ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

書院造り

2010-07-03 01:05:32 | 建造物入門
 奈半利町弓場にある民家です。かつては400人もの小作人を抱えていたとされる民家なのですが、今は住み人もいなくなっているのです。ただ時折私達ガイドが観光客を案内するのには絶好の家です。

 書院造りは室町時代に始まって、桃山時代に完成した武家住宅の様式ですが、一般の民家でも経済的に豊かだった家が文化様式を取り入れたのです。

 基本は座敷に床の間、違い棚、付け書院等を設置しており、床の間は座敷の床を一段高くして掛け軸等を飾ったのです。付け書院は元は床に置いた書見机が固定したもので、それが縁側に突出したものを出書院、突出していないものを平書院というです。



 この家を作ろうとした施主は、予算はいくらといわず、いい家を作ってくれと発注したそうで、それを引き受けた当時の匠たちは自らの技術を駆使して作り上げた作品とも言える家なのです。

 暑い真夏の日にも、窓を開けておくと、家の中を風が吹きぬけて、居心地がいいのですし、冬の日にもガラス戸を閉めておくと暖かくていい感じなのです。

 昭和の初期にこの家を建てた匠たちの声が聞こえてきます。
 「えいろう。」「気にいってくれたかや。」

 そう。この家には蔵があります。誠にいい蔵で、明治の後期の建築なのですが、未だに色あせない美しさを誇っております。
 これも一見の価値があります。

 高知県の東部地域にお出でになった観光客に是非見ていただきたい。そう思わせてくれる場所のひとつです。

 

定例行事

2010-07-03 01:00:54 | ちょっといい話。
 もう5年になるのだろうか、6年かな。年に一度の定例化しているのですが、県立高知工業高校の一年生が、地域研究の一環で奈半利町に来てくれたのです。街中をご案内しました。今年来てくれたのは39名。なかなかに熱心な生徒さんたちでした。

 先ずびっくりしたことが、一つ。平成16年に彼らの先輩達が野根山街道の起点、高札場にある祠が古くなっているのを見て、新しく建ててくれたのですが、その中の生徒の一人が今回は教員の一員として参加してくれたことです。

 長くやっていると、いいことがあります。こうした新たな出会いも、私達の財産です。
 今回いつもと違うことは、四電ビジネス株式会社の方々が取材同行をしていたことです。四国電力が発行しているライト&ライフという雑誌に載せるのだそうで、今年いっぱいは取材を続けるそうです。面白いことです。



 取材チームとの打ち合わせをしているところです。

 これからも色々な方々がお見えになることでしょう。
 今日の一番のお気に入りは、生徒の方々が道行くおじさんやおばさんに、挨拶をちゃんとしてくれたことです。

 「こんにちは。」「ありがとうございました。」
 挨拶の言葉のなんと心地よいことか。

 あ、ブラジルが負けた。
 日々何が起きるか分かりません。

よくわからん数字。

2010-07-01 18:34:11 | 今日の一面
 今日の一面右下に「年金運用9.2兆円黒字」とあります。
 黒字・黒字と活字が躍っています。

 厚生年金と国民年金の積立金を運用する独立行政法人が昨年度122兆8425億円を運用して、9兆1850億円の黒字を出したというのです。7.91%もの利回りを出したことになるのですが、何をどうしたのでしょうか。国内外の市場で運用しているとはいえ、この数字は尋常ではありません。

 08年度に例のリーマンショックの影響を受けて単年度9兆6670億円もの赤字が出ていたことを考えると、09年に回復基調にあったことを考えても、こうした変動を独立行政法人がやっていることに、危惧を感じるのは私だけだろうか。

 8%近い数字は決して小さくはないのです。

 ハイリスク・ハイリターンを繰り返しているのだろうか。
 もっと堅実な運用をお願いしたいと思うのですがね。

 将来年金を受け取る方々の原資ですからね。リスクをとらないで欲しいし、独立行政法人といった組織による一括運用にも、すこし不明朗な部分があるのです。

 今、市中銀行の預金利息って1%もないのです。
 だれでも、リスクがないなら、やりたいのでしょうが、おかしいと思うなあ。

 08年、09年と2ヶ年では、5000億円ほどの赤字なのですし、100兆円ものお金を動かして、昨年まで累積赤字だったのですから、そのほうが???。なのです。

 どんな仕掛けでそんなことになっているのか、興味があります。
 数字が大きすぎて、なにやらゲームをやっているかのようです。