私は10代の頃、谷川史子という漫画家が好きだった。
当時『りぼん』にオムニバス形式の短編を連載していて、特別刺激的な展開はないもののほんわかと展開するストーリーがとても心地よかった。
そのせいか、私は「オムニバス形式フェチ」である。
そしてこの『タイニー・タイニー・ハッピー』は一つの大型ショッピングモールをめぐる登場人物たちのオムニバス形式の物語だ。
湊かなえの『告白』もそうだったけれど、違う登場人物男独白という形式も、ハマると非常に面白い。
外側から見た姿と、本人の本当の姿がいかに乖離しているかが良くわかる。
…と、ここまでストーリーに触れていないことに気づいたけど、別に触れなくてもいいかなとさえ思う。
内容は若者たちの恋愛模様を中心とした生活の話。
悩んだり喜んだり決断したり。
これだけ登場人物がいるんだから、誰か一人ぐらい自分と重なる人がいるだろう…ということだったけれど、残念ながら私は一番空気が読めない「小山」を自分に一番近いと思った。
正義を押し通すことが必ずしも正しいわけじゃない。
いや、もう私は人生の中で何度これを言われたか!しかも違う人から。
明日からはもっと空気を読んで生きます。
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角川文庫は飛鳥井千砂をかなり押していて、これと一緒に『アシンメトリー』という作品も刊行されています。
実はそっちも読んだのだけど、私にはピンと来なかった。
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