ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

晩秋の北海道 1

2010-10-11 10:29:33 | 田舎の理屈
 忙しい旅でした。
 考えさせられる旅でした。
 しかし、美しく広い北海道でしたから、楽しめました。
 そして、ずっと記憶に残っていくであろうと思わせてくれた北海道でした。

 レンタカーを借りての移動は大正解でしたね。



 キレイでした。
 静かでした。ただ酒を飲んで仲間と騒ぐ自分がいました。
 ふと、寒いなあ。今年初めての経験です。
 北海道はもう秋が終わりかけているようでした。



 今回の旅のテーマは、廃線となった鉄道跡地の利活用だったのです。都会では考えられないでしょう。いらないからと捨てられた鉄道遺跡。なにやら魚梁瀬森林鉄道みたいです。


鉄道が走らなくなった軌道は、なにやら寂しげで、ただそこにありました。



橋も次第に錆びて腐食が進んでいることがすぐ気になりました。

経済という怪物に押し切られて捨てられた物。そうした遺跡を今度は観光に生かそうとしています。ただ、今回見せていただいた場所はまだ始まったばかりです。


 多分、北海道と高知県の利活用の仕方、楽しみ方は違う方法になると思いますが、廃線を観光資源として生かしながら、その廃線に新しい価値を付与していく作業となるのは同じです。都会だったら廃棄するとすぐに新たなものが建設されるのですが、田舎には代替案は出てこないのです。



 発見が一つ。ここの行政の賢さです。廃線となったとき、その余った施設と資材を撤去費用と共に譲り受けたのです。どこかで聞いたことのある話だったのですが、ここでは最終的な撤去費用まで獲得した上で、廃線を活用しているのです。橋やらトンネルを撤去する費用って結構かかりますからね。何十年か後、撤去しなければならなくなったときに、撤去費用を事前に獲得していることが、生きてくるのでしょう。
 観光産業が成長すると、撤去費用として獲得した基金は、施設の修繕費用となって、新たな時間を生み出すことになります。そうなればいいですね。




 廃線の上にトロッコを走らせていました。人が自転車のようにこいで進むのです。
 自然一杯の中で笑顔が溢れていました。つい笑ってしまうのです。そしてきょろきょろとしてしまいます。ゴトンゴトンという音と歓声が辺りを包んでいます。



 遊びが完成していないから好いのでしょう。楽しかったですね。
 これが動力車が引っ張るだけだったら、楽しさは多分半減するでしょう。

 いつの間にか廃棄されたものが積みあがっている田舎の新たな挑戦がこんな北の大地で始まっているのです。智慧が田舎再生の切り札となるのでしょう。

 魚梁瀬森林鉄道遺跡を有する高知県の東部地域もこれから新たな挑戦が始まるのです。