10月21日に開催された
都立高専交流委員会のレジメ を 公開させていただきます。
「8X8=64(ハッパ ロクジュウシ)の法則」 ??
駒沢大学の 吉田敬一 教授(中小企業論)が言われていることに
「8X8=64(ハッパ ロクジュウシ)の法則」があります。
本当は 0.8 X 0.8 = 0.64 ですが、
意味するところは
どんなに優秀な話し手でも、自分の話したいことの80%しか話せない。
どんなに優秀な聞き手でも、自分の聞いたことの80%しか理解しない。
理想的な話し手 と 理想的な聞き手 の 組み合わせ でも、
意思疎通は、64%しか進まない …… ということです。
高専交流会や同友会、企業関係者の意思疎通、
更に、同友会と学校、学校の先生方の意思疎通
この(+地域社会の様々なキ-マンの)交差点の中に、
地域社会を基盤とした産学連携、地域連携のプログラムがつくられていきます。
それぞれのテ-ブルでの相互発信的な議論や創意の積み上げのなかから
私たちの共通の目標、この目標を実現する道筋についての
産学連携、地域連携の
プロダクトイノベ-ション(製品開発) と
プロセスイノベ-ション(工程改革) の課題についての
共通の問題意識を形成していくことが問われているように思います。
10月21日(火) 都立高専交流委員会 18:30~ PiO E会議室
■ 本日の交流委員会の基本課題について
1.本年度の高専交流委員会の課題について
6月4日の「懇談会」に、
学校の新校長、副校長、教務主事以下の方にお集まりいただき、
24年前に交流を始めた双方のメンバ-、
その後の交流の道筋を創ってきた双方のメンバ-に
お集まりいただいた 私たち=同友会の目的 は、
交流の原点を生みだした考え方に立ち戻ると共に、
これまでの蓄積を踏まえ、
新しい環境の中で、次の一歩のための「仕切り直し」をすること。
2.現状認識について
新しい環境の中で、新しい可能性や、新しい人間関係の芽が生まれながらも、
「仕切り直し」 が軌道にのっておらず、
軋みや不協和音を伴いながら前へ進む努力を継続している。
3.前回の高専交流委員会の基本認識について
高専は交流メンバ-の端境期、学校改革=学校のカタチが変わっていく時期にあり、
これを 踏まえて、相互の問題を解決する発展的、能動的対応が必要であること。
これまでの蓄積を踏まえ、双方で、交流発展のための議論(アイディア)を積み上げ、
これを持ち寄ることにより、
交流発展のためのプログラムを生みだし、定着させていく必要があること。
4.本日の交流委員会の基本課題について
① 相互交流のネックをどのように打破していくか?
② 中小企業家経営塾 …… 7年、 インタ-ンシップ会社説明会 …… 3年
第1回学生海外派遣の実施 等々という、新しい蓄積を踏まえ、
これを発展させるための交流のプログラムをどうつくっていくのか?
必要なのは、企業のニ-ズと交流委員会の活動を結びつけ、
相互交流の理念を発展させてい くための具体的で、実務的な議論、アイディア
現状打破の道筋を生みだしていくための措置や方策、
このプロセスのマネ-ジメントをどうしていくのか? の議論。
■ 本日の議題について
1.この間の活動報告について (事務局より)
2.意見交換 (④ から 次項の現状打破の方策を中心に)
現状認識 + 今後の課題 …… 大切なのは、それをどう具体化していくのか?
① 交流の原点から学ぶもの
資料「都立高専交流の歴史」
↓
学科改組、新校舎建設と合わせた「工業教育センタ-」構想 等
↓
② 産学連携の制度化から、むしろ、始まった学校と同友会の行き違い
③ 「中小企業家経営塾」から地域連携の再生へ
④ 次の一歩をどう踏みだし、どう具体化していくのか?
現在、実施している交流のプログラムの問題点や発展の方向について
相互理解を深めるために、
また、企業のニ-ズと学校のニ-ズ、次世代の教育を結び、
これから取り組むべき課題についてのアイディア
3.交流と地域連携のネックを、どう打破していくのか?
4.「社会人基礎力」について
指示待ち人間ではなく「前に一歩踏みだす力」
マニュアル人間ではなく「考え抜く力」
一匹おおかみではなく「チ-ムで働く力」 が 「社会人基礎力」
産学連携による人材育成のプログラムを生みだす試みですが、
高専の学生(や我々の従業員)に最適の学習プログラムというだけではなく、
私たち経営者自身が学ぶべき能力。
学生、企業スタッフ、
そして、経営者自身や公的セクタ-で働く先生方の教育(自己学習)を結びつける
包括的な生涯教育のプログラムを
高専交流委員会 8~10月 活動報告 (10月21日 高専交流委員会)
8月22日 パンチ工業にて 中小企業家経営塾学生海外派遣 打合せ
(内田由美子 内田亨 田中、高専 中西 遠山)
8月31日~ 9月7日 パンチ工業大連工場他 学生2名派遣
(伊藤君 佐々木君、引率 同行 高専 中西 遠山)
9月11日 パンチ工業訪問。海外派遣受入お礼、現地のご報告
(内田由美子 高専 中西 遠山 学生)
東京同友会環境問題研究会
テンダ-テクノシンポジウム 講師派遣のお願い(内田由美子)
9月19日 高専校長 荒金氏訪問 打合せ(内田由美子 田中)
9月22日 都立高専交流委員会(大橋 久米 井上 菅沼 内田由美子 内田亨 田中)
PiO G会議室にて
9月24日 経営塾 第一講 打合せ。クマクラ㈱熊倉賢一氏
(内田由美子 内田亨 田中、高専 中西 若海)
10月 1日 21研世話人会
12月21研 高専 遠山恭司 先生を講師に研究会開催の打合せ(大橋 田中)
10月 3日 東京経営研究集会 EU/環境
『月刊中小企業家』記事掲載の打合せ進む(大橋 内田由美子 田中)
10月10日 経営塾 特別講義 by 西村尚元校長(菅沼 井上 笠井 内田由美子 内田亨 田中)
専攻科 インタ-ンシップ報告会(内田由美子 田中)
1.中小企業家経営塾の学生海外派遣は、
大変充実したものとなり、今後の課題が見えてきた。
現地の盤起工業(大連)有限公司による万全の受け入れにより、
海外派遣は、学生にとっても、引率・同行した先生方にとっても、
大変充実したものとなった。
冷戦終結後、世界経済が急拡大、中国(東アジア)が「世界の工場」となり、
ものづくりの国境を超えた「工程分業」が進展している。
ここに照応して、経営塾の受け手の学生にグロ-バルな感性を育てることが、
学生海外派遣の目的だったが、
大変、充実した内容になったことにより、
来年の準備のあり方を考える上でも、
今後の地域交流のあり方を、
製造業の環境変化や産業社会の変容を結びつけて考える上でも、
大きな教訓を得た。
ナショナルテクノポリスと言われた大田(東京城南地域)であるが
大企業の生産拠点が、地方へ → 海外へ と移転することにより
高付加価値化や特殊技術(ニッチ)化が進むことになったが、
ものづくりの全体像が見えにくくなった。
東アジアの地域連携、国境を超えた工程分業という
新しいものづくりの舞台と高専での教育を結びつけていく試みの積み上げが必要。
11月2日に報告会、
更に、12月の21研で遠山先生にご報告をいただき、総括や課題を深める。
2.9月19日 荒金善裕 校長 と 打ち合わせ
(学校改革の基本方向と双方での議論の積み上げについて)
校長先生より、以下のお話しがあった。
学生海外派遣の試みと内容が充実したものであったことを評価する。
入試倍率の低下などに危機意識をもっており、学校改革を進めたい。
インタ-ンシップについては、本科は選択科目だが、必修科目化の方向で検討したい。
来年4月、学校 企業 東京都 文科省等の関係者による「高専経営審議会」を立ち上げ、
今後の学校経営のあり方について議論を深めていく予定である。
学校の国際化は基本課題。
10月1日「国際交流室」を立ち上げ、海外校との相互留学の受け入れ、
英語のコミュニケ-ション能力等、国際化のための措置や方策を検討していく。
「社会人基礎力」プログラムの検討を始めており、
キ-マンといえる 横山征次 氏にお話しいただき、議論を深めている。
学生には、早い段階から目的意識を持って学習すること、実践的な動機づけが大切。
高専のカリキュラムは、6年単位に大きな見直しがあり、次は平成23年度。
このことを踏まえて、改革を具体化していきたい。
東京研究集会(EU視察報告)には、スケジュ-ル調整がつけば参加する。
内田 田中 よりは、
交流の組織的あり方について、また、交流のプログラムを具体化していくことについて
課題やアイディアを提示しながら意見交換をさせていただいた。
「社会人基礎力」プログラムについても、こちらからの提案についての校長先生のお話。
実りの多い意見交換であった。
校長先生には、
先生方の中で「今後の交流をどう発展させていくのか?」
具体的に議論を積み上げていただくようにお願いした。
3.9月22日 都立高専交流委員会
…… 双方での議論(アイディア)の積み上げと交流発展のプログラムを
高専は交流メンバ-の端境期、学校改革期にあり、いろいろの問題があることも事実だか
それを踏まえて、問題解決の発展的、能動的対応をしていくことが必要。
交流発展の議論(アイディア)を同友会と学校の双方で積み上げ、
交流発展のプログラムの具体化のためのプロセスマネ-ジメントを
共同で進めていくことが大切であること。
中小企業家経営塾学生海外派遣については、
報告会(11月2日)を踏まえて、21研で遠山先生にご報告をしていただく。
その際に、遠山先生にお願いするのは
大連訪問と合わせ、
先生が研究されているイタリアと日本の産業集積、経営課題の違いなどを踏まえ、
経済のグロ-バル化、オ-プン化とビジネスモデルなど
中小企業の経営課題について問題提起していただくこと。
交流発展のプログラム作成のために、
同友会企業のニ-ズと交流の課題を結びつけていくことが必要。
学校の基本的課題として、
地域社会のニ-ズに応え、そのプログラムを地域社会と共に創りあげる姿勢が必要。
次回の交流委員会では、
今後の交流を発展させるためのプログラムを具体的に議論していく。
4.「中小企業家経営塾」「インタ-ンシップ」など、
これまでの取り組みを踏まえた今後の課題のいくつかが提起された。
西村尚元校長の 中小企業家経営塾 特別講義(10月10日)では、
社会人基礎力 について問題提起していただく。
(指示待ち人間ではなく) 「前に一歩踏みだす力」、
(マニュアル人間ではなく) 「考え抜く力」
(一匹おおかみではなく) 「チ-ムで働く力」 が 「社会人基礎力」
産学連携による人材育成のプログラムを生みだす試みだが、
新校長による取り組みも進められつつある。
高専の学生(や我々の従業員)に最適の学習プログラムというだけではなく、
私たち自身が学ぶべき能力。
熊倉さんとの 経営塾講師打合せ (第1講) では、
これまでの取り組みを踏まえ、
企業の技術スタッフによる学生に対する技術教育に取り組むべきことについて、
強い提案があった。
交流の発展のためには企業のニ-ズを理解することが必要。
特に、企業の責任ある技術スタッフの教育の場として学生への講義を活用するとともに、
学生に対して目的意識と実践的課題をもった学習の場を提供する。
連続性をもった生涯学習のシステム化としてこの試みを位置づけていく。
本年度の経営塾の講師1名を東京同友会情産部会に依頼。
情産部会ではインタ-ンシップの取り組みも熱心。
企業と学校(学生)のニ-ズをよりよく結びつける取り組みの継続していくこと。
中小企業家経営塾 学生海外派遣 の総括も踏まえ、
会員(企業)と学校のニ-ズに応え、学生、企業スタッフ、
そして、経営者自身の教育(自己学習)を結びつける包括的プログラムの模索を
5.本年度のインタ-ンシップ実績、
テンダ-テクノシンポジウム、OTAふれあいフェスタ など
本年度のインタ-ンシップの実績は、16社 25名
(昨年は 17社 34名、一昨年は 12社 21名)
㈱大橋製作所 (4)、 サンリツオートメーション㈱ (1)、 ダイヤモンドメディア㈱ (3)、
㈱エム・ソフト (1)、㈱奈良機械製作所 (1)、 フィーサ㈱ (1)、 ㈱システム・サーキット・テック (1)、
㈱アメディア (1)、 ミクス㈱ (1)、㈱アイオイ・システム (3)、 ㈱ヒタチスプリング (2)、
ヒューマンシステム (1)、 ㈱京浜工業所 (1)、 ㈱レガーロ (1)
㈱日本コンピュータ開発 (2) 以上 本科 ㈱日本デジタル通信 (1) 以上 専攻科
学校長よりは、インタ-ンシップ必修化のお考えを、お聞きしています。
「テンダ-テクノシンポジウム」について(11月28日)
東京同友会環境問題研究会 向井氏の紹介により
㈱エコライズ(還元型滅菌炭化炉)大野氏に小講演を依頼。
「テンダ-テクノシンポジウム」は、
学内での議論を積み上げた上での問題提起がないことが不思議。
「OTAふれあいフェスタ」 (11月8日~9日) 出展 …… ご協力をお願い申し上げます。
本年は川崎ロボットは中止、首都大学東京から予算、学生のアルバイト料が出ることなど。
基本目的は高専の学校広報、
子ども連れの方々に広く学校を広報し、知名度を高めることが大切です。
学校には、このための実効ある方策について議論していただきたいと思います。
『月刊中小企業家』の記事掲載について、
6月4日の学校の先生方との懇談会の目的は、
交流の原点に立ち戻り、
これまでの蓄積を踏まえて、今後の相互交流の基点をつくることでしたが、
『月刊中小企業家』に掲載する「略年表」作成などで、
この意味が、改めて、見えてきたように思います。
総じて、
相互交流の「組織的ル-ル」を再構築し、明確化していくことこそ問われています。
(交流の原点、「社会人基礎能力」など、ご参照下さい。)
相互交流と地域連携を発展させるための「覚え書き」について
以下は、都立高専 荒金善裕 校長先生をご訪問し、
学校改革や今後の交流、地域連携の進め方について、
お話しをお聞きし、意見交換させていただいた際、
これからの交流のあり方について、
双方で、議論やアイディアを積み上げ、
発展的な関係、創造的なプロセスを生みだしていくことを目的に、
お渡しさせていただいたものです。
交流委員会の議論を踏まえ、改めて、公式の提案をさせていただきたいと考えています。
ご興味のおありの方に、ご笑覧いただけば幸いです。
* * * * * * * * *
平素より、大変お世話になります。
6月4日の「懇談会」では、
大変、有意義な意見交換の場を設けていただきまして有難うございます。
学校の組織や運営体制が大きく変わる中、
これまでの交流の積み上げを踏まえ、これを発展させ、
学生の皆さんと学校、地域の産業や企業にとって、より意義のあるものとしていくために、
これからの課題の何点かを整理してみたいと思います。
特に、同友会の公式見解という訳ではありません。
むしろ、地域交流のあり方、目指すべきものについての考え方、
交流(共同の事業)を発展させていくアイディアを自由に出し合い、
相互交流の目的や発展の方向についての
共通認識を創りあげていくことこそ大切であるよう思います。
「これからの相互交流を発展させるための覚え書き」は、
このための「たたき台」として書かせていただいたものです。
全体の構成は、
前段と後段に別れる
「1.交流についての基本認識と方向性の共有、共同事業のための共通認識の形成」において、
相互交流と地域連携が目指すべきものや現段階の「基本認識」について、
問題意識を述べさせていただきました。
「2.相互交流を発展させるためのアイディアを出しあい、
交流と地域連携発展の方向についてイメ-ジを共有する」
「3.相互交流をどのように発展させていくのか? 考え方と道筋について」
についての議論が、相互交流と地域連携を発展させる道筋となるように思います。
最後の「二つのご提案」では、
交流や地域連携で必要とされると思われる要素について述べさせていただきました。
大切なのは、
相互発信的に提案やアイディアを出しあい、議論と実践を積み上げにより、
今後の交流、地域連携のあり方を決していくことだろうと思います。
過去の同様の努力は、平成13年に行なわれた
『学科改組・新校舎(品川)完成記念座談会/都立高専の将来像-高専改革と地域交流』
(記念誌『21世紀を翔る』)をご参照いただければ幸いです。
私たちの交流が始まったのが1984年。
品川キャンパスでの新校舎建設、学科改組、総合科学交流センタ-開設を折り返し地点とする
産学連携、地域連携の取り組みも、
従来とは比べものにならないほど、広がりをもったものになっていると思います。
これまでの取り組みを総覧、再整理し、
新しいスタ-トラインへ向かう課題を明確にしていく時期に入りつつあるように思います。
その一助としていだければ幸いです。
これからの相互交流を発展させるための覚え書き
1.交流についての基本認識と方向性の共有、共同事業のための共通認識の形成
「懇談会」では、
双方の立場を乗り越えて、
地域社会における産学の新しい関係を生みだしていこうとする熱意こそが、
25年に及ぶ交流の原点にあることが、双方の関係者から話されました。
私たちの交流の原点を踏まえ、
大きな環境変化--グロ-バリズム(世界経済の一体化)や人口減少社会という
日本社会の大きな変容--が生みだすものについての認識を、日々、深めながら、
私たちが共同で取り組むべき中長期的課題課題を
明確化していくことが必要とされているように思います。
① 地域社会における人材育成のための産学協働のスキ-ムの定着、発展
・学校教育の課題についての協働、学生の皆さんに社会の視線が注がれる環境での学校教育
・「学校教育」と「社会人教育(企業内教育)」の連携のための産学協働のスキ-ムの定着、発展
② 産業技術を基盤とした研究機関(研究者集団)としての高専と地域の産業の連携
・産学による共同研究、共同開発や技術連携
地域産業のあの方と結びついてた研究課題設定等の産学協働のスキ-ムの定着、発展
③ 「地域社会に貢献する学校像」や
地域社会での、地域の教育機関のより創造的役割を開発していくための共同の取り組み
・地域社会に貢献する学校像 と 地域社会に貢献する企業像
・地域社会での「学校」のあり方に、より、創造的な役割設定を
④ 上記の目的のための より広汎な地域プラットフォ-ム の形成
全体としては、
「上からの改革」から、
「教育現場や地域社会に根ざした改革」へと改革を深化させていく新しい段階へと入り
これまでの地域連携の積み上げの上に、
分権型の改革に踏み込んでいくことが可能になり始め、
そのための中長期的課題を明確にしていくことが必要とされているように思います。
自立した人間をつくる社会基盤を生みだし、
この自立した人間をつくる社会基盤に立脚して、
地域社会や学校教育を運営していく
地域連携のスキ-ムづくりが可能になり始めていると思います。
産学連携は、
企業が自らの要求を一方的に押しつけることでも
行政(文部科学省や経済産業省)のスキ-ムを一方的に持ち込むことでもないでしょう。
企画・計画の段階から産学(+その他の地域の公共セクタ-)が、
共同で事業をたちあげてこそ、
地域社会に立脚した産学連携(企業の考え方でいえば、市場志向)になりますし
地域社会や地域の産業全体と連動し、これを揺り動かしていく仕組み作りが必要であると思います。
(以下も含め、同友会よりの提案というより、
これからの課題について
イメ-ジをより明確し、共同の議論を生みだしていくために書いたものです。)
2.相互交流を発展させるためのアイディアを出しあい、
交流と地域連携発展の方向についてイメ-ジを共有する。
これまでの経験を踏まえると共に、様々なアイディアを出しあい、
目指すべきものへのイメ-ジを共有する。
そこから、改めて、現状認識に立ち戻り、
手順、段取り、全体の見取り図作成や足場作りをしていくために
A これまでの活動の継続 → 発展について (アイディア)
・インタ-ンシップ と インタ-ンシップ会社説明会 について
3年間に渡って行なわれてきた「インタ-ンシップ会社説明会」の取り組みをより公式のものに
「インタ-ンシップ会社説明会」を、現在の変則的な時間帯ではなく、通常の「授業時間」に
本科のインタ-ンシップを「必修化」するためのスキ-ムづくり
企業を交えた反省会(発表会ではなく)、
専攻科の「卒業研究の課題発見」を軌道に乗せるための相互協力
長期インタ-ンシップの取り組み(高専改革検討委員会報告書) 等々
・中小企業家経営塾
「中小企業家経営塾」は、企業経営者がボランティアで講師を引き受けるともに
5回の講義の企画を私共が行い、遠山先生の万全の準備が結びつき
地域と学校が共同で運営している授業となり、従来にない試みとなります。
この従来にない試みを発展させていくことを前提に
社会における企業のあり方について、
より、広く学生に学んでいただくスキ-ムを必要であると思います。
多くの学生に参加していただき、企業経営者の生の声を聞いていだく機会とするとともに
中小企業家経営塾についての学生の認知度を高めために
本年度の5回のうち1回を、「公開講義」化する(運営については遠山先生に要相談)
(この際、前段に「海外派遣」の報告を行なうことも検討)
必修か、それに近いカリキュラム編成の検討
企業人による全学的、または、全学年的(5年間で1回転する課題設定など)講義 等
・大田ふれあいフェスタへの取り組みについて(サッカ-ロボット「出展」)
大田ふれあいフェスタは、2日間で、20~30万人の人が集まる大田区最大のイベント
当初は、同友会を中心に、学校にご協力いだきました。
昨年よりは、学校による地域広報事業の位置づけとなり、同友会が協力させていただいております。
(共同で参加申込み)
子ども連れの方の参加が多いのも特徴です。
ご協力させていただききますので、
より、準備された学校広報の機会として、ご利用いただければと思います。
・進路選択をひかえた学生と企業の懇談会の継続について
昨年は、遠山先生が4年生の担任であったことにより遠山先生のクラス+αで開催。
企業よりは、10名程度が参加し、会社の宣伝をせずに学生の皆さんの相談にのりました。
企業、学生の双方に、大変、インパクトがありました。これを継続していくスキ-ムをつくれるか?
社会で働くとはどういうことか?
学生の皆さんが考えている企業像と実際に企業が社会で果している役割のちがいについて
もう少し、理解を深めて進路選択に当たっていただければと思います。
将来は、企業の声を直接、聞いていただくと言う意味で
「地元企業会社説明会」などを考えることもできると思います。
・中小企業家経営塾「学生海外派遣」について
中小企業家経営塾「学生海外派遣」は、
海外ビジネスが話題に上る経営者の講義に、
学生が、必ずしも、実感をもって反応できていない、
企業経営や地域の産業のグロ-バルな工程分業に対応して、
授業の受け手のグロ-バルな感性育成を授業の中に組み込むことを目的に発案され、
現在のスキ-ムがつくられたものです。
基本的な位置づけを明確化すると共に、
より発展的なやり方が検討されていくべきものだと思います。
「中小企業家経営塾」の今後のあり方や
カリキュラムや学校運営の「国際化」の中で、
新しい位置づけが、再検討されていくべきものと思われます。
B これから取り組むことが可能なテ-マについて (アイディア)
・高専の先生方による企業訪問
企業の取り組んでいる課題に、企業の現場で接していただくことにより相互理解を深め
交流・連携のあり方や可能性についての共通認識を形成する。
・企業の学校訪問(高専や研究室などの見学会)
・学生の工場見学や企業訪問
1~2年生の早い段階で、学生の地域企業訪問をカリキュラムに組み込む
夏休みなどを利用した小グル-プでの企業訪問
ロボコン等、クラブ活動のメンバ-と企業の交流
・同友会の例会、学校や先生方の研究会、高専の対外事業への相互訪問
・先生方と企業の双方を講師とした「技術研究会」
これも過去に経験があります。先生方の研究課題と企業の技術課題を出し合って
あるいは、例えば、設計やメカトロ等、もっと基礎的な部分の基本と運用をめぐって勉強会など
・学校を基盤にした社会人教育、技術者の生涯教育の取り組み
高専を活用した若手技術者育成講座などの取り組みは、大変有意義なものだと思います。
無償の時期が終わった段階で、この試みを発展させていくための
企画段階から企業が参加した共同運営のスキ-ムなど。
・企業関係者を加えた授業の共同設計
現在は行なわれていませんが、
かっては、同友会企業が講師を務めて、メカトロ等の授業をしていたことがあります。
企業による講師に限らず
学生の皆さんに、早い段階から自らが学ぶ技術が社会でどのように使われているか?
理解していただくことを組み込んだカリキュラム編成の検討などができると思います。
・共同研究、共同開発への取り組み
従来は、受託研究などのスキ-ムが上手く廻りませんでしたが、新体制では ……
企業よりの資金供与により、研究開発をしていだく場合のスキ-ムは?
企業よりの研究生や専攻科などへの短期研修生等の派遣
本科、専攻科での卒業研究への企業よりの課題提供 など
・より広いディスカッションの場や研究会の設定
教育、企業、地域の産業や地域社会、世界と日本、日本社会の変容等、
私たちが直面している大きな環境変化のなかで
それぞれが直面している課題を出しあい、これからの交流の課題を明確にしていく。
下記、これからの相互交流を発展させるための覚え書き その2 へ続く
http://blog.goo.ne.jp/ota-doyu-kosen/e/8d0abfd53d8aed0f78c932e7f75d5e08
相互交流と地域連携を発展させるための「覚え書き」について その2
下記の 続き となります。
http://blog.goo.ne.jp/ota-doyu-kosen/e/ab2338320e8f93ba46222f74c7757675
4.次の一歩を踏みだすために …… 2つの ご提案
A 高等専門学校の基本的あり方や社会で果すべき役割は??
学科改組から新校舎建設へ、両高専の統合から専攻科や大学院設置へ、
独立行政法人化、民間人校長赴任へと「改革」は進みます。
ところが、
高等専門学校の基本的役割についての社会的(対外的)認識は深まっているでしょうか?
充分ではないように思います。
高専の教育と社会的役割は??
例えば、大学の教授陣と変わらない教員集団により、
後期中等教育の学生が学べる教育機関は他にはないと思います。
こうしたことは、社会に知られていないと思います。
高専は教育機関? それとも、研究機関??
この両者をどう両立させ、バランスさせようとしているのでしょうか?
この二つの点について、地域社会(地域の産業)との関係は、どう位置づけられているのか?
本科と専攻科の関係について
私たちは、専攻科は「大学3~4年部分」などと説明しますが
このような説明は、余りにも「通俗的」だと思います。
専攻科の役割を、
より積極的なものへと位置づけ直していく必要があるのではないでしょうか?
(上記の観点[教育機関/研究機関/地域の産業との関係]からは?)
産業技術を基盤とした専門教育機関(研究者集団)として、
次の時代の課題をどう認識しているのか?
学校の現状をどう認識し、どこからどこへ改革を進めようとしているのか?
相互理解は、私たちが交流・連携を進めていく上でも大切なことですが
決して、解りやすい説明がなされているとは言えないように思います。
これらの点について、明確なメッセ-ジが発信され、
学校の先生方の発言や行動が、
学校の基本的考え方から、
脈絡をもって説明可能なものになることが大切であろうと思います。
貴校が新体制へと移行したことにより、その基盤整備が進められていると考えますが
どこかで、
新高専の人材育成や研究者集団が目指すものについて
地域に「お披露目」する会合を持つことは考えられないでしょうか?
B 「社会人基礎能力」の育成について
PISA=学力到達度調査(数学的リテラシ-、読解力、科学的リテラシ-)は、
「学校卒業後の人生と学びのために必要となる
知識と技能のしっかりとした基礎を若者に提供することにおいて
学校制度はどれだけ効果的であるか?」(『OECDファクトブック 2007年版』)
を調査するものといわれていますが、
同様の考え方に「社会人基礎能力」があります。
社会人が基礎的に備えておくべき能力、
学力や体力といった伝統的な能力とは別に、
社会に出ていく上で基礎となる能力があるとの考えから定義されたもので
その特徴は、教育機関と企業が共同でこのプログラムを開発していくことにあります。
そこで強調されているのは、
PISAが、結果の検証をであるとすると、
これらのリテラシ-を生みだし、運用していくための、より基盤的能力を要求することで
それが
(指示待ち人間ではなく)「前に一歩踏みだす力」
(マニュアル人間ではなく)「考え抜く力」
(一匹おおかみではなく)「チ-ムで働く力」として、集約されています。
(経済産業省編著『社会人基礎力の育成と評価~~将来のニッポンを支える若者があふれだす』
横山征次『紙飛行機が会議室を舞った~~人生を決める社会人基礎力』など)
さて、ここでご提案させていただきたいのは
「社会人基礎能力」の育成を基軸にした学校教育のプログラムのことではありません。
そうした課題を展望しつつ
まずは、私たち自身の「社会人基礎能力」を高めていくことです。
企業は「利益共同体」という一定のスキ-ムを共有しています。
同業団体や縦割型の組織では、得てして、「社会人基礎能力」はやり過ごされ
深く考えられることはありません。
ところが、
「産」「学」といった、異なったセクタ-が
地域社会の利益のために、共同の事業やプロジェクトを企画し
そのための共通のプラットフォ-ムを運営していく段階で問われるのは
この「社会人基礎能力」であるように思います。
亀のように固い甲羅にとじこもって首だけ出してお付き合いするようでは
(何かあったら、すぐに閉じこもってしまう甲羅を用意してお付き合いするようでは)
とっても、地域社会をベ-スにした産学連携のスキ-ムなど
つくれようはずもありません。
一歩前に踏みだし、考え抜き、チ-ムで働く …… とは
私たちの産学連携を成功裡に進めていくためにこそ必要とされている「基礎力」だと思います。
「社会人基礎力」のためのプロジェクトを、
共同で発進させることは可能ではないでしょうか?
まず、自らに適用し
更に、学生の皆さんに与えることのできる「系統だった何か」を生みだすために
盤起工業(大連)有限公司 2名の学生が海外インタ-ンシップで学習
クリックすると写真が大きくなります。
☆★☆☆ 都立高専交流委員会よりのお知らせ 2008.10.17 ☆☆★☆
本年度 中小企業家経営塾 第一講 (10月29日)
中小企業家経営塾 第1回 学生海外派遣 報告会 (11月2日) を
ご案内させていだきます。
多くの皆様にご参加いただけば幸いです。
10月29日 都立高専「中小企業家経営塾」 平成20年度 第1講
高専の学生諸君はリーダーを目指せ!
~~ 見えない時代にチャレンジだ!~~
講 師 株式会社 クマクラ 代表取締役 熊倉 賢一 氏
■ 日時 10月29日(水) 16時00分 ~ 18時00分
■ 場所 都立産技高専 西棟4F 物理化学講義室
http://www.metro-cit.ac.jp/general/map_sina.html
■ 参加お申し込み 下記よりお願い申し上げます。
http://www.tokyo.doyu.jp/tokyo-doyu/common/meeting.php?meeting_id=4495
・ リーダーの3つの目とは ・ ハイパフォ-マ-とは
・ 3種の人間 ・ やりきること ・ 情熱と挑戦
㈱クマクラは、
《共に育つ》を理念とし、《常に挑戦》を方針とする開発型企業。
精密部品加工の技術をコアに、
硬脆性材・難削材の微細加工システム、自在に海苔をカットする海苔切断機
卓上型微細加工専用機 等
多くの企業、大学、研究機関、学会などと連携、
製品や新技術の開発に力を入れ、
設計から加工・組立・電気・制御・ソフトを結びつける Total Engineering Company です。
http://www.mmjp.or.jp/kumakura/
「超音波加振水槽付きテ-ブル」で、
大田区中小企業 新製品・新技術 コンク-ル 最優秀賞 受賞(平成18年度)。
http://www.pio-ota.jp/award/concours/18/
「中小企業家経営塾」は、高専の学生への授業です。
ご配慮の上、ご聴講いだきますようお願い申し上げます。
11月 2日 中小企業家経営塾 第1回 学生海外派遣 報告会
中国・大連での海外学習の経験から
グロ-バル化する経済と人材育成の課題を求めて
■ 日時 11月2日(日) 11時00分 ~
■ 場所 都立産技高専 品川キャンパス 西棟2F 地域交流室・展示コ-ナ-
http://www.metro-cit.ac.jp/general/map_sina.html
■ 参加お申し込み 下記よりお願い申し上げます。
http://www.tokyo.doyu.jp/tokyo-doyu/common/meeting.php?meeting_id=4541
中小企業家経営塾「学生海外派遣」では、
多くの皆様のご協力をいただきまして、大変、有難うございます。
昨年度の受講生を対象とした第1回の「海外学習事業」には、
2名の成績優秀者 電子情報工学科4年 伊藤文成君、機械工学科4年 佐々木亮君を選抜、
8月31日~9月7日の日程で、最初の学生海外派遣が実現しました。
派遣先は中国・大連のパンチ工業㈱現地法人・盤起工業(大連)有限公司。
金型部品を製造するパンチ工業の
国内と中国(東莞・無錫)を結ぶ、従業員数1500名規模の戦略工場です。
現地では、万全の受入れ態勢を整えていただき、
関連企業を含む3日間のインタ-ンシップ、
金型メ-カ-4社(日系、現地、シンガポ-ル系)の見学、
大連の歴史、文化、商業施設等見学、従業員宿舎宿泊等と、
大変、充実したプログラムを組んでいただきました。
引率、同行していただいた2名の先生方にも、
大きなインパクトを与えるものになったようです。
今回は、学生を中心とする「報告会」を開催致します。
当日は高専祭(文化祭)となりますので、
この機会に、学校やロボコンなどの学生の活動をご見学いただけば幸いです。
← クリックすると大きくなります。
現地の担当者から説明を受ける佐々木さん(中央)と伊藤さん(右)
☆★☆☆ 都立高専交流委員会よりのお知らせ 2008.10.12 ☆☆★☆
日刊工業新聞に 学生海外派遣 の記事が掲載されました。
10月9日(木)の 日刊工業新聞 に
中小企業家経営塾 学生海外派遣 の記事が掲載されました。
ところが
東京中小企業家同友会大田支部(高専交流委員会)の文字も、
この 学生海外派遣 が、
地域の経営者の皆様の寄付によって実現した記載もありません。
どうやら、
記者が書いた記事のこの部分が、編集段階で抜け落ちてしまったようです。
下記の注釈をつけて、この記事を紹介させていただきます。
「中小企業家経営塾」は、
都立高専(品川キャンパス)のカリキュラム(経営学=選択科目)ですが
東京中小企業家同友会大田支部と学校が共同で立ち上げ、
地域の中小企業経営者の皆様のご協力を得て、共同で運営しているものです。
(平成14~15年度は、学生有志への塾[単位なし]として運営され、
以降も、有志学生の聴講を受入れています。)
また、
「中小企業家経営塾」の受講生から優秀者を選抜し、
海外学習の機会を与える「学生海外派遣」は、
地域産業や技術系企業のグロ-バル展開、グロ-バルな工程分業に照応した
受け手の学生の感性や授業環境のグロ-バル化を目的で始められたものです。
学校の先生方と私共の議論から生まれ
学校の同窓会よりの寄付、東京中小企業家同友会の支部予算、
私共の呼びかけに応えていただいた地域の企業、経営者の皆様の寄付による
「学生海外派遣基金」によるものであり
派遣母体は、この基金が設置された 財団法人 鮫洲会 となっています。
なお、
昨年度の「中小企業家経営塾」の報告書を学校よりいただいております。
ご希望の方にお送りさせていただきますので、
発送先明示の上、下記にご請求下さい。
(部数に限りがありますのでお早めにお願い申し上げます。)
gc-tanaka@mb.neweb.ne.jp
第一回「学生海外派遣」の報告会を開催致しますので、
ご参加いただけば幸いです。
中小企業家経営塾 第1回 学生海外派遣 報告会
■ 日時 11月2日(日) 11時00分~
■ 場所 都立産技高専 品川キャンパス 西棟2F 地域交流室・展示コ-ナ-
http://www.metro-cit.ac.jp/general/map_sina.html
海外学習に派遣した学生を中心に、報告会を開催致します。
前日より高専祭(文化祭)となりますので、この機会に、学校をご見学いただけば幸いです。
以下が、日刊工業新聞(2008.10.9)の記事となります。
都立産技高専 中国・大連にインタ-ン派遣
~ ~ 海 外 で モ ノ づ く り 経 験 ~ ~
東京都立産業技術高等専門学校が開校している「中小企業家経営塾」の受講生2人が
中国・大連の日系企業にインタ-ンシップに派遣された。
この講座は地元の経営者が講師となって
モノづくりの楽しみや苦労話、経営などを伝える「産学連携」の取り組み。
同校の前身である都立(工業)高専は京浜工業地帯にキャンパスがある土地柄、
地元のモノづくり中小企業と25年近くにわたり連携してきた経緯がある。
今回の海外派遣の成果には地元企業からも多くの期待が寄せられている。
* * * * * * * * *
日本から多くの製造業が中国に流失したため、
日本のモノづくりの原点が同国の日系企業にあるという理由から、
今回の海外派遣につながった。
打診を受けたプラスチック金型用部品製造などを手がける地元企業
「パンチ工業」(東京都港区)は、
中国・大連で展開している2工場での受け入れを快諾。
同社の佐藤衛総務部長は
「精度を高さはじめとする
日本のモノづくりの原点を知ってもらうために協力した」と話す。
派遣された学生は
機械工学科4年の佐々木亮治さんと電子情報工学科4年の伊藤文成さんの2人。
現地では3日間、就業体験を行なった。
旋盤を操り、社員寮で寝泊まりをした。
「工場の面積が大きく、設備もゆったりと置かれていた」(佐々木さん)
「(整理整頓などの)5S+1S、
つまりセキュリティ-を入れた6Sが徹底されていた」(伊藤さん)というのが感想。
2人が苦労したのは言葉の壁だったという。
佐々木さんは
「言葉がわからないからと尻込みせず、
もっと積極的にコミュニケ-ションをとるべきだった」と反省点を口にする。
来年、就職活動を控える2人。
佐々木さんは
「この経験でますます機械加工の仕事がしたいと思うようになった」と話し
プログラマ-志望の伊藤さんは
「幅広く知識を吸収することの重要性が学べた。将来は海外でも働いてみたい」と夢を語る。
09年も海外インタ-ンシップ派遣事業が決まっている。
引率した同校の遠山恭司准教授は、
「次回は出発前に中国語の勉強を第一に取り組みたい」と目標を語る。
☆★☆☆ 都立高専交流委員会よりのお知らせ 2008.10. 6 ☆☆★☆
10月10日(金)10時25分より 都立高専にて
「中小企業家経営塾」 特別講義 by 西村尚氏(都立高専元校長)
こ れ か ら の 産 業 社 会 と 人 材 育 成 の 課 題
~ ~ 社 会 人 基 礎 力 の 観 点 か ら ~ ~
本年度の講義を始めるにあたって ~~ 企業は高専卒業生に何を期待しているか
■ 日時 10月10日(金) 10時25分~12時05分(3~4時限)
■ 場所 都立産技高専 品川キャンパス 4階 合同講義室 (変更になりました)
http://www.metro-cit.ac.jp/general/map_sina.html
■ 講師 西村 尚 氏 (都立高専元校長)
■ 参加申込み 下記へご連絡の上、直接、会場へお出かけ下さい。
uchida@keihin-kogyo.co.jp (京浜工業所 内田由美子)
講師の 西村尚 氏は、「中小企業家経営塾」の立ち上げに尽力していただいた
当時の都立高専の校長先生(前々校長)。
各地域や企業との産学連携にも、多く、関与されています。
http://seeds.tmit.ac.jp/kyoin/0017.html
本年の春頃、大田区産業プラザで偶然お会いした際
「中小企業家経営塾」の冒頭で、問題提起をしたいという西村氏のリクエストがあり
今回の講義が実現したものです。
講義の課題は、産業社会を支える「社会人基礎力」。
これからの産業社会、企業経営と人材育成のあり方を結びつける
普遍的な内容となっていますので、
多くの方にご参加いただきたく、ご案内させていただきます。
社会人基礎力とは、
(指示待ち人間ではなく)「前に一歩踏みだす力」
(マニュアル人間ではなく)「考え抜く力」
(一匹おおかみではなく)「チ-ムで働く力」
本来、産学連携による教育改革の課題として進められてきたものです。
けれども、
社会人である私たち自身が、
まず、手にしなければならない能力であるようです。
企業の人材育成だけではなく、経営者のマネ-ジメントに欠かせない基盤能力です。
支部改革が一時の挫折をした私たちの組織運営を
本来のあり方に戻すためにも、欠かせない観点だと思います。
西村先生には、
「学生用の資料」と「企業経営者用の資料」の二つを用意し、
多面的な講義をしていただくことになりましたので、
多くの皆様にご参加いただきたく、ご案内申し上げます。
午後よりは、専攻科のインタ-ンシップ報告会となりますので、
合わせて、ご参加いただけば幸いです。
【社会人基礎力について】
http://www.bk1.jp/product/02733343
http://www.bk1.jp/product/02709340
http://www.bk1.jp/product/02694780
http://www.bk1.jp/product/02969152
http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.htm
都立高専が主催する
「専攻科 インタ-ンシップ 報告会」を合わせてご案内させていただきます。
都立高専 専攻科 インタ-ンシップ 報告会
■ 日時 10月10日(金) 13時00分~15時30分
■ 場所 都立産技高専 品川キャンパス 西棟3F 情報センタ-講義室
http://www.metro-cit.ac.jp/general/map_sina.html
専攻科(大学3~4年相当)の 夏季インタ-ンシップ 実施報告会です。
専攻科のインタ-ンシップの本来の目的は、卒業研究の課題発見となっています。
昨年の「報告会」では、
企業と高専教授の共同研究と学生のインタ-ンシップをリンクさせる試みも報告されておりました。
中小企業家経営塾 第1回 学生海外派遣 の ご報告
多くの皆様のご支援の下に実現した 中小企業家経営塾 第1回 学生海外派遣
「学生海外派遣基金」にご支援いだきました皆様
事前学習のプログラムを作成していただいた 遠山先生
お忙しい中、現地への引率、同行をしていただいた 遠山先生、中西先生
快く、2名の学生を受け入れ
万全の受け入れ態勢を整えていただいたパンチ工業㈱と大連工場の皆様
その他、多くの皆様のご協力により、
大変、充実したものになりました。
以下に、概要をご報告させていただきます。
【 目 的 】
・ グロ-バル課化する日本と企業のものづくりを理解させる。
・ 日本企業の海外経営の現場を知り、現地従業員とともに就業体験する。
・ 現地大手企業、現地資本企業、工学系教育機関を見学して実情を知る。
・ 中国の文化・歴史を学習し、日本文化についても深く学ぶ。
・ ビジネスマナ-や簡単な中国語を学習し、国際感覚・コミュニケ-ション能力を伸ばす。
【 派 遣 学 生 】
平成19年度の「中小企業家経営塾」で、成績優秀の2名
S君(機械工学科4年)、I君(電子情報工学科4年)
【 期 間 ・ 受 入 先 】
平成20年8月31日 ~ 平成20年9月7日
盤起工業(大連)有限公司 (パンチ工業㈱大連工場)
【 事 前 学 習 】
ミニゼミ(岩波新書などによる 歴史 経済 社会 産業 文化 満州 大連など)
入門学習書による中国語語学学習
同友会会員企業による事前レクチャ-(2回実施)
【 現 地 ス ケ ジ ュ - ル 】
8月31日(日) 現地到着
9月 2日(月) インタ-ンシップ 盤起工業(大連)有限公司 従業員宿舎に宿泊
9月 3日(火) インタ-ンシップ 盤起工業(大連)有限公司 と 関連企業 従業員宿舎に宿泊
9月 4日(水) インタ-ンシップ 盤起工業(瓦房店)有限公司 従業員宿舎に宿泊
9月 5日(木) 大連開発区企業見学 日系、現地系金型企業など4社
9月 6日(金) 歴史・文化・商業施設の見学
9月 7日(土) 自由行動日
9月 8日(日) 現地発
【 報 告 会 】
■ 日時 11月2日(日) 11時00分~
■ 場所 都立産技高専 西棟2F 地域交流室・展示コ-ナ-
http://www.pio-ota.jp/plaza/map.html
海外学習の機会を与えられた2名の学生と遠山研究室による報告会です。
11月1日(土)~2日(日)は、高専祭(文化祭)になります。
合わせて、ご見学いただけば幸いです。
(以上は、遠山恭司准教授のレジメなどによるものです。)
現地での実施状況については、
大田支部のメ-リングリストに配信した報告を転送させていただきます。
中小企業家経営塾 学生海外派遣 のご報告 No.4
都立高専 中小企業家経営塾 の 学生海外派遣
(パンチ工業 中国 大連工場他)
8月31日から9月7日までの日程が、大過なく終了し、
昨日、学生2名と「引率」の遠山先生、中西先生が帰国されました。
4名の方々を成田まで出向かいに伺いました。
現地では、
盤起(パンチ)工業 大連 有限公司 の皆様の、
考え抜かれた研修プログラムやサポ-ト体制により
学生の皆さんばかりではなく、
引率の先生方も、大変、充実した時間を過ごされたようです。
空港や帰りの電車の中でお聞きたお話しを、
「ご報告 No.4」 として、ご紹介させていただきます。
パンチ工業の戦略工場 盤起(大連)有限公司
盤起(パンチ)工業 大連 有限公司 は、従業員約1千名
金型部品を製造するパンチ工業にあって
現地の日系企業の需要に応えるだけではなく、
日本本社や
中国の無錫、東莞(広東省)工場に、
中間品、標準部品を供給する戦略工場です。
ものづくりの一連の工程を就業体験
3つの工場でのインタ-ンシップ(3日間)と
大連開発区での金型メ-カ-4社の見学
大連市内見学が一連のスケジュ-ルとなりましたが。
パンチ工業の工場で生産された金型部品が、
どのように、金型メ-カ-で製造工程に組み込まれていくのか?
学生が、就業体験を通して理解していくプログラムが作られていたようです。
生産拠点の地方や海外への移転が続いてきた首都圏の高専にとっては、
このような体験学習の機会自体が貴重なものであった …… と、
引率の中西先生が話されていました。
瓦房店工場 …… 中国最大のベアリング産業の集積地にて
大連開発区の二工場で就業体験をした2日間に続いて
3日目に訪れた大連市郊外の瓦房店(がぼうでん)は、
中国におけるベアリング産業発祥の地。
中国トップのベアリングメ-カ-・瓦房店軸承集団有限責任公司 他
多くの関連企業が立地し、
これを支える技術学校、技術(技能)者教育が整備されてきたところです。
大連に続いて、この地に第二工場を設けたパンチ工業の
適切な進出戦略が覗えるとのことでした。
日本人スタッフはゼロ …… 現地化する日系金型工場
3日間のインタ-ンシップを踏まえた
翌日の企業訪問で最初に訪れたのが、
大連開発区の従業員70名余りの日系金型メ-カ-
ところが、平成8年に設立されたこの現地法人には
すでに、日本スタッフがおりません。
日本企業の教育を受けた 中国人 総経理が、
中国人だけで「日本のものづくり」や
経営情報を従業員に開示する「硝子張り経営」を実践しています。
この会社には
中国の全国重点大学の一つであり、
地域のトップ技術者養成校である 大連理工大学 の 博士号取得者 が入社し
技術のレベルアップにも余念がありません。
最近は、
不況で仕事量が減っている本社に、現地から仕事を廻しているとのこと。
前日には、
東大の 藤本隆宏 教授も訪問していたとのことで
http://www.bk1.jp/product/02766896
http://www.bk1.jp/product/02455812
海外に、日本のものづくり経営が定着していくモデルケ-スを見るようです。
学生は、中国人ワ-カ-の宿舎に宿泊
最初のインタ-シップの3日間、
従業員宿舎に宿泊した2名の学生は
ク-ラ-のない宿舎で蚊に刺されたり、
即席の語学学習の成果を試して、中国人スタッフとの会話を試みたり
就業終了と共に、工場から町に繰りだしてくる
中国青年のエネルギ-に驚いたり(高度成長期の日本を想像したり)と
他では得られない経験をすることができたようです。
都立高専の卒業生が自販機メ-カ-の販売部門を立ち上げ
大連に進出している自動販売機の製造メ-カ-では
この地を製造拠点とするだけではなく
中国現地での自動販売機のマ-ケッティングを始めており
この販売会社のトップを、
まだ、30代の都立高専卒業生が務めています。
先生方は、この卒業生の訪問などにも、時間を使われていたようです。
中国経済で独自の地位を占める大連
広東省や上海の経済が、大きな曲がり角を迎える中
大連では、不動産価格も維持され
インテルの前工程工場の進出が決定
2012年ごろには完全稼働し、1万人が働く予定だとのことです。
中国では、最も早い段階から対外開放を進めた大連
上海や広東省のような爆発的な経済拡大が無かった分
高付加価値部門の産業集積が進められているようです。
市街も落ち着いた雰囲気が維持されており、
今後のこの地域のあり方に期待が寄せられます。
今回が初めての試みとなった「中小企業家経営塾・学生海外派遣」
パンチ工業本社と大連現地スタッフの皆様の絶大なるご支援により
大変、有意義なプログラムとなりました。
来年度には、就職を迎える学生のS君とI君、
「勉強になった!」と言っていただきましたが
社会に出ていく上で、
糧となる「何ものか」をつかんでいただけたのではないでしょうか?
学習と研究の舞台装置のグロ-バル化を!
ものづくりの工程分業 や サプライチェ-ン が
国境を超えて展開される21世紀、
学生の皆さんには、
このことを実感していただくとともに、
アジアのキャッチアップや技術集積を背景に
我が国が果すべき役割について考える機会としていただけばと思います。
遠山先生よりは、
今回は、大連経済開発区の全容が理解できなかったことが残念
これが結びつけば、大変よい研究課題となる …… と
ご感想をいただきました。
昨年以来のご支援、大変、有難うございました。
学生受け入れを快諾していただき、
素晴らしいプログラムをご用意いただいた本社と大連パンチ工業の皆様
多忙の中、一週間以上にわたる学生引率をお引き受けいただいた中西先生、遠山先生
海外派遣実現のプロセスで、サポ-トいただきました全ての皆様、
大変、有難うございます。
漸く、最初の試みを結実させることができました。
今回の学生海外派遣の報告会は
11月初の「高専祭」において開催させていただく予定です。
学生に海外学習の機会を与える試みにつきましては
学校改革の進捗と共に、
新しい位置づけを与えられて行くことにもなろうかとも思います。
今後とも、ご高配を賜りますようお願い申し上げます。