おとも庵 記録帳

ヒヨコまめ活動記録や、毎日の日記など記録していきます。

ハウス用重油が燃え尽きた!③(備忘録)

2023-02-21 15:04:41 | 農業
次の日の朝。
眠れないかと思いきや、完全に熟睡してしまった自分に驚きました。

明け方の外気はマイナス1℃でした。
ズッキーニたちは暖房もなくこんな寒い中を過ごしたというのに、私は温かい布団で寝て、朝起きたら部屋に暖房がついていて。
あの子たちはどんなに寒かったろうか。
寒くて死んでしまったろうか。

そのうち、母からLINEが来ました。
「ズッキー二は、元気です」

母も心配になって様子を見に行ったところ、大丈夫なようでした。
よかった。
本当によかった。

朝、ハウスに向かう車の中で、どうしても車の暖房をつけられませんでした。
寒くて、手が痛い。
でも、ズッキーニたちは、もっと寒かったんだろうから。

ハウスに到着してズッキーニを見ると、いつもと同じように元気な姿でいました。




「みなさん、元気でよかった!」
思わず声をかけました。

こういう経験をするとわかるのですね。
ズッキーには、思いのほか低温まで耐えられるということを。

朝一番で農協に電話をし、すぐに重油を満タンにしてもらえるようにお願いしました。
そして、機械センターの人にエア抜きができなかったことを伝え、今日一緒にエア抜きをしてもらえるようお願いしました。

午前中のうちに、給油車が三度目のご到着。
「なに、エアが出なかったんけ?」
作業員さんとも、すっかり顔なじみになりました。

その後機械センターの人が二度目のご到着。
ねじを回した途端に泡が出て、すぐに重油が流れ出ました。
そして、スムーズに着火しました。

やっと、平穏な日々が帰ってきました。

その後、農協に行くと
「重油、大丈夫でしたか?」
「暖房機は、燃えたんけ?」
「給油車が行ったり、機械センターが行ったり、すごかったね」
「道に迷っちゃってごめんねー」
「どしたん、その後は?大丈夫け?」

いろんな人に声をかけていただき、一躍有名人になったような錯覚を覚えました。

農協の職員さん、みんな優しくてありがたい。
そして、機械屋さんにも電話で結果報告をしたら、安心してくださった様子。
困ったときに一人じゃ何も解決できない私ですが、周りの皆さんのお力を借りてどうにかやっています。

ズッキーニ、ここで収穫終了も覚悟しましたが、まだまだ元気なご様子。
結果的には、ここから20日後に引っこ抜きましたので、絶命のピンチを乗り越え、長く楽しませていただきました。





これからはこういうことのないよう、重油の目盛りには気をつけなくちゃと肝に銘じました。


ハウス用重油が燃え尽きた!②(備忘録)

2023-02-21 14:37:50 | 農業
あたりはもう真っ暗。
給油車をもう一度待つことになりましたが、たぶん30分くらいはかかる。
ここで家に帰っても、戻ってくるまでに私も30分くらいはかかる。
だから、ここで待とう。

車の中で、今度クリスマスコンサートで歌う「瀬戸の花嫁」のフラダンスの振付を一人おさらいしていました。

すると再び給油車がやってきました。

今度こそ入って!

ジュオワー…と音がして、タンクに重油が入っている様子でした。

よかったねー、ズッキーニたち。これで今夜も暖かく過ごせるね。
給油の方にお礼を伝えて、給油車は無事に帰っていきました。

よし、エア抜きしよう!

懐中電灯とスマホの明かりの下、機械センターの人に教えてもらったようにエア抜きしてみました。

その① ねじを回してしばらく待つと泡が出る
…泡が出ない…

その② 泡が出たら、コックを回して重油が出るまで待つ
…重油が出ない…

できない、どうしてもエア抜きができないのです。
このエア抜きをしないと、タンクから重油を運ぶ管の中に空気が入ったままで、暖房機まで重油が届かず着火しないのです。

困った。
何度やってもできない。
もう農協はとっくに就業時間が終わっていて、機械センターの人も帰ってしまったはず。

わらをも掴むような気持で、日ごろお世話になっている機械屋さんに電話できいてみることにしました。
すると、機械屋さんはダッシュでハウスに来てくれました。
本当にありがたい。

機械屋さんに事情を説明すると、
「もしかして、1㎘じゃあ圧力が足りなくてここまで重油を送り込めないんじゃないかな?」

ハッとしました。
私が重油代をケチって、1㎘だけにしてしまった…
満タンに入れればその重さで圧力がかかり、エアが抜けたのかもしれません。

機械屋さんがポンプで重油を吸い取ろうとすごく頑張ってくれましたが、やはりエアは出ない。
「これは、満タンにしないとどうにもならないね」
機械屋さんは言いました。

私はダメもとで農協に再び電話をしてみました。
すると、若いお兄さんが電話に出てくれましたが、夜間給油についてよくわからない様子。
調べてまた電話をもらえることになりました。

機械屋さんはいろいろ手を尽くしてくださり、農協のお兄さんも調べてくれているみたい。
それでも状況は変わらずに時間だけが過ぎていきます。
真っ暗なハウスは、どんどん寒くなってきました。

これは決断の時。
もうやめて、あきらめることにしました。
機械屋さんと農協のお兄さんに今夜はもうやめにしましょうと伝え、ズッキーニを後にして帰ることにしました。

夜は氷点下まで気温が下がる予報。
ズッキーニは凍ったら、死んでしまうでしょう。
かわいそうなズッキーニたち。
ごめんね。

かわいそうで、泣きそうで、ズッキーニの姿をまともに見られずに家に帰りました。

(③に続く)

ハウス用重油が燃え尽きた!①(備忘録)

2023-01-03 11:12:09 | 農業
2022年の自分事件簿第一位に輝く出来事、「ハウス用重油が燃え尽きた」件について、自分用の備忘録として記録しておきます。

それは12月20日の朝から始まりました。
ハウスの暖房機の燃え具合を毎朝確認するのですが、この日はその際に「不着火」の警告が表示されていました。
初めて見る表示でしたが、何だか心配になりました。
農協の機械センターに電話で問い合わせたところ、今日は詳しいものが不在だということで、ひとまず「不着火」の警告の消し方だけ教えてもらいました。

それからズッキーニの箱詰めをしたりしているうちに、どんどん気温が上がり、暖房機のことは忘れてしまいました。

午後3時過ぎ、だんだんと気温が下がってきたのでハウス内のカーテンを閉めに行きました。
その際、暖房機のことが気になり、設定温度を上げて暖房機が回り始めるか確認しました。

すると、ファンは回るものの、着火せず、扇風機のように涼しい風しか出てきません。

やばいやばい、これはやばい!
このままでは夜に暖房機が稼働しない!
夜明け前は氷点下になるから、このままではズッキーニが凍ってしまう!

まるでちびまる子ちゃんの登場人物のように、顔からサーッと血の気が引きました。

再び機械センターに電話したところ、以前も暖房機の設定でお世話になった人が出てくれました。
状況を伝えると、「すぐに行きましょうか?」と言ってくださいました。
よかった、これで何とかなる!

本当にすぐに機械センターの人がやってきてくれました。
ありがたい!

そして、暖房機を点検してもらったところ
「重油が燃え尽きているみたいです」
とのことでした。

「えー、だって、重油タンクの目盛りはまだ残りがある様子ですよ!」
「さっき目盛りのヒモを見たんですが、横に引っかかっていて、動いていなかったみたいです。」
「うそー!!!!!」

嘘なんかではありませんでした。
外の重油タンクを見てみると、さっきまで残り1㎘あたりを指していたはずの目盛りが、残り0のところまで移動していました。

タンクの目盛りは毎日確認していたんです。
思い返せば、確かにいつも同じ位置を指していました。
「ズッキーニは設定温度が低いから、重油はほとんど燃えないんだねー」なんて、母とのんきなことを話していました。

違うんです。
燃えていたんです、毎日。
だから、目盛りは当然動くはずなんですが、季節風の西風で目盛りのヒモがメーター横に引っかかってしまい、動かなかっただけでした。


もうそろそろ、日が暮れます。
これから緊急で重油を届けてもらうよりほかありません。

すぐに農協に電話をし、緊急で重油を持ってきてもらえるよう、お願いをしました。
すると、ここでもまさかの事態が。

「明日から重油単価が値下がりしますが、どのくらい重油を入れますか?」

緊急で重油を持ってきてもらうと、通常配送よりも単価が高いのです。
しかも、明日からは単価が下がる。
それならば、最低限を今日入れて、単価が下がったら追加すればいいか。
そう思って、1㎘を入れてもらえるようにお願いしました。

機械センターの人によれば、燃え尽きてしまった場合、タンクから暖房機の間に空気が入り込んでしまっているため、その間の空気を抜く「エア抜き」をしないと着火しないとのこと。機械センターの人はこれで帰るので、やり方を2回くらい教えてもらい、自分でエア抜きをすることにしました。

日が暮れつつある中、ハウスで給油車を待ちました。でも、なぜか一向に来ないのです。

4時半過ぎでしたが、もう辺りは真っ暗。
これじゃあ、田んぼの中のハウスの位置がわからないか?

待つこと30分、一台の車が到着。中で何やら電話をしている様子。中から人が出てきたので挨拶すると、農協の職員さんでした。真っ暗だったので給油車が道に迷って到着できないとのこと。道案内をしてくれていた様子でした。

車のライトをつけ、ここだ!ここだ!とアピールすると、やっと給油車が到着しました。

よかったー、これで暖房がつく。
給油を見守っていると、ここでかなり予想外の事態が。

なかなか重油が出ないのです。
給油車の人も慌てているようでした。

すると、
「すみません、今日この車が車検だったもので、重油を全て抜き取ったので空っぽでした。」

ズコーッ‼️
ドリフ並みにズッコケそうな、まさかの展開。

そんなことって、あり得るんだ!

「すぐに戻って、油入れてきます」
と言い残し、給油車は帰っていきました。

なんかもう、笑っちゃうし、いろいろどうでもよくなるし、情けないし、寒いし。

真っ暗な中、再び給油車を待つことになりました。

(②に続く)

ちむどんどんした日

2022-07-03 07:45:00 | 農業
昨年の8月下旬から今年の5月末まで、ずっとズッキーニをハウス栽培していました。
父はきゅうり一筋40年でしたが、もっと私らしい野菜はないかと模索してやってみたのがズッキーニでした。

きゅうりより簡単だよ~
きゅうりより軽いよ~
誰でも作れるよ~

というベテラン指導員に誘われて作ってみましたが、いやいやそんなことはありませんでした。

けっこう大変だよ!
それなりに重たいよ!
ちょっと心が折れそうだよ!

この9か月の間、そんな場面もありました。

そんなズッキーニ栽培でしたが、一番思い出に残る出来事がありました。

私のズッキーニが、NHK朝ドラ「ちむどんどん」に登場!

ネット販売していたズッキーニをテレビ局の方が見つけてくださり、購入していただいたのです。

主人公暢子(のぶこ)が務めるイタリアンレストランにズッキーニが納品できなくなり、暢子に思いを寄せる智(さとる)が遠方までズッキーニを探しに行き、
買い付けてくるという場面。

智が岡山県で買ってきたズッキーニは、つやつやのズッキーニ。
暢子は「アキサミヨー!いつものより上等さぁ!」って言ってくれました。

用意されたセリフだとわかっていますが、なんか本当に暢子に褒めてもらったような気がして、嬉しかったです。

テレビに映ったことも嬉しかったのですが、それ以上に嬉しいことがありました。
オンエアを見た友人やInstagramで知り合った農家の仲間から連絡が来て、みんなが

すごい!
美しいズッキーニ!
極上品!

と言ってくれました。そして皆より

自分のことのように嬉しい
周りに自慢したい

と言ってもらえました。

こんな幸せなことがあるのかと思いました。

農家やってて、接する人は母と農協の人くらい。
とても狭いコミュニティだと思っていました。
でも、このようなことがあると、

こんなに応援してくれる友人がいる
自分のことのように喜んでくれる友人がいる

という、ありがたいことに気づかされます。

狭いと思っていた日々の世界は、自分が勝手に決めた狭さ。
気づいていないだけで、自分が思っているよりも、私を取り巻く農家の環境って広いのかも。
誰も見ていないと思っていたけど、結構多くの人が、私のことを気にかけてくれていたんだなあと思いました。

農家が野菜を作る、必要としている人が買う、当然のことです。
私も農家一年目ですので、ただ毎日を夢中で過ごしていただけです。
たまたまこのようなご縁に恵まれただけです。

その日、仏壇に手を合わせ、父や祖父に報告しました。
すごく嬉しかったんだよ。
農家やってて、本当によかったよ。

美味しい枝豆できてます

2021-09-15 04:44:00 | 農業
7月になってから遅めの種まきをした枝豆が、収穫時期になりました。

100粒入りの種だったので、25粒ずつ、4週にわたって種まきをしました。今のところ、2週目の枝豆まで収穫しました。

枝豆って、食べようとして(または口に入れてみて)虫がいたら、食べる気がなくなりがちです。もちろん、うちの子供たちもそうです。

今年は、JAの職員さんに消毒の仕方を聞き、そのようにやってみました。すると

本当に虫がいない‼️

消毒ったって、1回か2回です。そんなもんで、虫食いがなくなるなんて‼️

薬も、枝豆の場合はかなり薄く希釈するんです。これなら、私も安心して栽培することができます。

そして何より、美味しい。
湯上がり娘という品種のこの豆、風味が良く、豆もぷっくりと膨らんで、ほんとに美味しい。

決めた。
まめ子は、来年の夏は枝豆農家になるぞ‼️