と 猪 と 人間
Ⅲ.新しい危機に直面する私たち
サブプライムバブル崩壊から始まった
「危機の5年(リ-マンショック/東北大震災)」が終わり
アベノミックスから危機に自らの足で踏み込む「新たな危機の5年」に
課題は見え始めたが、これに回答を与える国際秩序がこれからつくられる段階
ここに参画しない者に、大切なものが与えられることはない。
Ⅳ.グロ-バル化の時代の持続可能な地域社会の形成のために
経済のグロ-バル化の経験、そして、大震災が教えるもの
今回の海外学習の基本的な学習資料
我が国企業が、どのように現地化し、
経営理念とビジネスを定着し、中国の社会に何をもたらしてきたのか?
塙昭彦氏著『中国人のやる気はこうして引き出せ』
http://honto.jp/netstore/pd-book_25339536.html
マブチモータ-刊『マブチモーターの半世紀』
(大連マブチを中心に)
我が国を代表する企業の経営理念を学ぶ
橘川武郎・島田昌和編『進化の経営史』 第12章
経営の淵源とその進化……キヤノンのハイブリット・マネジメント・モデル
中小企業家経営塾 講義のおさらい
『第11期 中小企業家経営塾報告書 2012年度版』
第2講 大連豊安ビジネスコンサルタント 有限公司 馬艶 氏
「日本と中国の架け橋になりたい」
その他の参考資料
地域別貿易バランス(1995~2011/2012)
日本の人口の長期的推移(800年~2100年)についての図表
我が国の高齢化率の推移(1950年~2100年)についての図表
我が国の人口ピラミッドの変遷(1955年→2010年→2055年)