ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

飲みながら・・・。

2009-11-05 09:29:58 | 好きなもの
 飲みながら、なんということなく、見てみたくなる絵があります。作家の名前はエゴン・シーレ。
 写真は彼の晩年の代表作で「家族」と題されています。オーストリアギャラリーにあります。
 男性はエゴン・シーレ本人ですが、女は奥さんではありません。また彼には子供は出来ていないのです。この絵は、彼が求めて、ついに得られなかった家族の想像画とも言うべきものです。才能に恵まれて、なんと16歳で美術アカデミーに入学したりと、周囲を驚かすのです。その彼はポルノ的な絵を描いて拘束されたりするのです。ただ、彼が求めて指導を受けたいと望んだグスタフ・クリムトからも、「教えることはない。」と・・。シーレの理解者・支援者となるのです。

 エゴン・シーレ。たった10年の画業生活で彼が残したものは、油絵が300点、その他素描などが2500点余りでしょうか。幸薄いというか、その才能に嫉妬するというか、、気になる「人」なのです。

 シーレ関係の逸話としては、彼が入学していた、「美術アカデミー」は画家を目指していた、同年代のアドルフ・ヒットラーが入学できなかった学校なのです。ヒットラーが挫折感を味わい、別の道を求めて、結果として政治活動に入ります。もしシーレとヒットラーが並んで絵を描いていたら・・。

 もう5~6年前のこと、ロンドンの競売大手ササビースで、シーレの作品「クルマウの風景」が24億円ほどで落札されたとの記事が出て、びっくりしたことがありますよ。
 1918年、28歳で脳卒中で他界するのです。
 妊娠中の妻エディットが他界した3ヶ月後で、第1次世界大戦が終わった年です。

 いままで何枚か彼の作品を見てきましたが、「家族」はまだなのです。
 この絵に、向き合ってみたいと思うのです。会ってみたいなあ。

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