どんな人が弁護士に向いているか。
わたしたちの仲間では、定説がある。
なんのことはない、「普通の人」がいい、ということである。
小さい頃からエリ-トで、なにをやっても1番、
劣等感なんかは(表面上)なかった、という人は、向かない。
普通のガキで、いたずらっ子、ガキ大将、勉強はそっちのけ、
という人がいいのである。
その方が、本当の「常識」が身に就く。
仲間でつるんで、こっそり無賃乗車をした、
とか、
「1000人切り」を宣言した、とか、
いたずらっ子であった方がいい、
というのである。
実際、わたしの小学校時代、
ガキ大将で、いたずらばかりしていた、
という男が、
現在20人の弁護士を雇う大弁護士になっている。
わたしは、真面目一方だったので(弁護士には向かない)、
よく彼にからかわれた。
わたしは、頭も悪く、成績も最悪であった。
あるとき、彼のからかいに怒って、殴ってやろう、と決め、
放課後、探したが、いない。
わたしが、腕力が強く、
まともに相手にしたら、
ノックアウトされる、
と読んだらしい。
そういう男や女の方がいい、
というのが、わたしの実感である。